アマミスズメダイ
珍魚度・珍しさ ★★★ がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度
★★★★★ 知っていたら学者級
食べ物としての重要度
★★ 地域的、嗜好品的なもの
味の評価度
★★★★ 非常に美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属
外国名
Stout chromis
学名
Chromis chrysura (Bliss, 1883)
漢字・学名由来
漢字/奄美雀鯛 Standard Japanese name / Amamisuzumedai
由来・語源/国内海域で初めて発見された個体が奄美大島産だったため。
〈硬骨魚目スズメダヒ族スズメダヒ科アマミスズメ屬(新稱) アマミスズメ(新稱) Dascyllus isharae SHUMIDT 〔奄美大島〕〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
地方名・市場名
ブッジャー 参考 『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所 沖縄県伊良部島
ドジロビキ 参考 奄美漁業協同組合 場所 鹿児島県奄美大島
ヒーカー 場所 沖縄県那覇市泊
クルビカー 場所 沖縄本島、八重山
クルビラー 場所 沖縄本島・石垣島
フウジャ ブッジャ 場所 沖縄県宮古島
概要
生息域
海水魚。サンゴ礁附近の岩礁域の低層で群れを作る。
伊豆諸島、小笠原諸島、琉球列島。
台湾南部。
生態
基本情報
伊豆諸島や小笠原諸島でもみつかっているが、食用としてとっているのは琉球列島、とくに沖縄県だけかも知れない。スズメダイ科では比較的大形。とても味のいい魚だ。
珍魚度 全国的に流通しないので、沖縄県などで探すしかない。
水産基本情報
市場での評価/沖縄県のみでしか見ていない。奄美大島などのことはこれからの課題。比較的多く流通し安い。
漁法/
産地/沖縄県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は冬から春。春、産卵期の真子(卵巣)は非常に美味。
鱗は薄く大きく取りやすい。皮は厚みがあり強い。骨は硬くない。
透明感のある白身で脂は筋肉に混在する。火を通しても硬く締まらない。
皮、身、脂の独特の風味がある。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
アマミスズメダイの料理法/焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)
アマミスズメダイの塩焼き 水洗いして鰓だけとり、振り塩をする。少し置き、じっくりと焼き上げる。身(筋肉)に甘味がある上に皮下に脂があって、これも甘味を呈する。また皮には独特の風味もある。その総ての味を凌駕するのが真子の味。ほくほくと甘味があっておいしい。
アマミスズメダイの煮つけ 水洗いして内臓は触らなくてもいい。水分をよくきり、ここでは水、みりん、泡盛、しょうゆ味で煮る。甘味が合った方が本種の味を弾き出すように思える。身は適度にしまり、皮目に独特の好ましい風味がある。真子の味は最上級。
アマミスズメダイの唐揚げ 鱗をとり、内臓はそのまま水分をよくきる。これに片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。表面がとても香ばしく、真子の甘味は非常に濃厚になる。皮目の風味、身の甘味と真子の味があいまってとてもおいしい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど
参考文献
協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)