寿司図鑑365 目次へ!
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めじ/クロマグロ幼魚 2005年5月5日 36
4月、5月と関東の市場にも、めじ(めじまぐろ)の入荷が見られる。「なんだか木の芽どきだからな、やっぱりカツオがいいな」なんて市場で立ち話をしていた。「めじ」てなんだというとマグロ属のクロマグロ、キハダマグロなどの子供のことである。今回のはクロマグロ、市場では本鮪と呼ばれている。沼津に来て地元の飯塚さんがいつものように連れてきてくれたのが市場横の「たか嶋」。ここでなにげなくつけ台に置かれたのがこの見事な、めじの握りである。柔らかな身であるが旨味があり、口の中でとろっとすし飯と合わさる。トロのような脂がないぶん、マグロ自体の身の旨味が充分に堪能できる。
●市場魚貝類図鑑、クロマグロのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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ひげだら/ヨロイイタチウオ 2005年5月6日 37
「ひげだら安くなったね」と市場で立ち話した。1キロあたり3000円近くしたものが2000円を超えないのだ。魚の値段は卸値で1キロあたり2000円を超えたら高級魚。特に歩留まりの悪い、ひげだら(ヨロイイタチウオ)なんかだともっと割高感がするだろう。さてヨロイイタチウオのことは市場魚貝類図鑑で見てもらうとして、なぜこれが高いのかというと昆布締めにして抜群にうまいからだ。すなわちそのまま食べてもちっともうまくないのが、一手間かけると見違えるような味わいになる。締めることで無駄な水分が消えて、白身の旨味が昆布の旨味と合わさって浮き上がってくる。しかも適度に甘みがあるのだ。このしっとりとした身を我が家では棒ずしにしてみました。すし飯は関西風でやや甘め。これときどき作る我が家の家庭ずしです。
●市場魚貝類図鑑、ヨロイイタチウオのページへ!
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こうなご/イカナゴ 2005年5月7日 38
三月の声を聞くとそろそろイカナゴがとれるのだろうか、と思う。そして関東に最初に来るのが伊勢湾、三河湾、瀬戸内海や和歌山ときて三陸からも生が入荷してくる。関東ではそのまま生で食べることのできるものはめったに来ないのだけれど、ギリギリの鮮度のものを見つけて購入。「市場寿司 たか」に走る。これは宮城県産のパック詰めのもの。あけて食べてみて「本当にギリギリだね」というのを軍艦に。これが思ったよりも臭みがなく、味にこくがあり、そしてとろっとした食感は脂だろう。すし飯とも合う。たかさん曰く、「とれたてなら、すんごいうまいだろうな!」
●市場魚貝類図鑑、イカナゴのページへ!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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ヨシエビ 2005年5月8日 39
大阪では「しらさえび」、高知では「きえび」なんて呼ばれるヨシエビ。年々生息域である浅い湾内の環境破壊がすすんでとれなくなっています。それでも我が家に来たのは和歌山県雑賀崎産のもの。体長20センチ近くあり形が揃っています。これを寿司ネタに茹でます。背わたをとり尾から竹串を刺して塩水で、茹ですぎないように注意して熱を通す。それを「市場寿司 たか」に持ち込んで握りに。たかさん曰く、「天然のこれっくらいのエビ、うまいもんだね」。クルマエビだけじゃない、ヨシエビも寿司ネタとして優れているんだな! と思い至った瞬間だった。
●市場魚貝類図鑑、ヨシエビのページに!
●和歌山県雑賀崎寺井さんから。詳しくは『はまかぜ通信』をご覧ください
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鰹のたたき/カツオ 2005年5月9日 40
5月となって新緑が香る頃となると市場で売れ始めるのがカツオである。飲食店や寿司屋もこぞってカツオを持ち帰る。どうもこの季節になるとお客も「なんだかカツオが食いたくなる」ものらしい。ただこのカツオであるが、決して飲食店や魚屋で好かれる魚とは言えそうもない。「カツオは忙しいからね」と言うのは知り合いの魚屋の親父。この「忙しい」というのは「足が速い」、すなわち鮮度が落ちてすぐに刺身で売れなくなってしまうということだ。そんなときに重宝するのが市販のたたきである。今回のものは土佐の高知の地物を使った特級品。これを「市場寿司 たか」で握ってもらった。「生はやるけどたたきは初めてだね」というので一緒にたっぷり堪能した。これがまたすんごいうまいのである。わらであぶった香りが脂のった土佐湾のカツオのうまみと相まって、すし飯とほどよく競合しあってくれている。さすが土佐の名物也。
●市場魚貝類図鑑、カツオのページへ!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
●たたきは高知市の永野廣さんから詳しくは『土佐の廣丸』へ
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