イカナゴ
代表的な呼び名コウナゴ
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★ これは常識 |
食べ物としての重要度 | ★★★★ 重要 |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
分類 | 硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ワニギス亜目イカナゴ科イカナゴ属
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外国名 | Pacific sand lance
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学名 | Ammodytes japonicus Duncker and Mohr, 1939
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漢字・学名由来 | 漢字 玉筋魚、如何子、以加奈古、鮊 Ikanago |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。内湾の砂地。
北海道全沿岸、陸奥湾、宮城県〜鹿島灘の太平洋沿岸、東京湾(希)、伊勢湾周辺、瀬戸内海、山形県〜九州北岸の日本海沿岸。
朝鮮半島全沿岸、渤海、黄海、東シナ海。
生態
産卵期は12月〜5月くらいまでで北ほど遅い。
本州では冬に産卵する。
孵化した稚魚は成長が早く、一年で13センチほどにもなる。
そして3、4年で「めろうどサイズ」である20センチを超える。
主にプランクトンを食べている。
低水温に適応しており水温が高くなると砂にもぐり込み夏眠する。
基本情報
九州以北に生息している。稚魚から成魚まで水揚げされ様々に利用されている。
鮮魚としてではなく、加工品として一般的なもの。ちりめん、釜揚げ、佃煮などは都市部のスーパーマーケットなどでもよく並んでいる。小さいものほど値段が高く、大きくなると安い。
大型はむしろ飼料などになる。
珍魚度 鮮魚は少し努力しないと手に入らない。
水産基本情報
稚魚は鮮魚として出回ることは希。
加工品はちりめん、釜揚げなど比較的関東でも見かけるもの。値段はカタクチイワシの稚魚と比べると安い。
漁法 巻き網
主な産地 入網、吾智網
稚魚/兵庫県、三重県、愛知県、茨城県
成魚/宮城県、福島県、岩手県、北海道
選び方・食べ方・その他
選び方
稚魚は透明感のあるもの。成魚は触って張りがあり、赤銅色であるもの。白っぽくなったものは古い。
味わい
春の稚魚を尊ぶ。大阪、兵庫、岡山などでは一斉に「くぎ煮」を作り美味。また、しらす干し、ちりめん干しもこの頃が美味。成魚になると、古背、メロウドといい脂が強くなり、丸干し、ときに煮つけなどになる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
棒いり 香川県庵治町(現高松市)。酒、しょうゆ、砂糖、水の地にイカナゴを浸し、唐辛子を少量入れて煮たもの。
加工品・名産品
煮干し 稚魚をゆでて干したもの。関西の「ちりめん」のこと。
いかなご醤油(いかなごしょうゆ) 香川県で作られるイカナゴの魚醤。成魚となったイカナゴを塩漬けし、1ヶ月〜5ヶ月寝かせて濾過したもの。能登半島で作ったスルメイカ、マイワシの「いしる(いしり)」、秋田県でマイワシ、ハタハタで作られている「しょっつる」、香川県でイカナゴから作られている「いかなご醤油」を日本三大魚醤という(ただし初出や誰が言い始めたかなどは不明)。
明石のイカナゴ漁 2023年は3月4日に解禁。このところ不漁が続いているが、それでも恒例のようにくぎ煮用を求める人の列ができる。
釣り情報
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歴史・ことわざなど
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地方名・市場名
参考文献 場所中国地方
参考文献 場所丹羽、丹後
参考丹後地方で使われている魚名方言集 場所京都府宮津市
参考文献 場所京都府敦賀
参考文献 場所佐賀県唐津
備考標準和名 場所兵庫県明石・福良
場所福岡県福岡市
場所関東、愛知県、京都府丹後地方
サイズ / 時期稚魚 場所宮城県釜石、大槌町、宮古
サイズ / 時期親魚 場所愛知県
サイズ / 時期大型 場所宮城県釜石、大槌町、宮古
場所宮城県石巻魚市場
コオナゴカマス サイズ / 時期六月上総から来るもの
備考東京ではコオナゴと云い、六月上総から来るものはコオナゴカマスと云い、佃煮としてはカマスジャコと云って売っている。 参考『図説有用魚類千種 正』 場所東京
備考これはシュロや藁で編んだ叺(かます)に入れて運んだため。 参考『広辞苑』 場所大阪
備考関西、兵庫などでは生まれたばかりのものをシンコ。新子のなかでも漁期初めの非常に小さいものはコナ。 場所関西、兵庫
フルセ[古せ]
サイズ / 時期成魚 場所関西、兵庫
サイズ / 時期成魚 参考聞取、丹後地方で使われている魚名方言集 場所北海道、京都府伊根
参考文献より。