アカハゼ

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17cm SL 前後になる。全体に赤みを帯びて尾鰭が非常に長く暗色。顎に3対のヒゲがある。
下顎に3対のヒゲがある。
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ハゼ亜目ハゼ科アカハゼ属
外国名
Oinkgray goby
学名
Amblychaeturichthys hexanema (Bleeker,1853)
漢字・学名由来

漢字 赤鯊 Akahaze
由来・語源 東京での呼び名。マハゼに比べて赤味を帯びているため。

地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。内湾の浅い泥底・軟泥底。
北海道室蘭〜宮崎県日南の太平洋沿岸、津軽海峡〜長崎県の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、有明海、八代海。
朝鮮半島西岸・済州島、台湾、中国遼寧省〜広東省沿岸。

生態

産卵期は春。

基本情報

北海道から九州までの浅場の底曳き網のある地域では普通に見られる。まとまってとれることもあり流通上で見かける機会も決して少なくない。
マハゼと比べるとやや骨が硬く、また底曳き網の漁獲物なので鮮度的にも落ちる。
味がよく安いので総菜的な利用法が可能だ。天ぷら、煮つけなどにして美味。

水産基本情報

市場での評価 ときどき入荷してくる。値段はあまり高くない。開いたものをプラステックなどにのせた加工品もある。
漁法 底曳き網
産地 北海道、神奈川県、和歌山県、大阪府、愛媛県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。色あせして白いもの、柔らかいものは古い。

味わい

旬は秋から春。
鱗は取れやすい。皮は比較的しっかりしている。骨は硬く、マハゼよりも気になる。
白身でクセのない味わい。熱を通しても硬く締まらず。身離れはよい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

アカハゼの料理法・レシピ・食べ方/揚げる(天ぷら)、煮る(煮つけ)、焼く(干もの、塩焼き)
アカハゼの天ぷら 水洗いして開く、水分をよく切る。小麦粉をまぶして衣をつけて揚げたもの。マハゼと比べると水分が多く、身が縮むのが難点ではあるが、皮目の風味、身の淡泊でほんのりとした甘味があることなど、とても味わい深い。

アカハゼの煮つけ 水洗いして内臓をずぼぬきにする。これを湯通しして冷水に落として、残った鱗や水分をきる。これを酒・醤油・水を沸騰させた中で煮上げる。煮ると身はふっくらと柔らかく身離れがいい。とてもおいしい。

好んで食べる地域・名物料理

三陸から常磐にかけての底曳き網のある漁港周辺。
大阪府大阪湾周辺、和歌山県紀伊水道周辺。


あまはぜのごまめ風 「あまはぜ(アカハゼ)は雑賀崎では、お正月前に玉子を持つ前に開いて、干して、からからに乾燥させてハンマー(石やカナヅチも)でよく叩いて素揚げして(炒ることもある)、砂糖や醤油で炊いて「ごまめ」にして食べます。市内(和歌山)では結構需用があります」。味つけにもよるが上品でついつい手が伸びる味だ。[金栄丸 和歌山県和歌山市雑賀崎]

加工品・名産品

加工品は非常に少なく、現在も探しているところ。


はぜ丸干し 市場流通してきた丸干し。小田原で加工したものともいうが確かめていない。焼き上げると皮目に独特の風味があり、くせのない淡泊な味わいで美味。
はぜの開き 神奈川県小柴で加工されたものだとのこと。マハゼ同様にていねいに開かれて、このまま料理店で使える状態になっている。

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

クロウツボ
参考文献 場所兵庫県淡路 
ネツコロボウ
参考文献 場所和歌山県和歌浦 
クロハゼ
参考文献 場所和歌山県田辺・辰ヶ浜 
アカカジカ
参考文献 場所宮城県石巻 
グズ
参考文献 場所富山県生地・東岩瀬 
オオグズ トランブグズ
参考文献 場所新潟県出雲崎 
ダボグズ
参考文献 場所新潟県糸魚川市梶屋敷 
ドンコ
参考文献 場所有明海 
ダイナンハゼ
場所東京 
ガリハゼ
参考文献 場所東京 
アカハゼ
参考文献 場所東京、福岡県玄海 
ナツハゼ
参考文献 場所熊本 
ドンコ
場所熊本、大分県国東半島西岸 
イソハゼ
参考文献 場所福島県小浜 
ガタドンボ
備考「がた」は泥、「どんぼ」はハゼ類の総称。 参考佐藤厚さん 場所長崎県雲仙市富津 
アマハゼ
場所和歌山県和歌山市雑賀崎 
イモハゼ
場所広島県倉橋島 
グンジ グンヂ
場所青森市陸奥湾 
デッコロ ハンナイボウ
場所和歌山県和歌山市 
ハゼ
備考マハゼよりもたくさんとれるので単に「ハゼ」は本種のことになる。 場所大阪府泉佐野 
ノラギス
参考文献 場所新潟県新発田 
ヒゲハゼ
参考『飲食事典』