アカマツカサ

Scientific Name / Myripristis berndti Jordan and Evermann, 1903

アカマツカサの形態写真

24cm SL 前後になる。下顎は上顎よりも前に出、下顎の歯塊は1対。鰓蓋膜の黒色域は主鰓蓋骨の少し下まで伸びる。胸鰭腋部に小さな鱗がある。背鰭棘膜上方部は黄色。背鰭棘数は11、背鰭第10と11の間は完全に分離。
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24cm SL 前後になる。下顎は上顎よりも前に出、下顎の歯塊は1対。鰓蓋膜の黒色域は主鰓蓋骨の少し下まで伸びる。胸鰭腋部に小さな鱗がある。背鰭棘膜上方部は黄色。背鰭棘数は11、背鰭第10と11の間は完全に分離。鰓蓋膜の黒色域は主鰓蓋骨の少し下まで伸びる。背鰭棘数は11、背鰭第10と11の間は完全に分離。胸鰭腋部に小さな鱗がある。下顎の歯塊は1対。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区棘鰭上目キンメダイ系キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科アカマツカサ属

    外国名

    学名

    Myripristis berndti Jordan and Evermann, 1903

    漢字・学名由来

    漢字 赤松毬 Akamatsukasa
    由来・語源 長崎での呼び名。硬くて大きい鱗が松毬(まつぼっくり)を思わせるため。
    Soldierfish 英名は兵士魚であるが、鎧(armor)を着けた兵士を思わせる魚という意味だ。堅い鱗で敵(天敵)を寄せつけないことからくる。イットウダイ科の魚に共通し、総称でもある。
    Temminck
    コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
    Schlegel
    ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。サンゴ礁。
    小笠原諸島、南鳥島、屋久島、奄美大島、琉球列島、久米島、慶良間諸島、西表島。
    台湾南部、東沙諸島・南沙諸島、インド-太平洋域。

    生態

    基本情報

    サンゴ礁などで群れを作り、まとまってとれるので熱帯、亜熱帯域では重要な食用魚だ。
    国内では鱗が強く下ろすのが難しいので安値で人気がない。
    小型なので安くて総菜魚として重宝する。

    水産基本情報

    市場での評価/鹿児島県、沖縄県などで流通する。比較的安い。
    漁法/定置網
    産地/沖縄県、鹿児島県

    選び方

    赤みが強いほうが新しい。

    味わい

    旬は春から夏。
    鱗は大きく硬く取りにくい(アカマツカサ亜科のなかでは取りやすい方だが)。皮は比較的厚みがありしっかりして強い。骨はあまり硬くない
    透明感のある白身で秋の固体は脂がなく硬く締まる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    アカマツカサの料理法・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、生食(焼霜造)、焼く(塩焼き)、ソテー(バター焼き)

    アカマツカサの煮つけ 非常に硬くて取りにくい鱗を取ると、厚く強い皮がある。この皮がうまいのである。水洗いして湯通しする、冷水に落とし残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり、酒・醤油・水をわかした中で煮る。みりん、砂糖で甘味を加えてもいい。適度に身が締まり、身離れがいい。煮汁とからめながら食べるととてもおいしい。

    アカマツカサのみそ汁 ここではあらと肝を使ったが、1尾丸ごと使ってもいい。あらなどを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。うま味豊かな汁になる。骨などに付着した身にもうま味がある。
    アカマツカサの焼霜造 水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。水分をよく拭き取り、皮目をあぶり、氷水に落とす。再び水分をよく切り、刺身状に切る。皮目にうま味がある。身は適度に締まり美味。
    アカマツカサの塩焼き 水洗いする。肝は別に取り置く。振り塩をして1時間以上寝かせて肝を腹にもどして焼き上げる。皮目の香りがいい。身は少し硬く締まるものの非常にうま味がある。
    アカマツカサのバター焼き 水洗いして水分をよく切っておく。塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油でじっくりとソテー。仕上げにマーガリン(バター)で風味づけする。身は硬く締まりすぎるが、味は決して悪くない。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)

    地方名・市場名

    シャチホコ
    場所兵庫県豊岡 参考文献 
    エビスダイ
    場所千葉県 参考文献 
    グソク[具足]
    場所和歌山県、高知県柏島 参考文献 
    マンネンダイ
    場所和歌山県和歌山市雑賀崎 参考文献 
    カゲキヨ
    場所和歌山県辰ヶ浜・御坊、高知県須崎 参考文献 
    マーアカイユ マーカイユ
    場所沖縄 参考文献 
    フッミアカィユ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    カサー
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    アカマツカサ
    場所長崎 備考標準和名。 参考文献 
    ハリメ
    場所高知県柏島 参考文献 
    メッチ
    場所高知県沖ノ島 参考文献 
    カネヒラ
    場所和歌山県田辺・辰ヶ浜・白浜・南部 参考文献 
  • 主食材として「アカマツカサ」を使用したレシピ一覧

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