キビレカワハギ
キビレカワハギの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
33cm SL 前後になる。第1背鰭棘の後方つけ根に小さな皮膜がある。体色はウマヅラハギよりも淡く、体側に紋がない。鰓孔(目の下にある斜め前方に裂け目)の前端は目の前端と同じ位置(直下)に達する。[32cm SL・753g] 33cm SL 前後になる。第1背鰭棘の後方つけ根に小さな皮膜がある。体色はウマヅラハギよりも淡く、体側に紋がない。鰓孔(目の下にある斜め前方に裂け目)の前端は目の前端と同じ位置(直下)に達する。 鰓孔(目の下にある斜め前方に裂け目)の前端は目の前端と同じ位置(直下)に達する。
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珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系フグ目カワハギ科ウマヅラハギ属
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外国名 |
Modest filefish
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学名 |
Thamnaconus modestoides (Barnard,1927)
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漢字・学名由来 |
漢字 黄鰭皮剥 Kibirekawahagi
由来・語源 鰭が黄色いため。1979年に小笠原諸島で発見された2個体で和l名がつけられた。
modestoides 小種名はmodestus(ウマヅラハギ)に似ているという意味。 |
地方名・市場名 |
ウマヅラ ウマヅラハギ 場所神奈川県小田原市小田原魚市場 カワハギ 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 |
概要
生息域
海水魚。水深200mよりも浅い岩礁域。
八丈島、小笠原諸島、千葉県大原、神奈川県三浦半島・相模湾二宮・小田原・真鶴町、銭州群島、静岡県沼津、三重県志摩、和歌山県南部・白浜町椿、高知県以布利、愛媛県深浦、兵庫県浜坂、山口県日本海沿岸、五島列島南西沖。
台湾、香港、オーストラリア西岸・東岸、ニューカレドニア、アンダマン海、チャゴス群島、マダガスカル、アフリカ南東岩。
生態
基本情報
1990年代の『日本産魚類検索 全種の同定 第一版』(中坊徹次編 東海大学出版会)には小笠原諸島、琉球列島でしか確認できていない。それが今や相模湾などでもしばしば見かける。これは本種が認知されていなかったためなのか、温暖化のせいなのかは不明。今でも日本各地でウマヅラハギと混同されて扱われている可能性が高い。
味的にもウマヅラハギとそっくり、ときに筋肉が赤みを帯びるが手に入れた個体数が少ないので身質の正確な評価は出来ない。
未利用魚 漁獲量が少ないので未利用魚ではない。単体で揚がってもそれなりに利用されている。ウマヅラハギに似ているからだ。マイナー魚は売れる魚になりつつあるが、ウマヅラハギと区別がつく人が少ないのでマイナー魚でもない。
珍魚度 最近珍しい魚ではなくなっている。ただし流通量は少ないので探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価 近年関東の市場、漁港でも見かける機会が増えている。ウマヅラハギと区別できていないので値段も同様。
漁法 定置網
産地 静岡県、神奈川県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は不明。初夏の個体は身に張りがある。
初夏の固体で肝が大きく身に張りのあるものがあるなど、もっと個体数を見ないとわからない。
皮は厚く、ビニールのようで剥ぎやすい。薄皮があり、繊細で引くのは難しい。骨はやや硬い。
血合いは片身上下に大きく、濃い赤褐色。血合いをすきとると歩留まりは悪い。白身で赤みがかる。熱を通すと締まる。肝は秋冬に大きく美味。肝はクセ、嫌みがなく非常に美味。骨や、筋肉、アラなどからいいだしが出る。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
キビレカワハギの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ、鍋)、汁(潮汁、みそ汁)、揚げる(唐揚げ)
キビレカワハギの刺身 基本的にウマヅラハギに似ている。ただ個体数が少ないのもあって旬がよくわからない。写真は6月の個体だが、舌に乗せると身に張りがあり、微かに脂を感じる。
水洗いして薄皮を引き、普通に刺身に切る。肝は湯通しして冷水に取り、水分をよくきる。肝の味わいはウマヅラハギと変わらない。ほんのりと甘味があり、食感もいい。
キビレカワハギの湯引き 水洗いして皮を剥ぐ。三枚に下ろして薄皮がついたまま湯通しする。氷水に落として適当に切る。同様に肝も塩ゆでして氷水に取り、水分をよく切っておく。これを合わせて旬の青唐辛子で食べる。ポン酢でもいいし、わさび醤油でもおいしい。
キビレカワハギの焼霜造り カワハギ類はやや単調な味わいなので、薄皮を生かしてみた。外側の皮を剥ぎ、三枚に下ろし腹骨などを取り去る。薄皮をあぶって切りつけた。薄皮下に味があり、皮目の香ばしさとともにとても味わい深くなる。
キビレカワハギのバター焼き 上品な白身だが、逆に考えると味がない。これをソテーすることで解消する。水洗いして二枚に下ろして骨つきの方に塩コショウする。これを多めの油でじっくりとソテー。仕上げにマーガリン(バター)で風味づけする。しょうゆをたらすとご飯に合う。
キビレカワハギの煮つけ カワハギ類の定番的な料理だ。ここでは二枚に下ろした骨つきの方を使う。湯通しして冷水に落として霜降りにする。水分をよくきり、酒・しょうゆ・水で煮る。砂糖、みりんで甘味を加えてもいい。身離れがよくイヤミのない味わいだ。
キビレカワハギの鍋 あらなどを集めて置く。湯通しして冷水に落として霜降りにしておく。水分をよくきり、昆布だしに酒・塩味の汁で煮ながら食べる。うま味豊かなだしが出て、あらなどに付着した身がとても味わい深い。いい鍋材料だと思う。
キビレカワハギの潮汁 あら、肝などを集めて置く。湯通しして冷水に落として霜降りにする。水分をよくきり、昆布だしで煮だし、酒・塩で味つけする。うま味豊かな汁になり、骨についた身も甘味があって美味。
キビレカワハギの酒塩焼き 切り身にして強めの振り塩をする。1時間以上寝かせて、酒にくぐらせて焼く。じっくり焦げないように焼き、酒を塗りながら焼き上げる。身は思ったほど締まらず、やや淡泊な味わいに酒の風味がいい。
キビレカワハギのフリット フリットはイタリア語で揚げもののこと。天ぷらでもないパン粉をつけたフライでもないときに使う。小麦粉・水・重曹少し・オリーブオイルで衣を作る。三枚に下ろして腹骨・血合い骨をとり、薄皮つきのまま小麦粉をまぶし、衣をつけて揚げる。さくっとした強い食感の中にふんわりとした身が豊潤である。
キビレカワハギの唐揚げ 頭部やあらなどを集めて置く。水分をよく切り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。上品な白身で揚げて身自体にうま味は少ない。スパイスを利かせるといいのかも。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど