焼きつぶ(ヒメエゾボラ) おいしいサイトマップへ/図鑑読本目次へ/市場魚貝類図鑑へ! |
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達本外喜治(たつもとときじ)と言う人の『ほっかいどう 味の風土記』、『北の魚歳時記』(ともに北海道新聞社)という本は北海道の食を考えるときに必ず取りだしてみるものだ。この冬と春の項に「つぶ」という一文がある。この「つぶ」がヒメエゾボラであり北海道でよく食べられる「焼きつぶ」である。達本外喜治は「ツブは、イカ焼きやトウモロコシにまさる、縁日の味である。」と書いている。 この北の風物詩とでも言えそうな「焼きつぶ」の作り方が意外に面倒なのだ。サザエのように砂を抜いて網にのせて焼けばいいだろうと思われるかもしれないが、そうはいかない。ヒメエゾボラの唾液腺にはテトラミンという毒があり、食べると吐き気や船酔いに似た症状がでる。しかも生のまま網にのせると焼き上がりに時間がかかる上に香ばしさよりも煮つけたような味わいになる。これを考えた末に、一度ボイルしてから身を取りだし、テトラミンのある唾液腺を取り除いてもとに戻してから焼くというのが我が家流。 味つけはしょうゆと酒を合わせたもの。ヒメエゾボラはとてもうまい貝、甘味の出るみりんなどは不要である。 |
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