ミハラハナダイ

ミハラハナダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
30cm SL 前後になる。赤く体高が高い。鱗は大きく、尾鰭は湾入する。背鰭棘は9。下顎先端に歯塊がある。背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。腹鰭棘先端は鋸歯状。[鹿児島産 25cm SL・538g]
30cm SL 前後になる。赤く体高が高い。鱗は大きく、尾鰭は湾入する。背鰭棘は9。下顎先端に歯塊がある。背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。腹鰭棘先端は鋸歯状。[奄美大島産]
30cm SL 前後になる。赤く体高が高い。鱗は大きく、尾鰭は湾入する。背鰭棘は9。下顎先端に歯塊がある。背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。腹鰭棘先端は鋸歯状。[奄美大島産]
30cm SL 前後になる。赤く体高が高い。鱗は大きく、尾鰭は湾入する。背鰭棘は9。下顎先端に歯塊がある。背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。腹鰭棘先端は鋸歯状。
下顎先端に歯塊がある。
30cm SL 前後になる。赤く体高が高い。鱗は大きく、尾鰭は湾入する。背鰭棘は9。下顎先端に歯塊がある。背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。腹鰭棘先端は鋸歯状。
背鰭第2〜4棘(ときに3棘のみ)にノコギリ状の歯がある。
腹鰭棘先端は鋸歯状。

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珍魚度・珍しさ★★★★
めったに出合えない
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ミハラハナダイ科ミハラハナダイ属
外国名
学名
Giganthias immaculatus Katayama,1954
漢字・学名由来

漢字 三原花鯛 Miharahanadai
由来・語源 1954年、片山正夫の命名。1952年に東京都大島沖で採取されたものをタイプ標本として登録したことで、大島にある三原山の名を冠した模様。
〈スズキ目スズキ科ミハラハナダイ属 ミハラハナダイ Giganthias immaculatus KATAYAMA 〔伊豆大島から知られているのみ (KATAYAMA,1954)〕〉
スズキ科から片山正夫によってハタ科になり、現在ではミハラハナダイ科は独立している。
〈スズキ目ミハラハナダイ科ミハラハナダイ属 ミハラハナダイ〉『日本産魚類検索 全種の同定』(中坊徹次編 東海大学出版会 1993)

Katayama
片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。水深130-170m。
相模湾、伊豆半島石廊崎、伊豆諸島、三重県御座、和歌山県太地沖、高知県土佐清水市、長崎県五島列島と男女群島の中間域、薩摩半島西岸、大隅諸島、トカラ列島、琉球列島。
台湾。

生態

基本情報

相模湾以南の太平洋沿岸、九州、琉球列島のやや深場に生息する魚である。本州などでも希に水揚げされるが、主な産地は九州南部から琉球列島にかけて。相模湾でもたくさんとれたことがあるというが、確認できていない。
非常に個体数が少ないためか、水揚げ量は極めて少ない。当然、流通上での一定の評価はない。
珍魚度 ほぼ珍魚としてもいいだろう。探してもすぐには手に入らない魚で、手に入れるのは至難。

水産基本情報

市場での評価 関東の市場では一度も見ていない。ただし阿部宗明(1911〜1996)は東京市場(築地)で1952年頃2樽(約80キロくらい)をみつけて、買い求めたとある。鹿児島中央市場では比較的安い。
漁法 釣り
産地 鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

赤い色合いの鮮やかで目が澄んでいるもの。触って張りのあるもの。

味わい

旬は不明だが、比較的秋から初冬にかけて脂があるのではないかと考えている。同じ時季に手に入れたものにも差がある。旬のわかりにくい魚である。
また脂ののっているときと、ほとんどない時季が極端である。
鱗は硬いが、そんなに強く取りにくくない。皮は非常に厚く硬い。骨はあまり硬くない。
白身だが、ときに赤い身をしているものがある。上品な味わいで脂が乗っていると非常においしい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ミハラハナダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り、皮霜造り)、蒸す(骨蒸し)、煮る(煮つけ、中華風煮)、汁(みそ汁)、焼く(塩焼き)
ミハラハナダイの刺身 旬がわかりにくい魚である。固体差も大きく秋の個体でも赤味を帯びた脂のない個体もあった。写真は同じく秋の個体だが非常に脂があり、うま味豊かである。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取り、皮を引いて切りつける。固体差があり、鮮度のいいものは硬いのでやや薄めに造る。
身自体に味があり、脂が乗ったものは口の中でとろけるような感じがして美味。
ミハラハナダイの焼霜造り 皮にうま味があるが、皮は厚みがあって硬い。湯をかけて皮霜造りにするよりもバーナーで焼いた方が皮が柔らかくなる。三枚に下ろして腹骨・血合い骨と取り、皮目をバーナーであぶって切りつける。あぶってもまだ皮は硬く感じるがうま味があっておいしい。
ミハラハナダイの皮霜造り 早春の個体は脂が少なく、味がなかった。皮周辺にはうま味も少ないながら脂も感じられたので皮目に湯をかけて、皮霜造りにしてみた。水洗いして三枚に下ろし、腹骨と血合い骨を取る。皮目に湯をかけて氷水に落として切りつける。湯をかけても皮は柔らかくならない。まずくはないが皮の固さが気になる。
ミハラハナダイの骨蒸 頭部は骨蒸しにしてみた。頭部は梨子割りにして湯をかけ、氷水に落とす。鱗やぬめりを流し、水分をよくきり、昆布を敷いた皿などに乗せ、酒を振って10分前後蒸す。比較的食べられる部分は少ないものの、身や皮に味がある。
ミハラハナダイの兜煮 2月の個体を煮つけにすると身が極端に締まり、まずくはないが味がなかった。10月の個体は脂があり、身が縮むこともなくおいしく食べられた。兜煮は頭部を梨子割りにして湯通しする。氷水に落として残った鱗とぬめりをとり、水分をきる。これを酒・砂糖・醤油・水を沸かした中で煮る。
ミハラハナダイの中華煮込み 脂のない個体は、汁にするときも、煮つけにするときも長時間熱を通す。いいだしが出て煮崩れない。ここでは中華風煮込みを作ってみた。適当に切り、湯通しして冷水に落とす。水分をよくきり、シャンタンスープの素・紹興酒、醤油・塩・八角・コショウで味を調えた中で煮る。うま味豊かなスープの中でも存在感があり、白身魚として優秀である。
ミハラハナダイのみそ汁 刺身などにしたときのあらを集めて置く。適当に切り、湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりをとる。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。非常にうま味豊かなだしが出る。みそ汁の味がよく、骨などについた身にも味がある。
ミハラハナダイの塩焼き 意外に塩焼きは難しい。脂のない個体は硬く締まりすぎて食べにくいほどになる。10月の個体は脂がほどほどに乗っていて、焼いても縮まなかった。非常においしく食べることができた。切り身にして振り塩をする。1時間くらい寝かせてからじっくり焼き上げる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど