ホテイウオ
代表的な呼び名ゴッコ
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
概要
生息域
海水魚。浅場〜水深1700メートル。
北海道全沿岸、青森県〜島根県の日本海沿岸、大和堆、対馬、青森県〜千葉県銚子の太平洋沿岸、希に相模湾。
朝鮮半島から沿海地方を経て間宮海峡、千島海峡北部、カムチャツカ半島全沿岸、ベーリング海、カナダブリティッシュコロンビア州沿岸。
生態
■ 産卵期は12月から翌年の4月くらいまで。普段は水深100メートルほどのところにいるのが浅瀬に来て産卵する。
この時期がホテイウオの漁期でもある。産卵した卵はオスが保護する。産卵後はオスメスともに死んでしまう。
■ 産卵孵化したものは浅い岩場にて吸盤などで吸い付き生活、夏には沖合に向かう。3年ほどは海の表層、水深100メートルほどのところを漂っている。3年ほどで成熟。浅場に産卵回遊して一生を終える。
■ 餌は浅場にいる稚魚期はヨコエビなど、沖合ではクラゲ類を食べている。
基本情報
主に北海道、東北から入荷してくる。現在関東では、珍しいものではなくなりつつある。食べ方を知る人も増えてきており、冬を感じさせる魚のひとつだ。
食べ方は単純。ぶつ切りにして汁にするだけ。まだ一般的なとまではいえないものの、一度食べたら好きになるという味だと思う。
水産基本情報
市場での評価 冬、産卵期になるとまとまって入荷してくる。雄と雌は別々に入荷してくる。雌はやや高値、雄は安い。
漁法 刺し網
産地 北海道、青森県、岩手県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの。柔らかいもの、白っぽくなったものは古い。新しいものは吸盤が吸い付く。
味わい
産卵に浅場にくる冬場が漁期で旬。卵巣は粘液質で旨味があるが、雄の方が筋肉などは美味。
アンコウに似ていて皮と身がブルブルして柔らかく鱗はない。吸盤も骨も柔らかい。
肝は柔らかくクセもなくやや強い旨みがある。白子も美味。胃や腸なども食べられる。
卵巣は煮るとバラバラになるが粘液をまとっているので、沈んでしまわず、ほどよく汁のなかで浮かぶ。
産卵期が漁の盛期で、入荷が増えるので、どうしても汁を作ることになる。
雌の腹には巨大な卵塊がある。皮も、少ない身も内臓も食べられるが、雌の値を決めるのは卵巣だ。これを醤油漬けなどにもなる。
雄は小振りで白子はあまり大きくない。だが、白子自体もいい味だし、肝、皮、筋肉など非常に美味。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
ごっこ汁 北海道南部渡島半島などで食べられている郷土料理。冬から早春に産卵期で浅場にやってくる「ごっこ」をぶつ切りにして豪快に作る。しょう油仕立てで根菜類などが入る。鍋仕立てにもなる。
加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
恵山ごっこまつり 毎年2月に函館市恵山で「ごっこ汁」を振る舞う祭。ごっこの干ものなども販売している。