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市場での評価・取り扱われ方◆秋から冬に入荷が多いが、年中市場にある。アメリカなどからの輸入が多く、国産はやや高価 生息域◆北太平洋、朝鮮半島から北米サンタ・モニカ湾、太平洋側では茨城県以北。 生態◆産卵期は12月から翌年3月。 漁獲方法◆釣り/底引き網/刺し網 大きさ◆1メートル前後になる。 漢字◆「真鱈」。 由来◆単に「たら」と呼ぶので言語は〈たら〉であろうとする説もあるが、〈まだら〉を語源と見るべき。身体に「斑(まだら)」があるため。 スケトウダラに対して「真鱈」と呼ぶ。 参考/『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版 呼び名・方言◆調べているところ。 市場では小型のものを「ぽんだら」と呼ぶ。 白子のことを宮城県石巻市では「キク」と呼ぶ。(宮城県石巻市魚町『天祐丸冷凍冷蔵株式会社』尾形清雄さん) 北海道では「たち」「たち」。 秋田では「たち」、ほかには「たつ」などとも呼ばれる。 寒くなると入荷が増えるが、その入荷形態は様々。鮮魚ではオス(高い)、メス(安い)と分けて入荷する。また大きなものが高価であるが、「ぽんだら」と呼ばれる小振りのものも鍋材料として人気がある。 1988年のこと厳寒の新潟を日本海沿いを村上市に向かって北上していた、ふと道路沿いの魚屋を見ると巨大な尾ヒレが見える。車を止めて入るとそれは巨大なマダラであった。御主人に聞くと1.5メートル、そんなに珍しくはない大きさだと話してくれたが旅人の度胆を抜くには充分であった。佐渡周辺でとれたもの。また「大きいのがうまい」ともいう。 和洋を問わずに食用魚としては重要種である。フランスやスペインなどでは同属のタイセイヨウマダラを干した乾物を「バカラ」とよび様々な料理に使う。 ◆食べてみる◆ マダラ料理でいちばんうまいのは青森の「じゃっぱ汁」とか山形の「どんがら汁」とか言われる野性味豊かな料理である。「じゃっぱ」も「どんがら」もようはマダラの粗のこと。まあ家庭で食べるなら身も心臓や肝や胃や腸なども全部一緒くたにして醤油(しょうゆ)もしくは味噌(みそ)仕立ての汁にする。これに白菜だのニンジンだの大根だのぶちこむと、その味わい至福のものとなる。 とうぜん鍋物「鱈ちり」もおすすめだ。雄(おす)と雌(めす)があるなら断然雄を選ぶ方がうまい。 また小降りのマダラを「ぽんだら」と呼ぶがこれも鍋にして美味。 鮮度がよいもの、とれたてなら刺身に限るという人がいる。身自体が刺身としてがうまいかどうかは疑問に思う。単に刺身よりも昆布締めの方が好ましく思える。 鮮度がいい雄(おす)が手にはいると、何はともあれ白子の有無を確かめるべきだ。白子は非常に美味。非常にクリーミーでありながら、旨味が強い。生(刺身)でも鍋物などにも白子があるのとないのとでは大違いとなる。 白子には国産のものと、アメリカなどからの輸入ものがある。国産ならそのままぽん酢などで、輸入ものは鍋材料として利用したい。ともに高価だがその値段ほどの価値はある。 ちなみにマダラは水分が多くて鮮度が落ちやすい。購入するときは、例え値段が高くても鮮度のよいものを選ぶこと。 また関東でもお馴染みの加工品に「ぶわたら(ぶわだら)」がある。これには塩蔵品の「塩ぶわ」と無塩の「生ぶわ」がある。「塩ぶわ」は東京下町などでは湯豆腐に使う。軽く湯通ししたものを豆腐と合わせるのだけど乙な味となる。 「生ぶわ」は鍋汁物よりもむしろムニエルやフライにしてうまい。 白子よりもぐんと庶民的なのが卵巣(らんそう 真子)である。これを甘辛く煮つけたものはごはんにおかずにしてよし、酒の肴にしてもいい。また漁師さんなどのつくる醤油漬けも絶品だ。 同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会) 参考/『広辞苑』、『広辞林』、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞) ●天佑丸冷凍冷蔵株式会社尾形清雄さんにはいろいろお教え願いました。感謝いたします。 ●寿司に関しては寿司図鑑へ! ●白子の軍艦に関しては寿司図鑑へ! ●本サイトの無断転載、使用を禁止する |
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→市場ではよく腹を割かれて白子を見せて売られている。高価な白子入りであることを見せる。身はせいぜい、キロ/800~1600円ほどであるが白子はときに10000円以上もする |
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