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形態◆身体は紡錘形、腹側に黒い縞模様がある。背鰭、尻鰭を納める窪みがあり、頭部、側線部以外に鱗がない。
スズキ目(Perciformes) について◆
脊椎動物中最大のグループ。
世界中に17亜目148科約1496属約9293種。
淡水、海水などあらゆる水域に生息。形は多様で、硬い骨格をもち、棘や突起などが発達する。
サバ亜目(Scombroidei) について◆
カマス科、クロタチカマス科、タチウオ科、サバ科。
サバ科(Scombridae) について◆
熱帯・亜熱帯に49種。
食用種にマグロ類、マサバ類、サワラ類など多数。水産上重要な種が多く存在する。
マグロ族(Thunnini)について◆
マグロ属、スマ属、カツオ属、ソウダガツオ属。
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族カツオ属
カツオ
学名/Katsuwonus pelamis (Linnaeus)
漢字/鰹 英語/Striped tuna, Skipjack tuna, Oceanic bonito
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魚貝の物知り度/★★★★ これは常識
食べ方◆刺身(カルパッチョ、春は銀皮造り、秋は平作り)/たたき/煮つけ/唐揚げ/ゆでる他多々
◎非常に美味
大きさ◆1メートルを超える。
生息域◆日本近海、世界中の熱帯・温帯海域。日本海にはほとんどいない。
生態◆
産卵期は夏と冬。赤道周辺では周年。
国内での多くは春に産卵。仔魚は熱帯・温帯域に分布。日本近海のカツオは北上回遊する。
稚魚、仔魚期は動物性プランクトンを、成長に伴い魚を捕食するようになる。
大型のマグロ類、カジキ類に捕食される。
鰓蓋が動かないので酸素を取り入れるために泳ぎながら、海水を鰓孔に流入させる。止まると即窒息死する。
市場での評価・取り扱われ方◆関東の市場には1月から出回り始め、晩秋まで見られる。冷凍物も多い。値段は沿岸でとれた高級品から冷凍の廉価なものまで様々。産地としては宮城県気仙沼、千葉県勝浦などが有名。
◆食べてみる◆
 赤味で筋肉中に筋肉色素ミオグロビンを多く含んでいる。タンパク質に富み、アミノ酸価(必須アミノ酸のバランスなど)が高い。またEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊かだ。ヒスチジンが多いため、古くなるとヒスタミンに変わり、アレルギーを起こすことがある。古く生食しなかったのは、こんなところに理由がありそうだ。
 脂のない春も、脂で身を白く濁らせた秋のカツオもいずれもうまさは抜群である。脂っぽいのが好きか、あっさりが好きかでお好みのままである。
 脂のない春から夏には、たたきに、脂ののった秋には刺身にするという使い分けも出来る。
 刺身のことをいうなら、春のカツオは脂こそ薄いが、旨味はたっぷりあり、腹川の皮が薄く軟らかなので銀皮造りにして美味。
 秋のカツオは脂がのって、単に平造りにする。
 たたきには何種類かの作り方がある。一般に皮付きのまま、表面を焼き、冷水に取り、あら熱を取り去ってから刺身状に切る。ここに香辛野菜であるショウガ、ネギ、青じそなどをのせ、柑橘類を加えた醤油をかけ回して手でとんとんとたたく。
 高知県で今でも作られるものに「塩たたき」がある。四等分した身に振り塩をして、強火で焼き、熱い内に刺身状に切り食べる。醤油でも柑橘類を絞り込んだ加減醤油でもお好みでつけて食べる。



 また高知県ではたたきにニンニク、葉ニンニクがついものとなっている。
 春、脂の少ない小振りのカツオには焼くのではなく、表面をこんがり揚げて、「揚げたたき(画像下)」にしてもうまい。



 イタリア風にカルパッチョにしてもうまい。
 中落ちの煮つけは非常に美味。カツオの甘煮(甘辛くにたもの)もうまい。
 また唐揚げにしても、カツオはとてもうまい。冷凍ガツオなどで安いものが手には入ったら、おすすめの料理だ。唐揚げにすると鉄分やビタミンの豊富な血合いが抵抗なく食べられる。
 ゆでて、軽く乾かして、煮物にしてもいい。特に里芋、ジャガイモなどと煮ると非常にうまい。
 ゆでたものは、単にマヨネーズで和える、など用途の広い。
◆名産品・郷土料理◆
カツオ節/カツオをゆでて(煮熟)して、いぶし(焙乾)、乾燥させたものを「荒節」、これに黴つけをして、乾かしたものを枯れ節、本枯れ節という。だしをとったり、そのまま削って食べる。小さなカツオを2枚に下ろして、作ったものを形から「亀節」、大きなカツオを2枚に下ろし、背と腹に分けたものもあり、背側を「雄節」、腹側を「雌節」という。鹿児島県、静岡県、三重県、高知県、宮崎県、沖縄県などが産地。
なまり節/カツオをゆでて、干したもの。水分量が40パーセント前後と多い。
カツオのせんじ、いろり/カツオ節を作る過程でゆでた汁を煮詰めた(煎じ)もの。古くは「いろり」、現在でも鹿児島県では作られていて「せんじ」という。だし、調味料として使われる。
酒盗(かつおの塩辛)/春夏の脂の少ないカツオの胆のう、膵臓を除いたワタ(内臓)を塩漬けにしたもの。「酒盗」というのは土佐藩十二代藩主山内豊資が土佐清水で食べて名づけたものとされる。



はらもの干物/カツオ節などを作るときに出来る砂ずり腹の筋肉の薄い部分(歪な菱形)を干したもの。
塩鰹(塩かつお)/カツオの内臓を抜き、丸のまま塩漬けし、干したもの。伊豆半島西岸などでは年末年始のお飾りとする。



塩鰹(塩かつお)/塩漬けにしたカツオ。伊豆半島などで作られているもの。細かく切り、焼いて食べる。静岡県伊豆地方などでは現在でも作られている。
カツオの角煮/カツオの佃煮。カツオの身を甘辛く煮たもの。
カツオの缶詰/ビンチョウマグロのシーチキンに対して『はごろもフーズ』ではシーチキンマイルドという商品名になっている。
カツオのたたきを使った寿司へ!
手こねずしへは寿司図鑑へ!
カツオの基本◆
■すし屋では「足が速い(腐りやすい)」種として嫌う向きがある。
歳時記、季語では夏。
有名な俳句に「目に青葉山ほととぎす初かつお」山口素堂(江戸時代前期の俳人)、「鎌倉を生て出けむ初鰹」芭蕉
江戸時代、初鰹に熱狂したといわれるが、これは18世紀半ばくらいから。「女房を質に置いても初鰹を食う」のも江戸時代半ば以降のこと。
カツオの逸話として、江文化9年(1812)旧暦3月25日に、初鰹が総数17本入江戸の町に荷した。そのうち6本は将軍家に、2本は権門へ、1本は有名な料理屋八百善へ行き、人気歌舞伎役者市川歌右衛門が魚屋から1本3両で買って振る舞いをした。
江戸時代には霜降り(湯引き)して食べていた。
江戸時代カツオの刺身といったのは、表面をあぶったもの。別名「あぶり」とは現在の「カツオのたたき」のこと。
江戸時代「たたき」と呼ばれていたのは現在のカツオの塩辛のこと。
現在のカツオ節は江戸時代延宝2年(1674年)土佐の甚太郎によって始められた。ゆでたものを焙乾するなどの工夫が行われたのだ。
古くは「堅魚(かたうお、かたな)」、「堅魚木(かたなぎ)」。これは明らかに生のカツオではなく乾物をさしている。「かつお」という言葉は海から遠い都などで生まれたか?
カツオノエボシというヒドロ虫類がいる。触手に猛毒を持ち、電気クラゲとも呼ばれる。
漁獲方法◆釣り/巻き網
漢字◆
「鰹」、「堅魚」、「堅木魚」、「松魚」。
由来◆古くは干したもののことを「かつお」と呼んだ。それがそのまま魚の名となった。
呼び名・方言◆
「カツ」、「カツウ」、「サンゼンボン(三千本 小型魚)」、「タテマダラ」、「スジガツオ」、「ハタジロ」、「マガツオ」、「ショウバン」、「チュウバン」、「ダイバン」、「トビダイ」、「トビトビダイ」
頭の形から「烏帽子魚(えぼしうお)」とも呼ばれる。
釣り◆外房、相模湾などで生き餌釣り、ルアー、かったくり(疑似餌)で狙う。
●高知市の永野廣さん、昌枝さん、静岡県沼津市、菊池利雄さんにはいろいろお教えいただきました。感謝いたします。
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
参考/『魚の分類の図鑑』(上野輝彌・坂本一男 東海大学出版局)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)、『水産加工品総覧』(三輪勝利監修 光琳)、『伝統食品の知恵』(藤井建夫 柴田書店)、『たべもの東海道』(鈴木晋一 小学館ライブラリー)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編 東京堂出版)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『魚々食紀』(川那部浩哉 平凡社新書)
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