タチガミフエフキ

Scientific Name / Lethrinus longirostris Playfair, 1867

タチガミフエフキの形態写真

67cm SL前後になる。体高はフエフキダイ属としては低い。頭部は大きく目から吻に向かってしゃくれて尖り気味。口周り、頬、目の周辺、目の上の背に赤色がある。特に背の赤は帯状である。胸鰭基部内側に鱗がない。側線上方鱗数は6。[57cm SL ・3.1kg]
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67cm SL前後になる。体高はフエフキダイ属としては低い。頭部は大きく目から吻に向かってしゃくれて尖り気味。口周り、頬、目の周辺、目の上の背に赤色がある。特に背の赤は帯状である。胸鰭基部内側に鱗がない。側線上方鱗数は6。[57cm SL ・3.1kg]67cm SL前後になる。体高はフエフキダイ属としては低い。頭部は大きく目から吻に向かってしゃくれて尖り気味。口周り、頬、目の周辺、目の上の背に赤色がある。特に背の赤は帯状である。胸鰭基部内側に鱗がない。側線上方鱗数は6。[57cm SL ・3.1kg]67cm SL前後になる。体高はフエフキダイ属としては低い。頭部は大きく目から吻に向かってしゃくれて尖り気味。口周り、頬、目の周辺、目の上の背に赤色がある。特に背の赤は帯状である。胸鰭基部内側に鱗がない。側線上方鱗数は6。[57cm SL ・3.1kg]口周り、頬、目の周辺、目の上の背に赤色がある。特に背の赤は帯状である。胸鰭基部内側に鱗がない。側線上方鱗数は6。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★★
      めったに出合えない
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚類綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ亜科フエフキダイ属

    外国名

    学名

    Lethrinus longirostris Playfair, 1867

    漢字・学名由来

    漢字/立神笛吹 Tchigamifuefuki
    由来・語源/長年国内ではキツネフエフキと混同されていたもの。著者もキツネフエフキとして鹿児島市鹿児島魚市場で買ったところ、他のキツネフエフキの形態と違っていることから、タチガミフエフキにたどり着いた。
    〈本種の大型個体が,国内の主要な分布域である奄美大島において信仰の対象とされている巨大な岩,「立神」を思わせることに因み,奄美大島産の 1標本(KAUM–I. 145631,体長 667.6 mm)に基づき,新標準和名「タチガミフエフキ」を提唱する.〉。『フエフキダイ科 Lethrinus olivaceus Valenciennes, 1830 キツネフエフキの新参異名とされていたLethrinus longirostris Playfair, 1867 タチガミフエフキ(新称)の有効性と再記載』(渋谷駿太、前川隆則、桜井雄、本村浩之)
    Lethrinus longirostris はキツネフエフキの新参異名とされていたもの。2022年に有効となり、和名がついた。

    地方名・市場名

    ウムナガー
    場所沖縄県知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 

    生息域

    海水魚。
    九州南部鹿児島県南さつま市笠沙・大隅諸島口永良部島・奄美群島奄美大島・与論島、沖縄県沖縄本島知念・石垣島。
    エジプト(紅海)、タンザニア、台湾、マレーシア、インドネシア、マーシャル諸島、パプアニューギニア、ニューカレドニア、オーストラリア(クイーンズランド)、フィジー、フレンチポリネシア(モーレア島、ガンビエ諸島およびムルロア環礁)、紅海を含むインド・太平洋。

    生態

    基本情報

    現在、鹿児島県以南、パプアニューギニア周辺まで生息している模様である。2022年に標準和名がついた魚で鹿児島県と沖縄県でしか見つかっていない。
    長年キツネフエフキと混同されていた魚で、鹿児島魚市場、沖縄県沖縄本島ではキツネフエフキ、ウムナガーとして競りにかけられている。種が判明してから見ると鹿児島魚市場では決して珍しい魚ではない。評価もキツネフエフキと同じ。フエフキダイ科で突出して大型になるために高値がつく。
    珍魚度 珍魚である。過去に分類的な混乱もあり、同定自体難しい。鹿児島県、沖縄県のみで見つかっているが見つけるのはとても難しい。

    水産基本情報

    市場での評価/鹿児島県、沖縄県ではキツネフエフキと混同されて競りにかかる。やや高値。
    漁法/釣り
    産地/鹿児島県

    選び方

    鰓が赤く、身に張りがあるもの。体色が濃いもの、退色していないもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は非常に硬い。皮は厚みがあり強い。骨はあまり硬くない。
    血合いの赤い白身で熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    タチガミフエフキの料理・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚)、生食(皮霜造り、刺身)、煮る(煮つけ)、ソテー(バター焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁、潮汁)
    タチガミフエフキの蒸し魚
    タチガミフエフキの蒸し魚(清蒸) やはり熱帯から亜熱帯の魚なので、この海域の魚のもっとも基本的な料理、蒸し魚にしてみる。
    水洗いして三枚に下ろし切り身にする。水分をよくきり酒などを振りかけておく。皿にのせて15分蒸す。
    蒸しているとき醤油・紹興酒、魚醬(ナンプラー)・砂糖を合わせて一煮立ちさせ、たれを作っておく。ねぎ、しょうがはせん切りにする。
    蒸し上がったらタレをかけ、野菜を乗せて煙が出るくらいに熱した油をかけ回す。
    蒸すとふんわり柔らかくなる。皮も厚みが出て切り口が透明にみえる。蒸した身自体からして非常に味わい深く、たれと油、野菜が混在となった味は無類である。

    タチガミフエフキの皮霜造り 皮は硬いものの、皮だけをゆでて食べてもおいしい。身にも豊かなうま味がある。それで皮霜造りにしてみる。水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。背の部分をまな板に皮を上にして置き、湯をかける。氷水落として粗熱をとり、水分を拭き取って刺身状に切る。皮は少し硬めであるが、非常に味わ深い。身にも豊かなうま味と甘みがあり、最上級の味である。
    タチガミフエフキの刺身 水洗いして三枚に下ろし、腹骨を血合いを切り、皮を引き刺身にしたもの。血合いは赤く、身に透明感がある。筋などもなく滑らかな身質をしている。身に濃厚なうま味があり、微かに甘味を感じる。無類のうまさである。
    タチガミフエフキのあら煮 切り身ではなくあらを煮つけにしてみた。頭部などあらは集めて置き、食べやすい大きさに切る。湯通しして冷水に落とし、表面のぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を煮立たせた中で煮る。醤油は何回かにわけて味見しながら加える。皮は非常に厚みがあり、これだけで御馳走である。特に分厚い唇は珍味といってもいいだろう。
    タチガミフエフキのバター焼き 水洗いして三枚に下ろす。切り身にして塩コショウし、多めの油で小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。出来上がりにマーガリン(バター)で風味づけする。じっくりすることで皮がかりっと香ばしく、身は柔らかく仕上げる。皮もうまいが、身に豊かな味わいがある。
    タチガミフエフキのフライ 水洗いして三枚に下ろし切り身にして塩コショウする。小麦粉をまぶし、溶き卵をからめパン粉をつけて揚げる。同じフライながらトンカツではなくチキンカツに似ている。身が締まり、魚らしいうま味があって嫌みがない。非常に美味である。
    タチガミフエフキの唐揚げ かまた尾に近い部分などを集めて置く。水分をよく拭き取りコショウと醤油で和える。ふたたび水分をきり片栗粉をまぶして二度揚げする。骨は硬いので食べられないものの、身がほどよく締まり、繊維質で身離れがいい。魚らしいうま味も感じられておいしい。
    タチガミフエフキの塩焼き 切り身の塩焼きも非常に美味だが、このかまの塩焼きはとりわけ味が良かった。かまに振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくり時間をかけて焼き上げる。骨の間にある身が思った以上に多く、身離れがいい。身自体に味がある。
    タチガミフエフキの潮汁 中骨や唇回りなどのあらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をていねいにとり、昆布だしで煮だして酒と塩で味つけする。非常に濃厚な味わいのだしがとれる。皮の周辺が非常に味わい深いが、特に唇のうまさは名状しがたい。
    タチガミフエフキのみそ汁 中骨や頭部を適当に切る。湯通しして冷水に落として、残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出す。比較的時間をかけて煮出すといい。みそを溶いて出来上がりである。非常にうま味豊かな汁で骨に付着した身がやたらにうまい。ご飯に合う。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『フエフキダイ科 Lethrinus olivaceus Valenciennes, 1830 キツネフエフキの新参異名とされていたLethrinus longirostris Playfair, 1867 タチガミフエフキ(新称)の有効性と再記載』(渋谷駿太、前川隆則、桜 雄、本村浩之 2022年)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)
  • 主食材として「タチガミフエフキ」を使用したレシピ一覧

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