寿司図鑑365 目次へ!
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ニセタカサゴ 2005年8月23日 145
タカサゴという名の魚は沖縄の県魚となっていてかなりの知名度であると思う。でも実際に見たことのある人は少ないのでは? また沖縄でとれるものだか熱帯のものまさか東京都でとれるなんて思わないだろう。ところが東京都は広い。このタカサゴは伊豆七島などでとれるし、しかも面倒なことにそっくりさんであるニセタカサゴもとれるのだ。タカサゴとニセタカサゴは見た目も味わいもそっくりそのまま。まちがいなく分類学者以外で2種に分けようなんて思いようがない。築地で買ってきたニセタカサゴをたかさんに渡すと、「こりゃ水っぽいよ。これじゃ食えね〜べよ。ちょっと水を抜くから明日まで待ちな」ということで翌日。シートで水を抜いたものを握りに。これがフワフワの身。歯がなくても充分舌で押しつぶせる。これじゃ寿司ネタは無理かも。ただ決して味は悪くない。きっと産地でとれたてならもっとうまいかも?
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シマイサキ 2005年8月24日 146
この魚、ちょっとやっかいである。なぜならいつ食べてもうまいというものではないからである。出来るなら初夏から盛夏まで、この産卵期近くが最高にうまいのだ。透明感のある白身で血合いの色も美しい。「イサキです」と言うと信じてしまう人もいるだろう。たぶん和名の「縞“いさき”」も身の色合い、味わいからも来ていそうだ。これを『市場寿司 たか』に持ち込むと開口一番、「シマイサキは嫌いなんだよ」なんて言う。どうしてと聞くと「弾力があるじゃない。これがさ刺身ならいいんだけど、寿司には向かないの」と言う。それを押して2かんだけ。これがうまいのである。白身なのに脂がある、しかも旨味も充分。たかさんだけではなく、こちらもあんまり期待していなかったために驚きは大きい。当然、たかさんにも驚いていただきました。
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カラフトエゾボラ 2005年8月25日 147
エゾボラは「まつぶ」として関東の市場でも人気がある。ほかにはアツエゾボラやフジイロエゾボラもふんだんに入荷してくるし、それなりに値がついている。そんなエゾボラに混じってくるのがカラフトエゾボラである。かなり大型になるし味もいい。また貝の収集家にも人気があり、これだけでも話題性抜群だ。このエゾボラの仲間を『市場寿司 たか』で握ってもらうのが実を言うと一苦労である。食感のありすぎるものは寿司には向かないとする、たかさんと、それはそれで面白いではないか、とするこちらとで目に見えない綱引きをしている。そして今日もシコシコとすし飯に馴染まないネタを口中に残して貝の味わいを楽しんでいるのだ。甘味もあるし、ちょっと苦みというか貝の風味もあるし「うまいよな〜」。
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マコガレイ 2005年8月26日 148
まだ春といってもいい5月初旬、東京湾富津市の漁港で肉厚の素晴らしいマコガレイを見た。「こりゃ浜値だって6000円はする」というその大マコ、「この時期からだね、うまいんは」とのこと。関東のマコガレイの旬がこの時期から始まるのだ。そして夏になると値段も落ち着き、あまり懐を気にせずに買って帰れるようになる。それを握りにする。旬のネタを前にたかさん、「ちょっとストレートにいいもの持ってくるね」と2かんを目の前にすぐに出してきた。こちらに出すとともに自分の分もすぐに握り、ふたりでしみじみ「うまいマコガレイ」を楽しんだ。マコガレイのうまさはなんといっても、白身なのに旨さがあり、しかも適度な弾力感が心地よいことだろう。
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『市場寿司 たか』は、ぼうずコンニャクスペシャルに困っている?
「こんな魚、寿司にしてうまいか?」なんて変なものから、「こんなにうまかったの、困るわ困るわ」と身もだえるようなネタまで千差万別のネタが八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』で食べられるかも。これは、ぼうずコンニャクが持ち込んだもの。1週間に2〜3日くらいしか握りを撮影しませんし、お客が多いとネタの持ち込みもしませんからいつもあるとは限らないのが「ぼうずコンニャクスペシャル」。それでも、たかさんに「ぼうずコンニャクスペシャルある?」と声をかけてみてください。画像は白身を仕入れたのに、ぼうずコンニャクが持ち込んだメイチダイなどで白身だらけのネタケース。
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メイチダイ 2005年8月26日 149
尾鷲(三重県)の岩田昭人さんの「一日一魚」は珍しい魚満載で楽しいサイトであるが、それ以上に見るに値するのは「うまそうな魚」がてんこ盛りだからである。見ていて今すぐ尾鷲に行きたいと思うこともしばしばであるが、その岩田さんが愛してやまないのがメイチダイである。そんなにうまいかな? と『市場寿司 たか』に持ち込んで1かん食べて驚いた。たかさんの弁を総合すると「絶妙」となるがまさに寿司ネタとして夏魚の王者かも知れない。白身なのであるが脂があるのかトロンとしている。そしてそのトロンから湧いて出るのが旨味なのである。そのすし飯に合うこと「絶妙」なのだ。ついつい「うまいメイチダイを食べに尾鷲に来ませんか?」なんて言いたくなった。
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