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膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が42本。内湾に生息。画像は二倍に拡大。
↓似ている二枚貝2種
サトウガイ/別名「場違(ばち)」
殻に放射状に走る隆起した筋が38本前後。外洋に面した砂地に生息。
サトウガイに関しては画像をクリック!
アカガイ/別名「玉(たま)」、「本玉」
殻に放射状に走る隆起した筋が42本前後。アカガイに関しては画像をクリック!
フネガイ科について◆
国内には52種。
食用となる貝は多いが、流通するものはアカガイ、サトウガイ、サルボウの3種。地域的に食用となるものは無数にある。
軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱
フネガイ目フネガイ上科フネガイ科
サルボウ
Scapharca kagoshimensis (Tokunaga,1906)
他のフネガイ科の貝にはここから!
魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆刺身/煮つけ(酒蒸し)
◎非常に美味
大きさ◆6センチ前後になる
生息域◆東京湾から有明海。沿海州南部から韓国、黄海、南シナ海。
生態◆
汽水域などに多く、幼生期をアマモなどに付着して過ごす。
成長するに従い砂泥地にもぐり込む。
雌雄異体。
産卵期は夏。
市場での評価・取り扱われ方◆
■岡山県、有明海などからまとまって入荷してくる。ただし全体的な量は少ない。値段は安い。
サルボウの基本◆
■缶詰の「赤貝」の原料。
■山梨県などでは「小赤(コアカ)」として珍重する。
■島根県・鳥取県中海周辺では酒蒸し、炊き込みご飯など郷土料理には欠かせない。ただし現在は岡山から買い求めている。
■岡山県の「ばらずし(祭ずし)」には欠かせない。
漁獲方法◆底曳網(けた網)
漢字◆「猿頬貝」。
由来◆「猿頬」とは猿が食べ物を口に含み頬を膨らませる様を言う。そのプックリ脹れた頬のような膨らみをもった貝という意味。
肉の色合いが猿(サル)の頬のように赤い。
呼び名・方言◆
■島根県松江市では「アカガイ(赤貝)」。
■熊本県熊本市では「シシガイ(四四貝)」。
■「チメ」「モガイ
」、「コアカ(小赤)」、「バカガイ」。
「エテボウ」、「チガイ(血貝)」、「チメガイ」、「チンメガイ」「サルガイ」、「ツメキリガイ」、「マスガイ」、「ムマノツメ」、「モゲエ」、「ヤエンボ」、「ヤマブシガイ」、「アマブシサン」。
サルボウの呼び名・方言のページへ
◆食べてみる◆
 
アカガイより小振りであるが、刺身はそれほどひけはとらない。
 また大量にとれると茹で貝にされるが、これが素晴らしい肴になる。
 佃煮(煮つけ)は東京湾の郷土料理とも言えそうだが、これもうまい。
 島根県・鳥取県の中海周辺では「赤貝飯」をたく。これはもち米の混ざったものをサルボウの剥き身と炊き込むもので、料理としても簡単で味がいい。
 刺身などに加工するやり方はアカガイと同じ。
赤貝の刺身の作り方は別ページにある
寿司に関しては寿司図鑑へ!
●東京湾三番瀬船橋産。八王子魚市場内源七水産
参考/『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分類・由来』(川名興編 未来社)、『広辞苑』、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)
岡山県産のサルボウは「赤貝」と書かれてネットに入ってくる
サルボウの刺身はけっしてアカガイに引けを取らない。うまいのだ
東京湾沿岸、浦安、船橋などでは、盛んにサルボウの佃煮を作って売っている
缶詰の「赤貝」、原料はサルボウ




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