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2004年11月11〜12日 浜名湖三河の旅07 愛知県碧南市 矢作川 2004年11月11日から翌12日まで、 浜名湖三河を旅しました。 ■浜名湖三河の旅目次へ ■静岡の目次へ ■魚貝類を探す旅目次へ ■市場魚貝類図鑑へ! |
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04/11.12 浜名湖三河の旅 07 矢作川 一色町から矢作川を渡ると碧南市である。その矢作川大橋を渡っているときに上流に数隻の船が見える。間違いなく漁をしている。河口域での漁とするとシジミをとっているのに違いないと、橋を渡ってすぐを右折する。あたりはビニールハウスと一面のニンジン畑が広がっている。これを抜けて堤防にあがる。上がってすぐ上流に向かった場所に何台かクルマがとまっていて、明らかに河原に下りる人のもの。そこにクルマを止めバケツと手網を持って堤防を下りる。 昨日から降り続く雨はつかの間のやんでいる。矢作川は流れの幅こそ大きくないがさすがにここは河口に近い場所、河原を含めると広大である。堤防を下りた場所から川に向かって細い道が出来ている。濡れそぼった草をかき分けて川原に出る。本流の手前に小さな流れがある。これが思ったよりも深い。ずぶずぶと足を取られながらやっと浅瀬を見つけて渡ることが出来た。渡ってすぐの水辺の草の上で小さな巻き貝を見つけた。茎や杭の上、また干上がった泥の上に無数に散らばっているのはカワザンショウガイだろう。撮影しているとクロベンケイガニらしきものが逃げていく。 本流には深いところに船を留めてジョレンを腰で曳いている漁師さん、また浅い場所で曳いているのは明らかに楽しみでとっている一般の人だろう。雨具のズボンを濡らしながらシジミ取りをしている方に獲物を見せてもらう。手のひらに広げてもらったシジミにはレモンのように鮮やかな黄のもの、黒っぽいものが混ざっている。このシジミを見せてくれた奈須さんに聞くと、色の淡いの黄色いものを「べっこうしじみ」といい、漁師さんは黒いシジミを喜ぶのだという。 川原にはオオノガイ、ハマグリ、アサリ、オキシジミ、サルボウ、マテガイ、カキやウミニナ、イボキサゴなどの貝殻が無数に散乱している。特にビックリするのはハマグリの貝殻の量である。なぜこれほどハマグリの貝殻が多いのだろう? 今もとれるのだろうか? 奈須さんによると矢作川大橋から下流ではアサリがとれるのだという。 矢作川大橋のすぐ上流にシジミ取りの船が集まっている。生き物を探しながら河原を橋の方に下っていく。水たまりの中の流木を起こすとそこにはイシマキガイ、泥のたまったところに隠れているのはモクズガニだ。小さな分流と本流が合流する洲浜に無数のカモメの仲間が見える。流れの中にはウが見え隠れする。 大橋の方から車の騒音が低く聞こえてくる他には、河原には深く沈んだ静寂がある。その静寂のなかで漁師さんが力強く川底のシジミを掻いていて、これが明日にはどこかの食卓に上るわけだ。 シジミ取りの船を撮影して、こんどは分流に沿って下りた地点まで戻る。州浜の水たまりの木の葉をすくっても数個のシジミが入ってくるし、水ぎわを少しかくだけでも鮮やかな黄、黒いシジミが浮き上がってくる。 小さなハゼを見つけるが種類はわからない。意外なことに魚はハゼしか目につかない。 分流を再び渡るときに水中に何かの巣穴を見つけて、巣穴の脇から手網の柄を差し込むとヤマトオサガニが飛び出してきた。ヤマトオサガニはこの流れに無数の巣穴を作っている。渡ってすぐ水が引いて干潟が露出したところに目をこらすと小さなカニが無数に見つかる。かわいそうであったが1匹捕まえて見るとチゴガニである。干潟はチゴガニの巣穴だらけである。 このチゴガニのお家の周辺を超えるのがいちばん難所である。長靴がずぶずぶと30センチも沈んでいく。沈んだ片足を、えんやらやっと抜くとこんどはもう一方の足が沈む。この干潟の水辺で鍬をふるっている老人がいる。何をしてるのか聞こうとする前に、 「ゴカイはもう掘った後だな。掘ってあるな」 と独り言が聞こえる。掘り返した泥の中にゴカイが数匹うごめいていている。ハゼ釣りの餌にするのだというが大変な重労働である。 やっと泥を抜け出して、長靴を洗う。ちょっと疲れを癒すために座り込んだヨシの上に無数のカワザンショガイが見える。カワザンショウガイが多いなと感心していると、ぽつんと一つだけ、ヒロクチカノコも見つけることができた。ガサゴソと動いているのはクロベンケイガニである。クロベンケイガニはじっと動きを止めてこちらを見ている。 ほんの1時間あまりであるが雨にたたられた今回の旅ではもっとも楽しい一時であった。やっとクルマまで戻るとそこに3,0の木の標識がある。これは明らかに河口からの距離であろう。 |
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