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魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
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船橋の鶴長での焼きの工程。蒲焼きの工程。
1/両面を香ばしく焼く
2/蒸す(だいたい10〜15分)
3/もう一度焼く(これが白焼き)
4/タレをなんどかつけて焼き、出来上がり
築地場内の淡水魚専門仲卸の店頭。蒲焼きように串打ちしたもの。倶利伽藍串(くりから)、肝が売られている
下りウナギ(ぼっか)のうな重。この身の厚みを見て頂きたい。芳醇でいて皮目にはウナギの香り、香ばしさが残っている。秋から冬の利根川の味覚である
 利根川下流で秋から冬にかけて行われるのがウナギかま漁。利根川本流で上り下りしながら「かま」でぼっか(棒杭ほど太く育ったウナギを)をとる。
 とれる下りウナギの特徴は頭が小さくてとんがっていること。腹が銀色であり、斜めに走る「りんず」(織物の綸子に似ているので“りんず”と呼ぶ)文様(画像上)が浮き上がる。この産卵で海に下ろうとするウナギは餌をとらない。ここから産卵場所までは絶食状態のままなのだ。だから夏の間に身体にはたっぷりの脂をため込んでいる。この利根川の下りウナギは値もいいが、味わいはその値段を払ってもおつりのくる代物。心底うまいものが食べたかったら利根川天然下りウナギを
魚貝の物知り度/★★★★★
■養殖ものが年間をとおして入荷してくる。その量は膨大である。またこの養殖ものに締める輸入ウナギもかなりの量になると思われる。輸入ものは中国、台湾。
生息域◆日本各地。
大きさ◆1メートルを超える
漢字◆「鰻」、「棟木」、「胸黄」。
呼び名・方言◆およそ1000年ほど前(平安時代)までは「むなき」「うなぎ」がともに呼び名であった。それが江戸時代になって「うなぎ」ともっぱら呼ばれるように統一された。
成長段階で呼び名が変わる。養殖の世界ではレプトケファルス(レプトセファルス)を「しらす」。ウナギの形に変態したばかりを「くろめ」。料理では30センチ弱くらいの小振りのものを「めそ」という。
◆文献に見るウナギ◆
●「“うなぎ”の呼び名は家屋の棟木(むなぎ)に似ているから」というのが出ている。『肴にならない魚の話』末廣恭雄 三笠新書/宮川鰻魚(宮川鰻店店主)
●「出雲屋」のまむし/この記述はウナギを割いて現在のような蒲焼きの形にしたのは出雲、すなわち島根県宍道湖周辺でウナギが大量にとれてこれを大阪に移出して広めたのがはじめとの説がある。それで織田作之助の時代、すなわち昭和初期から戦後にかけては大阪でウナギ飯(まむし)とくると「出雲屋」とされ、またこの出雲屋大阪中に何軒もあったわけだ。『夫婦善哉』織田作之助 ちくま日本文学全集/道頓堀相生橋東詰
●明治時代の貴重な資料である。江戸前ウナギについて「初夏から秋口にかけては大川(隅田川・ぼうずコンニャク注)の流れが東京湾に注ぐ品川あたりの産をよしとした。また時期によっては中川尻とか、江戸川口がうまいとされていた。」とある。それと面白いのは銚子、利根川のウナギが秋から春にかけてうまいと記されていること。『明治商売往来』仲田定之助 ちくま学芸文庫
●鶴屋南北の四谷怪談にウナギを長い銛のようなヤスで掻いてウナギをとるというのが出てくる/四谷怪談は文政8年(1825)。『芝居の食卓』渡辺保 朝日文庫
●「江戸中期の文化年間(1804〜17年)に、芝居の小屋が立て込んできたときに日本橋境町(ぼうずコンニャク注/天保の改革で芝居小屋が浅草に移る前、日本橋は芝居小屋の建ち並ぶところであった)に、ウナギが大好きな大久保今助という金主(芝居興行の準備のための金貸)が住んでいた。当時ウナギの蒲焼きとご飯が別々に器に盛られていたのを、これでは蒲焼きが冷えてしまう。なんとか冷えないように工夫できないかと葺屋町のウナギ屋『大野屋』に丼の上に蒲焼きをのせてみてくれと頼む。これがうな丼誕生紀とする。『たべもの起源事典』岡田哲 東京堂出版
食べ方◆ 白焼き/蒲焼/すき焼き風鍋


 マリアナ諸島沖,スルガ海山近深海で産卵孵化したウナギのレプトケファルス(柳状の稚魚)が黒潮にのって北上、晩秋から冬にかけて日本列島に流れ着く、これが河川や、干潟などで何年か暮らして、また川を下り、はるか南方を目差す。
 この「しらすうなぎ(シラスウナギ)」をとり、人口的に養殖したものが現在市場に出回っているウナギのほとんど総てだ。この養殖が確立するまではウナギというのは非常に高価なものであった。
 ウナギの旬は養殖ウナギと天然ものでは違いが出る。養殖ものは冬に養殖池に入れたもので成長の早い「飛び(とび)」をよしとする。早いものでは半年ほどで出荷できるまでに育つ。この「飛び」の出荷される初夏が養殖ものの旬。まや天然ものは餌を活発に追う夏と下りうなぎ(産卵に川を下る大きなウナギ)のとれる秋から冬。ともに脂ののりを尊ぶ。

■ウナギはやはり蒲焼きがいちばんうまい。このウナギの開き方は東京では背中から、大阪では腹から包丁を入れる。東京では途中に蒸す行程があり、大阪では地焼きといって蒸さない。この大阪風がいまやどんどん少なくなっているという。ウナギを味わうなら大阪風に軍配が上がると思うのだが? 長年東京に住まいしていると蒸しのはいったものも好みに思える。また「白焼き」というのは東京では両面を焼いたウナギを蒸す、蒸して、なんどか返しながら焼き、最後にタレにくぐらせて焼き上げる。この蒸してからタレにくぐらせる手前のものを「白焼き」というのだ。
 他には築地などではウナギを身を縦に4つ割にしてくねらせて串に刺す。これを「倶利伽藍串(くりからぐし)」と言う。これなど単に塩焼きにしても美味だ。
 他には滋賀県の郷土料理にウナギのすき焼きがある。当地ではウナギでもナマズでもすき焼き、または醤油味で煮るのだが、これをじゅんじゅん」と呼ぶ。
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