ウチムラサキ(Purplish washington-clam)

学名:Saxidomus purpurata (Sowerby,1852)

代表的な呼び名オオアサリ

ウチムラサキの形態写真

殻長9センチ前後になる。非常にふくらむが強く、丸みがある。貝殻は厚く筋状の成長脈がある。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★★

    一般的な水産物(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★

    美味
    分類
    軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目マルスダレガイ科マツヤマワスレ亜科ウチムラサキ属
    外国名
    Purplish washington-clam
    学名
    Saxidomus purpurata (Sowerby,1852)
    漢字・由来
    漢字 内紫
    由来 『目八譜』から。貝殻の内側が紫色をしているため。
    地方名・市場名
    一般にはオオアサリ(大浅蜊)。
    愛知県師崎でオオアサリ(愛知県全域)。
    愛知県渥美でオバガイ。
    兵庫県姫路市では「ホンジョウガイ(本庄貝)」。
    兵庫県明石市「大貝」
    生息域
    海水生。北海道南西部から九州。朝鮮半島、中国大陸。
    潮間帯から水深10メートルくらいの砂礫地。
    生態
    産卵期は秋。
    基本情報
    比較的ローカルな存在で、特に三河湾周辺でよく食べられていた。
    アサリなどと比べて大型で、見栄えはいいが、熱を通すと硬くなるなど味の点では劣るために安い貝だった。
    これを表舞台に押し出したのが愛知県三河、知多半島などでの「焼き大アサリ」。
    知多半島の観光地などで盛んに売られていたもの。
    また旅館などでも出て、名物だった。
    これが徐々に全国に普及。
    海辺の観光地などでの定番的なものとなっている。
    水産基本情報
    市場での評価 入荷量は少なくはない。貝殻が厚く、重いため、あまり高くなく、ときに安値となる。
    漁法 潜水漁
    産地 愛知県
    選び方
    原則的に生きていて、貝殻がしっかり閉じているもの。
    味わい
    旬は夏から初秋だろうか?
    貝殻が厚く、歩留まりはやや悪い
    足の生、熱を通しての色合いはきれいではない。
    足、水管は熱を通すと硬くなる。
    ひも、貝柱は煮ても焼いてもあまり硬くならない。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    調理法
    焼く、刺身(軽くゆでる)、みそ汁
    主に焼いて食べる。
    強火で、短時間で焼き、酒、醤油などで味付けする。
    やや硬いが、貝らしい旨みが感じられる。
    バカガイと同じように剥き身にして軽くゆでても食べられる。
    やはりバカガイには劣るが貝柱が大きく食感がよくて、決して侮れない味わい。
    剥き身をみそ汁にするとボリューム感があって、おいしい。
    ただしアサリほどの旨さはない。
    焼きオオアサリ
    焼きオオアサリ 強火で焼き、酒、醤油などで味付けする。

    ウチムラサキの刺身ウチムラサキの刺身
    剥き身にし、足の部分を開いて、軽く湯通し。大きな貝柱が美味。
    好んで食べる地域・名物料理
    愛知県 「オオアサリ(大あさり)」として売られている。片方の貝を剥き取り、スーパーに並んでいる。
    三重県 「オオアサリ(大あさり)」としてスーパーに並んでいる。
    大貝の炊きこみ 〈晩飯 ー貝の炊きこみごはん、豆腐の澄まし汁、こうこ 寒い冬の時期には、大貝など生貝が手に入る。その貝を利用した炊きこみごはんは、冬の晩飯としてからだが温まって喜ばれる。殻から出した貝の身はきれいに洗って砂をとり、きざんで、米と水と醤油と一緒に薄味に炊く。豆腐の澄まし汁をつける。〉[P68 『聞書き 兵庫の食事』(農山漁村文化協会)1992]
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
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    ■知多半島など観光地で「大あさり」と呼ばれて焼かれているのは本種である。10センチ前後になる大形の二枚貝であり、貝殻が厚くて硬い。和名の由来どおり貝殻の内側が紫色である。
    三河湾、伊勢湾などでは昔から「焼き大あさり」を名物としていて旅館や民宿での定番料理となっている。これ焼きたてはうまいのであるが、旅館などで予め焼き置いたものはまずくて食べる気がしない。知多半島の老舗旅館で食べたものは最低だった。名物でも「出し方」があるはず。
    ■軟体の食べられる部分は多くて刺身にできそうに思えるが、残念なことに生で食べると渋みがある。やはり観光地でするように焼いて食べるのが一番うまい。煮たり、潮汁にもなるがすぐ身が硬くなる。ただし身の味はよく、火の通し方でよい食材になる。
    参考文献・協力
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)

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