イトヒキフエダイ
代表的な呼び名 イヌバー
イトヒキフエダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
1m SL 前後になる。やや体高があり、側へんする。吻近く頭部は縦線がない。尾柄部背の部分に暗色斑がない。若い個体には7〜9本の灰青色の縦線があり、背鰭後方軟条が糸状に伸びる。 1m SL 前後になる。やや体高があり、側へんする。吻近く頭部は縦線がない。尾柄部背の部分に暗色斑がない。若い個体には7〜9本の灰青色の縦線があり、背鰭後方軟条が糸状に伸びる。
珍魚度・珍しさ ★★★ がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度
★★★★★ 知っていたら学者級
食べ物としての重要度
★★ 地域的、嗜好品的なもの
味の評価度
★★★★ 非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科イトヒキフエダイ属
外国名
Chinamanfish
学名
Symphorus nematophorus (Bleeker,1860)
漢字・学名由来
漢字 糸引笛鯛 Standard Japanese name / Itohikifuedai
由来・語源 フエダイの仲間で、小型のとき背鰭の軟条が糸状に伸びるため。
〈フエダイ属イトヒキフエダイ亜属……体は褐色で下方は淡く、7〜9条の多少波状で、処々中断した灰靑色の縦線があり、各線の上下両縁は暗色で縁取られている。……〔台湾〕……イトヒキフエダイ(新称) Lutjanus nematophorus〉。明らかに若い個体で和名をつけたことがわかる。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)
Bleeker Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
地方名・市場名
イヌバー 場所 沖縄県石川漁協
イヌバー 場所 沖縄本島、八重山
フツナズ 場所 宮古
概要
生息域
海水魚。岩礁域。
三重県熊野市、高知県、鹿児島県、琉球列島。〜西太平洋。
生態
基本情報
和歌山県、高知県などでも見つかっているが、沖縄県で水揚げがあり、食用とされている。
水産基本情報
市場での評価 沖縄ではやや高価に取引されている。
漁法 釣り
産地 鹿児島県、沖縄県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は不明。
鱗は硬く取りにくい。皮は厚い。骨は大型では硬い。
赤みをおびた白身で血合いが赤い。
栄養
危険性など
シガテラ毒で事故を起こしたことがある。食用とするかなどは産地で確認すること。
食べ方・料理法・作り方
イトヒキフエダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(まーす煮)
イトヒキフエダイの刺身 やや赤みを帯びている。食感がよく、うま味が強い。豊かな脂からくる甘味がほどよく感じられる。とてもおいしい。
水洗いして三枚に下ろす。背の方の皮を引き、比較的薄く切りつける。
イトヒキフエダイのまーす煮 煮ても硬く締まらず、ふんわりと柔らかく、脂が乗っているので口に入れるとジューシーである。うま味甘味が豊かで非常に美味。
水洗いして三枚に下ろす。切り身にして少量の塩水の中で、短時間強火で水分を飛ばしながら煮る。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど
参考文献
協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)