クサビベラ
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SL(体長)30cm前後になる。左右にも厚みがあり、ずんぐりしていて体長からして持ち重りする。側線は胸鰭上から尾鰭まで続く。 SL(体長)30cm前後になる。左右にも厚みがあり、ずんぐりしていて体長からして持ち重りする。側線は胸鰭上から尾鰭まで続く。
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
魚貝の物知り度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科イラ属
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外国名 |
Orange-dotted tuskfish
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学名 |
Choerodon anchorago (Bloch, 1791)
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漢字・学名由来 |
漢字/楔倍良 Kusabibera
由来・語源/〈楔形の淡色帯が腹部から側線の最も高い彎曲部へと延長する〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)にクサビベラ(新称)とある。 Bloch Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
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地方名・市場名 |
イノーマクブ 備考「イノー」はサンゴ礁に囲まれた浅い場所(礁湖)のこと。「マクブ」はシロクラベラのことだが、体高のあるベラのことでもある。 参考河村雄太さん、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県石垣市・沖縄本島知念 |
概要
生息域
海水魚。砂礫域。
小笠原諸島、奄美大島以南の琉球列島。
台湾、東沙諸島、香港、東インド-スリランカ以東の西太平洋。
生態
基本情報
鹿児島県奄美大島以南に生息している。この地域では食用となっているが、熱帯域の魚なので個体数が少なく、水揚げ量は少ない。ベラ科でも味のいい魚のひとつである。
珍魚度 珍しい魚ではないが、手に入れるためには沖縄などに行く必要があるし、必ず手に入る可能性は低い。
水産基本情報
市場での評価/沖縄などで流通。評価は不明。
漁法/刺突漁、定置網など
産地/沖縄県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は不明。
鱗は柔らかく大きく取りやすい。皮は厚みがあって強く、熱を通すとゼラチン質を感じる。
白身で水分がやや多い。熱を通しても硬く締まりすぎない。
クセのない上質の白身で食用魚としての価値が高い。
基本的に内臓は食べない。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
クサビベラの料理・レシピ・食べ方/ソテー(バター焼き)、煮る(まーす煮、煮つけ)、生食(皮霜造り)
クサビベラのバター焼き 皮に厚みがあってソテーして香ばしくあがる。ソテーに向いている魚である。切り身を塩コショウして最初はオイルでじっくりソテー。仕上げにバターで風味づけした。仕上げにしょうゆをたらすとご飯に合う。
クサビベラのマース煮 やや大型だったので頭部(兜)のみを使った。水洗いの時に非常にていねいに鱗を取る。これが面倒なら湯通しして冷水に落として残った鱗を流し、水分をよくきり使ってもいい。まーす(塩)と水、少量の泡盛(あったらでいい)で強火で短時間煮る。煮た汁がうまい。一緒に煮た豆腐も美味。
クサビベラの煮つけ 水洗いし、やや大型なので適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・水で煮る。砂糖は必須ではない。非常に淡泊で嫌みのない味わい。
クサビベラの皮霜造り 水洗いして三枚に下ろし、血合い骨を切り取る。皮目に湯をかけて氷水に落として水分をよく取る。これを刺身状に切る。身だけではイマイチうま味に欠ける。これを皮のうまさで補う。非常にうまい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど