ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2500種以上、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。
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寿司図鑑別巻
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九十二
巻
市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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コロダイ 2006年12月24日 456
コロダイは見た目が良くないようだ。「どうもこのオレンジ色の斑点がね。南の海の魚って感じがする」とは市場で顔なじみのお寿司屋さん。たかさんも「イサキだって昔は使わなかったんだから、なかなかうまいからって手が出ないよ」と言う。それが卸し始めて「なんだこれ、きれいな血合いだな。ボタンの花のようだよ」とかわるのだ。そして2かん。「これは紀州串本から来たんだ。たぶん関東よりも関西の方が馴染みがある」、「そうなんだ。これだけ刺身にしてきれいで味もいいなら食い倒れの大阪でも人気があるだろうね」。この大阪での評価はわからないが、寿司ネタとしても秀でていることだけは間違いない。数かん握りにして、なんとも後をひく味わいだ。しっとりした身質でそこに脂がたっぷりのっている。そしてほんの微かにイサキとも共通する磯臭さ、そして旨味が通り過ぎる。すし飯との相性も抜群にいい。晩秋から冬が旬だから、まだまだうまいコロダイが食べられるのだ。
●市場魚貝類図鑑
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ビノスガイ 2006年12月26日 457
市場でも、まずこんな二枚貝が存在すること自体知らないと思う。また「ビノス」というのが「ビーナス」のことなのも当たり前だが知らないだろうな。毎年、秋から冬には入荷してくる。でも味が悪くて貝殻が厚い。これは二枚貝にとっては致命的というべき欠陥。だからこれを繰り返し仕入れていく魚屋も料理屋さんもほとんどいない。だから取り扱っている荷主も毎年のように「これなんだっけ」を繰り返すのだ。「でも貝殻は大きくて立派だよな」。貝殻をむき始めてたかさんの顔がゆがむ。一向に貝むきが入っていかないのだ。そしてやっと剥くと中身がやけに小さい。青柳と同じように火を通して握ってはみたものの。「味がねーぞ」、たかさん少々ご立腹。その通りで貝臭さも旨味もない。そしてじんわり味わうとやっぱり「貝の味かな」と思うのだ。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
鬼鰍/オニカジカ 2006年12月28日 458
目の前には30センチほどのオニカジカ。まさに戦国武将の兜のような面構え「格好ええな」。勝手に感心していたら「何を言ってんだよ。この頭どうするの鍋にでもすれば。あとはこ〜んなにちょっと」。まな板に並んだ2枚の身は「8かんとれるかな」という小さなもの。このオニカジカ、関東の市場では一度も見ていない。たぶん、北国では食べているだろうが、全国に流通させるほどの価値もない魚なのだ。しかも、たかさんが包丁を入れているのは遙かオホーツクの海でとれたもの。「ロマンだよな」、「オレはそんなもん感じないな」。と言うことで全部握りにしてしまう。これがいい味だ。「味があるね。脂と言うんじゃなくて、う・ま・みっていうのかな」。すし飯にもまけない味わいにコクが感じられる。そして適度な弾力。ふたりで全部食べてしまって、うまいうまいと北の海に向かって、合掌。
●市場魚貝類図鑑
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」 北海道紋別市
「まるとみ 渡辺水産」
から
ナルトビエイ 2006年12月29日 459
やっと秋らしくなった10月のこと高知市浦戸湾の漁師・永野廣さんから「あの、まだ図鑑にはナルトビエイ載ってませんよね。送ります」とありがたい電話がきた。そして撮影して、考えた、「食べてみるべきか? 否か?」を。なぜなら近縁のマダラトビエイがまずくて、たかさんなど「二度と食べない」と憤慨したからである。そこはなにごともやってみなくては始まらない。生というわけにはいかないので、軽く煮付ける。これがうまくもないが、まずいわけでもない。それで翌日、「市場寿司 たか」へ持ち込む。煮汁は冷蔵庫で冷やして煮こごりにし、ヒレは軽く炙った。エイには懲りているのでたかさんにはアカエイだといって握ってもらう。「おかしいなアカエイにしちゃ旨味がない。ただすし飯に煮つけをのっけて食べてるって感じ」。「えらい、アカエイじゃないってわかるところがプロだね」。「これ本当は最近話題のナルトビエイなんだ」、「ええ、テレビでアサリ、ショベルのようにすくって食ってたやつ。悪い魚だね。このやろう。あんまりうまくもねーし」。「でもぬれぎぬらしいよ」。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
閻魔鯒/エンマゴチ 2006年12月30日 460
魚類検索をなんどもやり直して「やっぱりエンマゴチだな」とということで、すぐに荷受けの知人にケータイを入れる。仕入れてきた仲買で産地がわからなかったのだ。さてエンマゴチの生息域は沖縄以南。「では沖縄からの鮮魚の便があるということになる」、でも、どうやってどこから来たのかは結局「判明ぜず」となった。残念だ。それなりに旅をして八王子にきたもので鮮度からしてまるっきり生では無理。軽く昆布締めにして握りにした。するとたかさん、「この昆布締めうまい」、「そりゃそうだろ。オレがやったんだから」、「違う身がいいんだ」。「素直なんだな、白身で昆布の助けもあるけど、身自体にうまみがある」。ということで握りとして「うまいもんだな。刺身でもよかったんじゃないかな」。なにしろすし飯との相性が抜群にいい。撮影していたエンマゴチの姿を見ながら「きっと今頃極楽浄土にいるな。こいつ」。たかさん、いいこと言うじゃない。
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