第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
六十五巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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づがに/モクズガニ 2006年2月15日 321
 沼津の飯塚さん(甲殻類を専門とする)から「鹿野川でずがにがとれたので送ります」とケータイにもらったのが1月下旬。川の上流にまで上っていたのが産卵のために下る。そろそろ下りのモクズガニも終わりの時期である。ゆでてたっぷりの内子を楽しんだのですが、ふとこんなに味がいいのだから握りにしてみたくなって『市場寿司 たか』に持ち込みました。「秋から冬にかけてのモクズガニはうまいよね。これを握ったら絶対にうまいと思うのよ」と勝手に力んでいると、たかさんカニの内子にすっかり熱中している。「これ握りにはもったいなかろ」というのだ。「四の五の言わずに早よ握らんかい」と一喝。出来上がったのが2かん。モクズガニ1匹半くらいかな。これがうまい、うますぎる。ぷ〜んと鼻に抜ける内子の香り、そしてうまみがどばーっと来た。そしてすし飯はどこに行ったのやら。どうも必要なかったみたい。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
サワラ 2006年2月16日 322
 びっくりしたな、このうまさには。「びんちょうとも違うよね。もっと後味がいいというか、脂が甘いんだね」とたかさんが話している。こちらはぼんやりと聞いているのだが、「サワラってこんなにうまいんだっけ」と思い返して、帰宅して過去のデータを調べてみた。するとどうだろう、毎年2月、3月と大振りのサワラを買っていて、同様な感想をメモ書きしているのだ。まったく記憶力のない私であることよ。さて、とろっとして、甘味がある。そしてすし飯と合わさりながら、また脂が溶けだしてきた甘い(旨い)。これをどうして初めて握るんだろうね、たかさん。「どうしてだろうね。足が速いからだろうね。それに昔はこんないいサワラが手頃な値段では手に入らなかったもの」。どうも関東ではサワラは高いだけの魚であって、なかなかその真味が理解されていないようだ。
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夜泣き貝/ナガニシ 2006年2月17日 323
 広島で「夜泣き貝」と呼ばれ珍重されているのがナガニシである。浅い砂泥地に棲息し、刺し網などでとれる。これが相模湾では食べる風習がなく見向きもされない。これをありがたくいただいてきて握りに仕立てました。ナガニシのワタは酸味があって渋く、貝殻のままゆでると身にまでワタの渋みが回ってしまう。それでトンカチで身を取りだしてワタをきれいに洗い流してゆでる。ゆでる時間は最小限、1〜2分でいい。これを持ち込んで腕組みしてうなっているのが、たかさん、切り付けてどうにも形が出来上がらないのだ。それをやっとなんとかネタに巻き付けて出来上がり。今回は神奈川県津久井町の料理屋『浜長』さんに試食をお願いする。「うん、味は貝の味、普通だね」と一言。確かに甘味があるものの握りのネタとしては個性に欠ける。ただ身が柔らかいので、すし飯との馴染みはいい。「夜泣きというより、寿司屋泣かせの貝だね」とは、たかさん。今度は生で持ってくるのだからもっと形のいいものにしておくれ。
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のれそれ/マアナゴ 2006年2月18日 324
 高知で「のれそれ」、大阪など関西で「べらた」と呼ばれているのがマアナゴの稚魚。これが鮮度さえよければうまいのだ。初めて食べたのはどこだったか、大阪は枚方か、梅田だったかな? 「べらた」ってなんだろうって酒のアテにしたのだ。これが思いもかけぬ美味。どうも大阪湾でとれたばかりのもの、プリッとした食感に甘味があって、「もうひとつください」と言っても追加はかないまへんでした。この「べらた」という大阪らしい響きもいい。さて、そのマアナゴの稚魚をコツコツ集めていたのが佐島のおばはんやないか?(いかん大阪弁になっとる) これを少し分けてもらって『市場寿司 たか』へ。完全にノックアウトされたのは、たかさん「のれそれ(関東ではこの高知弁が使われる)ってうまいんだね。前に市場で買ったのは食べられなかった」。確かに中一日経つとあんまりうまいもんじゃない。そんなひんやりしたのれそれを舌に感じて、プリっと噛み、甘味とすし飯が同時に味わいとなって口中を満たしてきた。「くっそー、もっともらってくるんやったな」。
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ニベ 2006年2月19日 325
 ニベは目立たない、小魚のイメージが強い。たとえば砂浜から投げ釣りであがる20センチ前後とか、市場に行儀良く並ぶ塩焼き用のものとか。とても刺身で上の部類とは思えないのかも知れない。ところがこれが化けるのだ。旬というのは春から初夏だろうか。この時期のニベの血合いの鮮やかな色合い。そして透明感のある身。これをニベと見る人はまずいないだろう。これを初めて寿司にするのが『市場寿司 たか』の渡辺隆之さん。1かん味見で握りにして「あ」っと声が出る。それほどに旨味があるのだ。噛むと脂もジワリとくる。そこに塩味と酢の利いたすし飯が来るのだけれど、したたかにうまいというか、たまりませんな。「どうして、これほどの魚を活け締めでよこさないのか? 「疑問だね!」。
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