ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2000種、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

カラフトマス(英名/Pink salmon, Humpback salmon)

学名:Oncorhynchus gorbuscha (Walbaum)

カラフトマスの形態写真

体長50センチほどになる。側扁(左右に平たい)、細長い。尾鰭に放射状の黒い筋がある。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★★

    重要水産物

    ★★★

    美味
    分類
    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ亜目サケ科サケ属
    外国名
    英名/Pink salmon, Humpback salmon
    学名
    Oncorhynchus gorbuscha (Walbaum)
    漢字・由来
    漢字 樺太鱒
    由来・語源 北洋でたくさんとれたから?
    地方名・市場名
    岩手県久慈市でサクラマス。
    山形県鶴岡市由良漁港でアオマス。
    アオマス(青マス、青鱒)、カニマス、カンマス、セッパリマス、ネコマス、ホンマス、マス、ラクダマス。
    生息域
    淡水→海水→淡水[サーモンタイプ]。
    ■ 日本海、東北太平洋側、北海道、オホーツク海沿岸。北太平洋全域、ベーリング海。
    ■ 遡上する河川は朝鮮半島東部、シベリアのレナ川まで、アメリカはカリフォルニア州サクラメント川からカナダのマッケンジー川まで。国内では北海道のオホーツク、根室海峡、北海道北部の日本海にそそぐ川。
    生態
    ■ 8月〜10月、河川を遡上する。河川の中・下流域で9月〜10月に1000粒〜1500粒を産卵。
    ■ 4月〜5月、川を下り、海に入る。
    ■ 最初は沿岸で暮らし、成長とともに沖合に出る。
    ■ 沖合でオキアミ類、イカなどを食べて、1年ほどで母川に向かう。雄は成熟すると背が張り出してくる。
    基本情報
    サケ類ではもっとも資源量が多い。
    鮮魚での流通は少なく、多くが加工品になっている。
    古くよりサケ缶詰などになり外貨獲得の一翼を担っていた。
    サケ缶は現在でも多くが本種を原料としている。
    他には塩マスに加工されている。
    サケよりも安いので人気があったが、最近ではあまり見かけなくなっている。
    塩マスは山間部などで消費されているようだ。
    関東では山梨県で見かける。
    水産基本情報
    市場での評価 鮮魚は春から夏にややまとまって入荷してくる。値段は安い。塩マスは少ないながら見かけるもの。サケ類の塩蔵品としては安い。
    漁法 流し網(刺し網)、延縄
    主な産地 北海道、岩手県、宮城県、青森県
    選び方
    触って硬いもの。鰓が鮮やかに赤いもの。
    味わい
    春から夏に大量に漁獲され、基本的に夏の魚。
    若魚よりも大型魚の方が美味。
    桃色の身はとても美しく見栄えがする。
    総て天然物なので生食は避けるべき。
    もしも生で食べたいなら一度氷らせてから食べること。
    カラフトマスの塩蔵品を塩マスといい未だに山間部などで根強い人気がある。
    栄養
    寄生虫
    日本海裂頭条虫(サナダムシ)/扁形動物門条虫綱多節亜綱擬葉目裂頭条虫科。はっきりした症状はない模様。
    食べ方・料理法・作り方
    調理法 汁(三平汁、石狩鍋)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)
    カラフトマスのムニエルムニエルはバターをたっぷり使いたい。
    定番のフライ。
    塩マスはサケとは違った味わいがあって美味。赤身の弱い身色から人気薄なのが残念。
    サケ缶の原料はほとんどがカラフトマス。根強い人気があり、現代の食生活にもよくマッチしている。
    好んで食べる地域・名物料理
    山梨県では塩マスをよく食べる。
    塩ます●山梨県上野原町、福井県大野市・勝山市など。
    加工品・名産品
    鱒子(ますこ)●カラフトマスの卵の塩漬けや醤油漬けのこと。
    筋子●生鮮品として入荷したきた卵巣。
    塩鱒(しおます)●今でも根強い需要があり、サケで作るものよりうまいという評価もある。
    さけ缶(サケ缶詰)●サケ缶として売られているものの多くはカラフトマスを原材料としている。
    三平汁●塩鱒と野菜で作った塩味の汁。三平汁の材料のひとつ。
    ちゃんちゃん焼き●カラフトマスの身を鉄板でバターで焼きながら甘い味噌で味つけして食べるもの。野菜もたっぷり使った北海道の郷土料理。
    他にはスモークサーモンなど。
    釣り情報
    ルアー、フライなどの対象魚。
    歴史・ことわざ・雑学など
    ■ 総て天然。養殖は行われていない。
    ■ サケ属ではもっとも小型。
    ■ 北太平洋域での資源量はサケ属中最大を誇る。北洋サケマス漁の中心的なものだった。
    ■ 「鮭と鱒とは、素人目には一見似たようなものではあるが、味からいえば鮭よりも鱒の方がはるかに優る」「塩鮭、塩鱒の茶漬け」『春夏秋冬 料理王国』(北大路魯山人 ちくま文庫)
    参考文献・協力
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『サケ・マスのすべて 食材魚貝類百科』(井田齊、河野博、茂木正人 平凡社)、『サケの世界市場』(佐野雅昭 成山堂)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)
  • 主食材として「カラフトマス」を使用したレシピ一覧

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