アゴハタ

アゴハタの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
30cm SL前後になる。体全体に白い小さな斑紋が散らばる。背中に鞍掛紋がある。体高は高く、少し側へんする。下顎に比較的大きな皮弁がある。[24.5cm SL・471g]
30cm SL前後になる。体全体に白い小さな斑紋が散らばる。背中に鞍掛紋がある。体高は高く、少し側へんする。下顎に比較的大きな皮弁がある。[24.5cm SL・471g]
30cm SL前後になる。体全体に白い小さな斑紋が散らばる。背中に鞍掛紋がある。体高は高く、少し側へんする。下顎に比較的大きな皮弁がある。[24.5cm SL・471g]
30cm SL前後になる。体全体に白い小さな斑紋が散らばる。背中に鞍掛紋がある。体高は高く、少し側へんする。下顎に比較的大きな皮弁がある。[24.5cm SL・471g]

石けん魚・Soapfish、グラミスチンを持つ魚たち

珍魚度・珍しさ★★★★
めったに出合えない
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★
まずくはない
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ヌノサラシ亜科アゴハタ属
外国名
学名
Pogonoperca punctata (Valenciennes, 1830)
漢字・学名由来
漢字/顎羽太 Agohata
由来・語源/1960年、片山正夫の命名。下顎から大きな皮弁が下がっているため。

顎髭 下顎にぼってりした房状の髭(ひげ)があるために、「顎羽太」となる。
学名/Pogonoperca punctata 属名、Pogonoperca は顎髭のある魚たち(属)という意味。小種名、punctata は斑点のあるという意味。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)
Valenciennes
アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。
Katayama
片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。
地方名・市場名
ヨダレミーバイ
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 

概要

生息域

海水魚。沿岸の岩礁やサンゴ礁域。
八丈島、小笠原諸島、和歌山県田辺湾、高知県、鹿児島県屋久島・種子島、琉球列島。
台湾、中沙諸島、南沙諸島、東インド-太平洋。

生態

基本情報

主に鹿児島県島嶼部以南で漁獲されている。ヌノサラシとは違いやや大きくなるので沖縄県の競り場などに並び、食用となっている。
「石けん魚(Soapfish)」と呼ばれる体表に、石けんのように泡立つぬめりを出す魚類のひとつ。このぬめりがグラミスチン(grammistin ヌノサラシ属のGrammistesから)、などの魚類体表粘液毒だ。国内ではキハッソク、ルリハタ、アゴハタ、ヌノサラシの4種がこのタイプの毒を持つ。水槽などに別の魚と一緒に入れておくと死んでしまったり。また捕食されてもグラミスチンのためにすぐに吐き出してしまうことで防御手段ともなっている。
珍魚度 珍魚だ。個体数が少ないためか漁獲量が非常に少なく、産地である沖縄県などでも手に入れにくい。
食用としたときの毒性は不明。食べるときは自己責任で。

水産基本情報

市場での評価/沖縄県でも希に競り場に並ぶ。一定の評価はないのだと思われる。
漁法/
産地/沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

模様が濃いもの。触って硬いもの。

味わい

旬は不明。
鱗は細かく取りにくい。皮は分厚く強い。骨はあまり硬くはない。
血合いがほとんどない白身でやや水分が多く、熱を通すと硬く締まる。
食用としたときの毒性は不明。食べるときは自己責任で。

栄養

危険性など

鹿児島県島嶼部、沖縄県などでは水揚げされて流通している。ただし食したときの毒性は不明。
食用としたときの毒性は不明。食べるときは自己責任で。

食べ方・料理法・作り方

アゴハタの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)
アゴハタの刺身 水洗いして三枚に下ろして皮を引くと、血合いはほどんど感じられない、とてもきれいな白身である。ハタ科特有の身質でほどよい弾力がある。くせのない上品な味わいで、脂は微かに感じられる程度、ややうま味に欠ける部分があるものの美味。
アゴハタの唐揚げ 水で煮ても焼いても硬く締まる傾向雨にあるため、唐揚げにしてみた。水洗いして適当に切る。水分をよくきり、片栗粉をまぶして少し寝かせる。これをじっくりと二度揚げにする。中骨以外は食べることができた。身は鶏肉のような食感で魚らしい味もあり、なによりも皮がねっとりしておいしい。
アゴハタのみそ汁 頭部やあらを集めて置く。内臓は全部捨てた。基本的に熱帯系の魚で、あまり食されていない種の内臓は食べるべきではない。食べやすい大きさに切り、湯通しする。冷水に落として残った鱗などをこそげとる。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。いいだしが出て汁がうまい。身よりも皮の方が魅力的な味だ。
アゴハタの煮つけ(兜煮) 水洗いして頭部を梨子割りにする。意外に骨は硬くない。湯通しして、冷水に落とし、残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸騰させた中で煮る。途中醤油の加減をみて足りなければ足す。煮ると硬く締まるところが難点。味は無難である。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど