ダイナンウミヘビ

ダイナンウミヘビの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
TL1.4m前後。かなり大きくなるように思える。胸鰭があり、尾鰭がない。歯が犬歯状。
TL1.4m前後。かなり大きくなるように思える。胸鰭があり、尾鰭がない。歯が犬歯状。
TL1.4m前後。かなり大きくなるように思える。胸鰭があり、尾鰭がない。歯が犬歯状。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度
食用として認知されていない
味の評価度 ★★
まずくはない
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区カライワシ下区ウナギ目アナゴ亜目ウミヘビ科ウミヘビ属
外国名
Longbill snake
学名
Ophisurus macrurhynchus Bleeker,1853
漢字・学名由来

漢字 大灘海蛇
由来・語源 神奈川県江ノ島での呼び名。不明。田中茂穂は単に「ウミヘビ」で、唯一のウミヘビ科であったようだ。

Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
地方名・市場名
タゴノヒモ
参考阿波学会研究紀要・由岐町の魚類と淡水エビ類 場所徳島県由岐町 
シラカネ
備考ウミヘビ(尾鰭がない)科の総称。 参考佐藤厚さん 場所長崎県雲仙市富津 
ウミヘビ
備考古くは単に。 
ホソグチ ウミグチナワ ウミハブ ウミヘビ ウングチ カラスウミヘビ ギンアナゴ キントウジ ギンドオジ クチナワ サギアナゴ サギドウシ ススウナギ スドオシ ヂモグリ トウヘイエ ハギ ヒヤシカン ヒャッカン ヘエ ヘンビ ヘンピ ボンサンノオビ ボンサンノヘビ ラオ
参考文献より。 

概要

生息域

海水魚。浅い海域〜水深500mの砂地。
青森県、福島県〜九州南岸の大平洋沿岸、新潟県〜九州北西岸の日本海・東シナ海沿岸、東シナ海大陸棚斜面。
希/北海道臼尻。
朝鮮半島南岸、済州島、江蘇省・浙江省。

生態

夜行性で、昼間は砂地に穴を掘り潜んでいる

基本情報

陸からの釣りや船釣りなどにもくる代表的な嫌われ者。普通、食用となることはない。

水産基本情報

市場での評価/流通しない。
漁法/釣り(延縄)、底曳き網、定置網
産地/

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもので、表面の光沢の強いもの。

味わい

旬は不明。
鱗はない。皮は厚みがあって強い。筋肉に無数の強い骨があり、上身にはならない。骨切りしても骨が当たる。
身は水分が多く、液体を介した料理以外は著しく縮む。

ダイナンウミヘビの料理の方向性
食用としないのにはわけがある。小骨というよりも硬い骨が大量に筋肉に埋もれている。筋肉自体は決してまずいわけではないが、焼くと水分が多すぎるので強く縮む。基本的に油か液体を使った料理が向く。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ダイナンウミヘビの料理法・調理法・食べ方/煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、汁(潮汁)、焼く(つけ焼き)
ダイナンウミヘビの煮つけ 頭部と内臓をあたりの部分を開いて煮つける。一度湯通しし、冷水に落としてしっかりぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・しょうゆの味つけで煮る。筋肉に味がないので砂糖を使ったが、味つけはお好みで。
ダイナンウミヘビの唐揚げ 三枚に下ろして中骨(身)側から骨切りをする。これに片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げする。香ばしくておいしいが、二度揚げしても骨が気になる。骨切りはハモ以上に難しい。
ダイナンウミヘビの潮汁 中骨を一度湯通しする。冷水に落として鰭などについたぬめりを落とす。これを昆布だしで煮だして塩と酒で味つけする。意外にも上品でいながら、ほどよいうま味が感じられる。
ダイナンウミヘビのみりん焼き 5等分に切り、三枚に下ろして中骨側から骨切りをする。振り塩をして1時間以上置き、仕上げにみりんを塗る。非常に淡泊で皮目にもあまりうま味を感じない。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

釣り人にはつとに有名。特に相模湾でのキス釣りをしていると、引きでコレダっとわかる。この引きを感じたらすぐに取り出すのがハサミである。重りから下の仕掛けごと海にお帰り願うわけだ。なにしろ1メートルなんてかわいらしい方、ときに2メートルともなると顔を見て怖くなるほど獰猛そうである。また噛まれると鋭いはがブサリと刺さり、そのまま長い体をうねらせるのだから大怪我になる。

歴史・ことわざなど