ギマ
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水魚。浅場の低層に生息。
北海道南部〜、有明海、九州南岸の太平洋沿岸(鹿島以北には少ない)、少ないながら新潟県〜山口県の日本海、九州北西岸、瀬戸内海(少ない)、屋久島、沖縄(少ない)。
朝鮮半島南・東南岸、インド〜西太平洋域。
生態
比較的浅い湾内に群れているようだ。東京湾では汽水域にまで入る。
大量に粘液をだす。
産卵期は6月から7月。
内湾に入り込んできて産卵する。
基本情報
北海道南部以南の内湾に生息。浜名湖、三河湾などでは古くからたくさんとれた。相模湾にはあまりいない。また東京湾では見られなかったものが、木更津などで突然大量にとれて困ったことがある。
腹鰭と背鰭に非常に大きくて硬く鋭い棘を持つ。また大量に水揚げされたり、大量の粘液を出すなどで危険だしやっかいな魚である。
古く浜名湖などで好んで食べられたという記録が残っているが、今ではその鋭いとげと、大挙して押し寄せてくるので、内湾の定置網などに入って嫌がられている。
珍魚度 珍しい魚ではないが、流通しないので産地に行くしかない。
水産基本情報
市場での評価/入荷は非常に希。安い。
漁法/定置網
産地/静岡県、愛知県、千葉県など
選び方・食べ方・その他
選び方
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味わい
旬は秋から初夏。
大量の粘液を出す。鱗は皮と一体化して硬い。皮ごと剥き取る。骨はあまり硬くはない。
血合いは褐色を帯びた赤。透明感のある白身で熱を通すと締まる。
肝はクセがなく美味。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
血合いがすぐにくすむので、鮮度のいい内に水洗いして粘液を流し、皮を剥く。三枚に下ろして、血合い骨、腹骨を取り、そぎ造りにする。
水洗いして、血合い骨、腹骨を取る。これを小さく切り、塩とライム、辛い唐辛子、紫玉ねぎ(玉ねぎでも)でしめる。
水洗いして適当に切る。これを湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。これを酒・しょうゆ・水で煮る。みりん、砂糖などの甘味を加えてもいい。仕上げにしょうがの搾り汁を振っても、しょうがを一緒に煮てもいい。
あらや小さなものは水洗いして適当に切る。肝などはおいしいので一緒に使うといい。湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。これを水から煮てみそを溶く。仕上げにしょうがの搾り汁をたらしすと飲み口が上品に。
頭部を落とし、皮を剥き立て塩か振り塩をする。水分をよくきり半日干す。焼くと硬く締まるがうまい。仕上げに酒を塗ると香りがいい。
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
防波堤などからオキアミエサなどにかかる。
歴史・ことわざなど
〈浜名湖では昔から名物として賞味されている〉『東海の魚』(片岡照男 中日新聞社)
〈濱名湖沿岸殊に入出村では古來特に是を賞味するので、此付近の鷲津などからも大に入荷することがある〉『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)