ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2500種以上、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。
魚類
一般的な分類から探す
学術的な分類から探す
魚類索引
軟体
一般的な分類から探す
学術的な分類から探す
軟体索引
甲殻
一般的な分類から探す
学術的な分類から探す
甲殻索引
その他生物
一般的な分類から探す
学術的な分類から探す
その他生物索引
海藻・植物
一般的な分類から探す
学術的な分類から探す
海藻・植物索引
コラム
コラム
第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻
寿司図鑑索引
四十巻
市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
寿司図鑑 千 目次へ!
索引へ
黒鯛/イクロダイ 2005年10月13
日 196
クロダイがうまいのは秋から晩春。夏は「かいず(クロダイの幼魚、すなわちオス)」はいいのだけれど大きいの(メス)はだめだ。クロダイは江戸から明治にかけて魚河岸では主役級の魚であった。これは冷蔵庫のない時代に、井戸水で生かしておけたためである。それが冷蔵運送技術が進み、また海水での活けが出始めると途端に評価が下がってしまって今では間違いなく大衆魚だろう。でも一度は華やかにもてはやされた価値は今でも充分にある。なぜなら外見は真っ黒でも身の色合いはとても美しく、また味もピカイチだからだ。『市場寿司 たか』に持ち込むと「クロダイ、ときどき使うよ。安いしうまいし、お客さんにも白身が好きな人がいるからね」、すなわちクロダイ大歓迎なのだ。これは安くてうまいが売り物の寿司屋には重宝である。川に上がるためか、ほんの少し臭みが感じられるが、これを気にするのはおかしい。むしろ風味と思える心地よさだ。たぶん今回のは河口周辺のものだろう。瀬戸内海などからくるものにはこの臭いはまったくなく、物足りないくらいだ。そしてその風味があるせいで、すし飯が生きてくる。たかさんに後2かん追加したのは言うまでもない。
●市場魚貝類図鑑、
クロダイのページへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
オキトラギス 2005年10月14日 197
知る人ぞ知る、うまい魚がトラギスである。トラギスにはクラカケトラギス、アカトラギスなどがあって本種もそのうまいトラギスのお仲間である。水深100メートル前後にいる小魚なので一般にはあまり馴染みがないかもしれない。見た目は悪い、まるで世間知らずの未来ある若者を悪の道に引き込む悪女のような面相、分厚く赤い唇。よく見るとゾクゾクっとするから不思議だ。身は白身でとれてすぐには旨味がない。少し置いて握りにしてみた。やや小振りながら、これがいい。甘みがあるのだけれどすぐ追いかけてくる旨味と調和する。軟らかいのですし飯とも馴染み、「いい握りができた」と『市場寿司 たか』で評価大。値段はあってなきがごとく、見つけたら買うべし。
●市場魚貝類図鑑、
オキトラギスのページへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
花咲がに/ハナサキガニ 2005年10月15日 198
根室の花咲港にあがるのでこの名がある。タラバガニ科の甲殻類で、決してカニではなく、ヤドカリの方に近い。そのタラバガニ科にはタラバガニ、アブラガニ、イバラガニモドキなどうまい食用種が多いのだが、なかももっとも生息域が狭い根室浜中釧路周辺の特産種。タラバガニ同様大型になり、味わいに独特のクセというか風味がある。これを握りにしたいなというと、寿司職人である渡辺隆之さんなど、「今頃、改めて言うんじゃないよ。ときどき握りに使っているという」。しからばと茹でハナサキのいいのを見つけて持ち込んでみる。ワサビを入れてしょうゆをつけて口に放り込んで、まず後悔した。ワサビもしょうゆも邪魔なのだ。それでなんにもなしで食べると、これがいい。甲殻類の甘い身が口の中でとろんとほぐれる。そこに濃厚な旨味がきて、すし飯とともに口中に広がる。「うまい、ハナサキえらい」というと、たかさんが冷静に「これでなんかんとれるかな? あまり儲からねーな」だって。
●市場魚貝類図鑑、
ハナサキガニのページへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
舞鯛/ブダイ 2005年10月16日 199
ブダイほど毀誉褒貶の激しい魚もいないだろう。伊豆などに行くと魚屋で普通に売られているし、「うめだぎゃ」なんて言われると魅力的に感じるし、また釣り師で「臭くて食えね〜」なんて言われると世紀のまずい魚であるかのごとくも思えるのだ。これはどうも旬に関連するのではないだろうか? やはりブダイ科の魚は夏にはまずく寒い時期にはうまいようなのだ。これから秋も深まり、雪でもちらついてくるとブダイは鍋にも使えるし、しょうゆで漬けにもできる。なかなかうまいのだ。それを今回はただただ生を握りにしてみた。まだ蒸し暑い日もあるくらいでブダイの旬とは言えないようで、身は赤く脂がない。それでも握ってみて「そんなにまずくもないし、ちょっとうまいんじゃない」と寿司職人のたかさんは言ってくる。確かにまったく臭みはない。そして身には微かだが旨味が感じられてすし飯と出会うとどうやら食べてうまいのだ。これは厳冬期にもう一度挑戦かな?
●市場魚貝類図鑑、
ブダイのページへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
柳蛸/ヤナギダコ 2005年10月17日 200
市場に到来するゆでだこには種類が多い。非常に高価なマダコ(地だこ)、ミズダコ、ヤナギダコ、そしてもっとも量の多い輸入のタコ。なかにあってあまり目立たないながら入荷量はバカにならないくらいに多いのがヤナギダコである。ミズダコ同様北日本に多いタコでかなり大きくなる。このタコ、脚が細いためかマダコ、ミズダコよりも安くて、また人気がない。それを福島県相馬に旅して、タコを茹でているのを見せてもらい試食させてもらって驚いた。うまいのだ。当然、『市場寿司 たか』で握りにしていただく。タコの寿司というのは実はあまり好きではない。タコは噛むほどに旨味が出てくるもので、噛むということはすし飯との相性が悪いということに他ならない。やや軟らかいはずのヤナギダコでも同様にすし飯とは馴染まない。でも酢の味わいと適度な塩気、そしてジワリと染み出してくる旨味。これはなかなかいいではないか? これは江戸前寿司職人のたかさんも素直にうなずいております。
●市場魚貝類図鑑、
ヤナギダコのページへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
関連コンテンツ
サイト内検索
目次
魚類
魚類1(スズキ目に属さない魚類)
魚類2(スズキ目スズキ亜目)
魚類3(スズキ目スズキ亜目以外)
魚類4(無顎綱・軟骨魚類)
魚類5(カサゴ目)
魚類6(カレイ目・フグ目)
魚類索引
軟体類・貝類
軟体類(タコやイカ、ウミウシ)
貝類1(巻き貝・多板類)
貝類2(二枚貝)
軟体類・貝類索引
甲殻類
甲殻類1(カニ・短尾類)
甲殻類2(エビ・異尾・口脚類他)
甲殻類索引
その他水生生物
海藻
哺乳類・爬虫類・棘皮動物 他
その他水生生物索引
輸入海産物
輸入・魚類
輸入・軟体類
輸入・甲殻類
その他コンテンツ
魚貝類の呼び名・方言
東京のさかな
味コンテンツ
生き物雑記帳
生き物の旅
魚貝類を探す旅
市場魚貝類図鑑の市場
市場魚貝類図鑑読本
本のページ
ぼうずコンニャク関連サイト
寿司図鑑
お魚三昧日記
市場と漁港の図鑑
うまいもん日記
酒日記
ぼうずコンニャク本
ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。
Copyright©2025 Bouz-Konnyaku All Rights Reserved.