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◆食べてみる◆
 
この魚、ウロコがなく水洗いも簡単で食べやすい。秋田市民市場で聞いた最上の食べ方が「湯あげ」である。鰓をとり水洗いしたハタハタを昆布だしでゆであげる、これをポン酢でも生しょうゆでも好みのものをつけて食べる。また塩魚汁(しょっつる)鍋も素晴らしい味わいである。
 鳥取県でも干物、ときに刺身などにもするが、もっとも頻繁に作るのが煮つけである。地元では「白はた」と北海道などのハタハタは別種であるとして、脂ののった山陰のハタハタを煮つけで珍重する。これは万人向けの味わい。非常に美味。
 鮮魚で手に入れたら三枚に卸して酢締めにするとビックリするほどうまい。これは病みつきになる。
 また当然の如く簡単かつうまいのは塩焼きであろう、塩をして軽く干してから焼く。皮がねっとりして旨味が強くしかも香ばしい。
 市販の干物も当たり外れがなくどれもうまい。変わり種では粉をまぶしてからのムニエル。ハタハタの皮目の風味が生きてくる。
●ハタハタの料理の画像などは独立したページを作成した。ハタハタ料理のページへ
●ハタハタや塩魚汁、三五八漬けなどは秋田市の渡辺淳子さんから。感謝致します
●参考文献/『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『新 北のさかなたち』(北海道新聞社 監修/水島敏博、鳥澤雅 編/上田吉幸、前田圭司、嶋田宏、鷹見達也)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編 東京堂出版)、『魚の本』(鈴木克実 久保書店)
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
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硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系
スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科
ハタハタ
Arctoscopus japonicus (Steindachner)
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魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆ 煮つけ/鍋(湯あげ)/しょっつる鍋/飯鮓
酢締め/塩焼き(干物)/ムニエル
◎非常に美味
市場での評価・取り扱われ方◆
■主に秋から初夏にかけて入荷してくる。冬は高値。その他の季節は安い。
■産地は北海道、秋田県、山形県、石川県、福井県、兵庫県、鳥取県。
ハタハタの基本◆
■秋田県の郷土料理にはなくてはならぬもの。
■ハタハタの商品価値を上げているのが卵巣である。秋田では「ぶりこ」という。確かにこの「ぶりこ」、旨味が濃厚にありねっとりと舌にからむ。身のうまさからいっても一級品のハタハタにしても「ぶりこ」が入っていなければ値打ち半減なのである。
秋田では海が荒れて雷鳴がとどろくようなときにとれると言われる。
漁獲量は北海道釧路、噴火湾、北陸、山陰などが多い。
秋田名物であるハタハタを1960年代の水準まで戻そうという努力は、やや上向きにある漁獲量に表れている。漁獲量の激減した1990年前後に秋田市民市場を歩いても県内でとれたものは見当たらず、鳥取や北海道からのものばかりであった。これが2006年には東京でも秋田産の大ハタハタが目立った。
卵巣(ぶりこ)◆
■普通卵巣は未成熟のものがうまい。秋田市で聞くと成熟した殻の硬いものがいいという。これを口に含んでガムのように噛み、エキスを楽しんでそとの皮部分を吐き出すのだ。
昔水戸の藩主であった佐竹公が秋田に国替えになったとき、ブリの料理で正月を迎える習わしであったところを、ブリがとれないのでハタハタで代用した。その卵を「鰤子」と名付けた。
ハタハタの加工品◆
■塩汁(しょっつる)はハタハタの魚醤。これを鍋の調味料として使う。
■はたはたのいずし(飯ずし)。近江の鮒ずしとは違って漬け込みに麹を使用する。なれずしではなく「飯ずし」の一種。
■「三五八漬け」。ハタハタを三五八漬けのもとで漬け込んだもの。
■若狭などではハタハタのしょうゆ干しを作る。
■ハタハタの干物。
生息域◆日本海、北日本。カムチャッカ、アラスカ。
生態◆
産卵期、稚魚期以外には深海に棲息する。
産卵期は晩秋から冬。産卵期には浅瀬の藻場などに集まる。
卵は海水に触れると粘着物質を分泌して塊になり、藻などに付着する。
抱卵数は少なく大きい。一個体で1000粒から2400粒。
雄の方が早く成熟し、雌の方が遅い。
雌(めす)の方がやや大きくなる。
大きさ◆20センチ前後になる
漁獲方法◆底曳網/定置網/刺し網
漢字◆「鰰」、「波多波多」、「斑斑」。
由来◆
北日本各地での呼び名で雷光の古語〈はたはた神〉からとったといわれる。これは海が荒れて、雷鳴とどろくようなときにとれるから。
「斑斑」は身体の背に独特の斑紋があるため。
呼び名・方言◆
■鳥取県岩美郡岩美町では「白はた(しろはた)」。
島根県では「白はた(しらはた)」。
「雷魚(かみなりうお)」、「かたは」、「おきあじ」、「しまあじ」。
「佐竹魚(さたけうお)」は関ヶ原のあと、水戸の領主佐竹公が秋田に国替えさせられた。それからハタハタがよくとれるようになった。それは「常磐のハタハタが佐竹氏を慕って移動してきたためだ」という俗説から。
釣り◆調べているところ。



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