ナイルテラピア


SL 40cm前後になる。鯛型で尾鰭に細かい横縞がある。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目カワスズメ科カワスズメ属
外国名
Nile tilapia, 呉郭魚, 仁魚
学名
Oreochromis niloticus (Linnaeus,1766)
漢字・学名由来

英名 Nile tilapia

Linnaeus
Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。
地方名・市場名
イズミダイ[泉鯛] チカダイ

概要

生息域

淡水魚。日本列島南部の温泉地帯、温泉の排水されるところ。
山梨県石和、静岡県下田市蓮台寺川・伊東市松川、大分県別府市、熊本県上江津湖、鹿児島県池田湖、沖永良部島、沖縄島、与論島。
原産地はニジェール川水系を中心にアフリカ大陸西部、タンガニイカ湖以北のナイル川水系。イスラエル。

生態

環境適応能力が高い。

基本情報

1962年に当時のアラブ連合共和国(エジプト)から東南アジア、我が国などに移入されたもの。東南アジアでは自然繁殖していて、養殖も盛んに行われている。世界的に重要な食用魚だ。
我が国には1980年代、1990年代初めまでは鹿児島県をはじめ盛んに養殖が行われていたが、養殖マダイの価格低迷とともに急速に生産量が減少している。
テラピア類の流通名は「チカダイ」、「イズミダイ」。カワスズメ科では本種が現世界的に生産量・流通量がいちばん多い。
中華料理などでの需要が根強い。

水産基本情報

市場での評価 1990年代〜2005年前後にかけてフィレなどでよく見かけたもの。近年では中華料理食材などとして少ないながら流通している。また東南アジアからの冷凍輸入もある。
漁法 養殖
産地

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。目が澄んでいるもので、鰓の赤いもの。

味わい

旬は不明。
鱗はやや強く皮は丈夫で厚みがある。骨はやや硬い。
血合いの赤く、透明感のある白身。
フィレ 一時はフィレの形で刺身用として出回っていたことがある。血合いが赤く、透明感のある白身で生で食べてもおいしい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ナイルティラピアの料理法・調理法・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(スープ)、揚げる(フライ)、生食(刺身)、焼く(塩焼き)
ナイルティラピアのタイ風煮つけ 冷凍ものなので解凍して、水分をよくきり、一度蒸す。これをしょうゆ(今回は台湾のものな)・水・コブミカン・レモングラス・カー(タイのしょうが。国産の普通のしょうがでもいい)で煮たもの。香辛野菜をたっぷり使った煮ものは非常においしく、ご飯にもよく合う。


ナイルティラピアのスープ あらを使ったが、ぶつ切りにして使ってもいい。これをあくをていねいに取りながら、水から煮る。臭い消しにはコブミカン、レモングラス、しょうがを使ったが、八角などでもなんでもいい。塩とコショウで味つけする。レモングラスなどの香りがしてとても爽やかな味わいになる。
ナイルティラピアのフライ 非常に上質の白身である。熱を通しても硬く締まらないので、フライやムニエルにとても向いている。ここでは切り身に塩コショウ、少し置き、小麦粉をまぶしアングレーズ(卵・油・少量の水。小麦粉を加えるとバッター液)をくぐらせてパン粉をつけて揚げる。揚げると身がふっくらとしてジューシーになる。ほどよく繊維質で口のなかで軽くほぐれておいしい。
ナイルティラピアの刺身 活魚や鮮魚で鮮度のいいものは刺身になる。三枚に下ろして皮を引くとタイを思わせる血合いの赤さ、透明感もある。見た目にもきれいだし、食べてもなかなかの味わい。黙って出されると淡水魚と思わないだろう。
ナイルティラピアの塩焼き 切り身に塩をして1時間以上寝かす。これをじっくり焼き上げたもの。上品な白身でやや淡泊過ぎる向きがあるが、硬く締まらずほどよい繊維感があっていい味わい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど