硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系カサゴ目カジカ亜目アイナメ科ホッケ属

★★★ 知っていたら通人級
| 学名 | Pleurogrammus azonus Jordan and Mets |
| 外国名 | 英名/Atka mackerel,Arabesque greenling |
| 同科同属 | 他のアイナメ科の魚へはここから! ●キタノホッケへ |
| 漢字・由来 | 漢字/「魚へんに花」、「北方」。 由来・語源/ 「〈魚に花〉というのは海の表層に群れる幼魚が美しい青緑色をしていて花のようだから」、「産卵期のオスがコバルト色になり鮮やかな唐草文様が見られるから」(参考/『魚と貝の事典』望月賢二 柏書房) 「〈北方の魚〉で〈北方〉は『ほっけ』とも読む。〈北魚〉の意味」(参考/『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版) |
| 地方名・市場名 |
アオボッケ、タラバホッケ、チュウホッケ、ドモシジュウ、ホッキ、ボッケア、ロウソクホッケ。 |
| 形態 | 紡錘形。やや細長い。暗褐色で鰭(ひれ)などに棘がない。尾鰭(おびれ)後端が深く切れ込む。 |
| 生息域 | 海水魚。日本海、茨城以北、オホーツク海に棲息している。また少ないながらも駿河湾ではときどき見られ、また熊野灘からもあがっている。 |
| 生態 | 産卵期は北海道では9月から12月中旬。 産卵期には婚姻色をしたオスが縄張りを持ち、メスに求愛運動をし、岩礁域の窪みなど潮通しのよい場所(縄張り)に産卵させ、産卵後はオスが卵を保護する。 成魚は定着性が強いが、稚魚期には産卵場所の沿岸浅い海域にいて、しだいに沖合に移動する。水深100メートル前後と沿岸域を行き来してくらす。また大型になると大陸棚付近に定着する。 0歳の冬から夏にかけての体長4〜16センチ頃は表層で生活し、日本海で北海道とロシアとの間に生息する。6月に北方海域に移動するときのを体色からアオボッケという。 0歳の夏から冬にかけて体長18〜22センチになって100メートル前後の大陸棚上で群れを作る、これをロウソクボッケ。 翌1歳の3月から6月頃に沿岸に接岸し、盛んにエサをとるものをハルボッケ。 生魚となり岩礁域に定着したものをネボッケという。 |
| 一般的評価 | ホッケの干物として有名。 近年国産のものは高値となっている。 また戦後配給されたとき腐敗などして、まずいと思いこんでいる世代もいる。 現在ではホッケは思われているよりも高級。 刺身に、塩焼きに、煮つけにして美味。 近縁種にキタノホッケ(シマホッケ)がいて、ホッケ同様に食べられている。 また国産ホッケの干物が高くなってキタノホッケの方が一般的なものになっている。 |
| 水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★★重要水産物 市場での評価/加工品で出回ることが多い。鮮魚は徐々に入荷が増えている。最近では活けしめにしたものもみる。値段は全般に安い。 すり身加工では高級なもの。 漁法/刺し網、定置網、釣り(延縄) 産地/北海道、青森県、秋田県 |
| 雑学 | 戦後間もなくホッケは食料増産のために盛んにとられていた。それが関東などに配給されてきた。冷蔵技術のあまり発達しないときだから、腐敗がすすみ、「ホッケはまずい魚」と思われていた。 |
| 選び方 | 鮮度が落ちやすい。なるべくしっかりと硬いものを選ぶ。腹が柔らかいものもダメ。鰓の色合いも重要だ。さわってぬめっとした感触のものが脂がのっている。 また最近では活け締めにしたものの入荷をみる。これなど狙い目。 根ボッケという大型のものが北海道日本海側にいる。これは鮮魚でも干物でも非常に高価だ。 |
| 味わい・栄養 | 味の評価/★★★★=非常に美味 白身魚。 外見とはまったくイメージが違っている。 適度に繊維質でほどよく口の中でほぐれる。 身全体に脂が混ざり込んでいて、白濁している。 鮮魚の脂にクセはなく上品。 古くは盛んにすり身となって上質だった。 |
| 調理法 | 干物、塩焼き、ちゃんちゃん焼き、煮つけ、フライ、ムニエル、唐揚げ、番外で刺身 |
| 食べ方 | 鮮度がよければ刺身は絶品。ただし寄生虫の危険がある。 できれば一度凍らせてルイベ状にして食べるのが無難。 ![]() 刺身はうまいのだけど袋形動物門線形動物綱回虫目ヘテロケルス科アニサキス亜科のアニサキス、テラノバの寄生の可能性がある。強い腹痛をともなうので注意。安全に食べるなら一昼夜マイナス20度で冷凍してから食べる。また生で食べるときには、自己責任で 干物のうまさには定評がある。 ![]() ホッケの開きは1970年代より、盛んに関東でも見られるようになっている。今では干物の定番のひとつ。産地以外にも各地で作られている。また近年ホッケが高くなって、キタノホッケがとって代わってきている 当たり前だけど、塩焼きだって美味。 ちゃんちゃん焼きという北海道の郷土料理がある。 ホッケをバターなどでソテーして上から野菜をかぶせて、合わせたみそをかけ回す。 みそはやや甘めで、酒や砂糖と合わせる。 煮つけよりもうまいのではないか? ![]() ホッケのちゃんちゃん焼き。鍋にバターを溶かし、ホッケの三枚におろした身、野菜(タマネギやニンジンなどなんでもいい)を入れる。6部通り火を通したら、みそ、酒、砂糖、水を合わせた地をかけ回して、フツフツとわきたったら出来上がり。家庭で手軽に出来る。バターをたっぷり使うのがコツ フライ、ムニエルはとても美味。 唐揚げにしてもいい。 ホッケの三平汁というのもある。ホッケに塩をして、野菜と汁にしたてる。 |
| 好んで食べる地域 | ホッケのちゃんちゃん焼き/北海道でホッケを三枚に下ろして、野菜と鉄板で焼き、バター、加減味噌などであじつけする。ホットプレートなどを利用することが多い。 ホッケの三平汁/ホッケのぬか漬け、塩漬けを適当に切り、野菜などと汁にする。塩味の汁。 |
| 加工品・名産品 | ホッケの素干し/ホッケを三枚に下ろして、身の部分を塩することなく硬く干したもの。そのままでも、軽く焙って食べてもうまい。 ホッケの開き/干物の定番的なもの。ホッケといえば開き干し。 いずし/麹と野菜などとつけた、すしの一種。 ぬか漬け/ホッケを糠と塩でつけたもの。 すり身/北海道などではホッケのすり身を比較的よく見かける。団子にしたり、蒲鉾(かまぼこ)にする。 |
| 釣り | 北海道では防波堤(波止)から、船からもっとも手頃な釣りとして人気がある。 |
| 参考文献 | 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)、『聞き書 北海道の食事』(農文協) |