ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2500種以上、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。
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市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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穴子を煮る 2005年5月25
『市場寿司 たか』はいたって普通の寿司屋である。ただ違っているのはいかに儲けるかではなく、「店主もほどよく、客もほどよく」というとわけがわからなくなりそうだが、これが一つの目標だろう。一度に店主が相手するのは7人ほど、また決して高価すぎるネタを使わない。ときには手間も仕入れ値段も惜しみ、それがお客にプラスになるようにしている。それでも一人っきりで切り盛りする店であるから、疲れ果ててしまうこともある。とくに土曜日など八王子綜合卸売センターという市場に来るのではなく『市場寿司 たか』をめざして来る人が店の前で並んでいるのだ。「寿司屋としては、もっとゆったり食べて欲しいな」と、たかさんは呟く。ゆっくりときに季節のネタなどを楽しむなら平時の午後がいいし、また朝も早くならベストである。準備中の8時半から11時に仕込んでいるのは穴子。開いて塩でぬめりをとり、水洗い、さっと茹でて、ゆで汁を半分捨てる。後は少しずつ調味料酒を加えて煮上げていくのだ。
●東京都八王子市北野八王子 綜合卸売センター内 「市場寿司 たか」
穴子/マアナゴ 2005年5月25 56 初夏から夏
関西では焼く、関東では煮るのが穴子。また寿司というと関西は穴子の棒寿司や押し寿司となる。それが関東、東京では当然握り。都心でも郊外の多摩地区でも寿司屋100軒あれば穴子の仕込みは100通りあると言われる。同じ店で修業して独立した寿司職人の店を食べ歩いても、使うマアナゴの大きさ、また味わいが違っているのだから楽しい。今日の『市場寿司 たか』の穴子は1本で4かんから6かんのネタがとれる小振りのもの。これをややあっさりと、口の中でゆるくほどけるほどに煮上げたもの。手間をかけた穴子はあっという間になくなるので来店の折にはまず聞いてみて欲しい。「つめ(穴子を煮た汁を煮詰めたもの)を一はけ、塗るか塗らないかはお好み。こんな愚かなことで「通」ぶらないでその日の気分で注文して欲しいものだ。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
イワガキ 2005年5月26日 57 春から夏
「本当に握り?」と、たかさんが言った。そうです「握ってみてください!」、凛として言いました。目の前にあるのは京都府舞鶴市字下安久無番地(番地がないんだな)であがった中くらいのイワガキ。少々水分は切っているのだけれど、握りは無理じゃないかな? なんて思いながらそれでも『市場寿司 たか』の暖簾をくぐったときに「握りだ」と決めてしまったんだから仕方がない。貝殻から取りだした身はどう見でもそのまま握れる大きさではない。「4〜5かんとれるよ」というので握りようにネタどりをしてもらう。それをふたりで試食。「うまい!」。苦みがあるものの、その苦み浮かび上がらせる甘みがある。そして全体の味を作り出す爆発的な旨味。「握ったらもったいないんじゃないの?」と出してくれたのがこの2かん。うまかったんですよねカキが。カキがうまくて、すし飯はいずこに。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
べら/キュウセン 2005年5月27日 58 初夏から夏
木の芽の頃に旬となるのがキュウセンである。関西では「ぎざみ」などといって刺身でも煮魚などでも食べられて、味のいいのが知られているのだが、関東ではトンと人気がない。どうもこの魚の色彩から、まずいだろと思いこんで仕舞っているらしい。こんなことからもわかるのだが関東人は「見た目の判断」がまずきてしまう。ここが手堅いというか閉鎖的というか、残念なことである。すとんきょうなものには慣れている『市場寿司 たか』のたかさんも、この見た目に「べらかい」なんて眉を寄せるのだ。それがおろしている内に「思ったよりもいいね」と変わり味見して「うまいじゃないかい」となる。脂がのっているのだろうか、甘みがあり、シコっとした食感のなかから旨味がジワリしみ出してくる。すし飯との相性もよく、見た目も上々。初夏から夏の握りとして爽やかな存在になりそうだ。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ほや/マボヤ 2005年5月28日 59 夏
5月も下旬となって、まるで夏になったかのような日が続いている。雑木林の小径を歩いていると、ハキリバチや名も知れぬ甲虫が横切っていく。こんなときには、なんだかパンチのきいたものが食べたいなと市場を歩いていて、ついつい手にとってしまったのがコレ、マボヤだ。仲買の若旦那が「そんなもん握りでくえね〜だろ」と言ったのもしゃくにさわるので『市場寿司 たか』に持ち込んだ。ここまで持ってくるのにホヤを割り、身を取りだして内側の内蔵などを取り除く、そしてペーパータオルでグルグルと巻いて水分を取ってしまっている。「ホヤじゃ驚かね〜な」なんて、たかさんはたんたんと握りに。そして味見に1かん食べてだまってしまった。仕方なく口の中にポイ。「まあ、普通かな」なんていいうのはウソ。おいしくない。際物。まあ好きならお試しを!
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
シャコ 2005年5月29日 60 晩春から夏
大阪湾泉佐野の漁師さんから「4月になったらシャコはだんだん脂がのってくるんです。これからがシャコの本番ですね」と教えてもらった。春長けて、もう夏も盛りという頃までが旬のシャコであるが、この時期、メスは抱卵している。この真子の味わいを関東では「かつぶし(鰹節)」なんていう。確かに旨味が強く味の奥行きに甲殻類の風味というか甘みを増してくれる渋みがある真子、人手を尽くした鰹節に勝っても劣ることはない。木の芽時になると寿司屋でもつい「かつぶし、入っているかな」なんて聞いてしまう。東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海と大きな内湾が産地、またニシンがとれなくなった北海道西岸からも大きなのが入荷してくる。『市場寿司 たか』の話では「思ったよりもシャコを単品で注文する人は少ない」という。寿司屋でシャコを握ってもらはないのは「寂しくはないかね」。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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