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全身鮫肌というか凸凹している。肩の部分に金色の輪がある。
頭足綱八腕目マダコ科
イイダコ
Octopus ocellatus Gray,1849
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魚貝の物知り度/★★★★ これは常識
食べ方◆煮つけ(さくら煮)/ゆでだこ
◎非常に美味
大きさ◆全長30センチ前後。
生息域◆北海道南部以南、日本各地。朝鮮半島南部、中国沿岸。
生態◆
産卵は春。
卵は8ミリほどにもなり、米粒形。
貝殻などに卵を産みつけ、雄(おす)が保護する。
浅い砂地に生息。
市場での評価・取り扱われ方◆■季節によって入荷の増減がある。値段はキロ当たり1000円から2000円。あまり安くも高くもならない。
イイダコの基本◆
俳句では春の季語。
弥生時代、古墳時代にはイイダコ専用の小型の蛸壺が作られていた。
漁獲方法◆貝殻(アカニシやアワビ)・小型の蛸壺漁/底曳網/釣り
漢字◆
「飯蛸」、「望潮魚(和漢三才図絵より)」。
由来◆■卵を持つ春が旬で、煮ると卵が飯粒のようになる。
「たこ(蛸・章魚)」について
漢名「海蛸子」。これは海にいるアシダカグモという意味合い。これを略して「蛸」一文字とした。
【た】は「手」、【こ】は「許多(ここら)」の意。手が多いことから。
【た】は「手」、【こ】は「ナマコ(海鼠)」の意。手を持った動物のこと。
「テコブ(手瘤)」の意。
タコの手は物に凝りつくから「手凝」になった。
足が多いから「多股」の意。
鱗(うろこ)のない魚であることから「ハタコ(膚魚)」の意。
女房詞(朝廷などに使える女性の隠語)で「天蓋(てんがい)」。タコの足が垂れ下がるのを天蓋に見立てた。
正月などに揚げる「凧(たこ)」は長い尻尾をつけたさまがタコに似ているため。
英語でoctopus。
呼び名・方言◆
「コモチダコ」、「イシダコ」、「カイダコ」
釣り◆■白い陶器のラッキョ型のものをつけたテンヤ、もしくはラッキョ自体をつけたテンヤ、豚の脂身などをつけたテンヤで船釣り、投げ釣りで釣る。
◆食べてみる◆
 産卵期は春なので秋から冬にかけて「飯(いい)」を持つ。このメスはなかなか高価で醤油味で煮たものは「いい」にコクがありとてもうまい。
 また夏は肉の味は最高の時期で、さっと茹でてわさびじょうゆで食べたい。
 おでんには下ゆでしたイイダコをいれる。ことこと出汁の中で長時間ゆすぶられて柔らかく煮上がったときが食べ頃。
 関東ではイイダコと里芋もしくはジャガイモの煮ものを祭などに作るのだが、これもうまい。
東京での評価は「東京のさかな」へ
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同定/『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
参考/『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編 東京堂出版)、『新版俳句歳時記』(角川書店)、『日本語源大辞典』(小学館)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)
■私見
がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
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イイダコは頭(胴)をひっくり返して墨袋(すみぶくろ)、ワタを抜く。これをもとにもどして、甘辛く煮つける




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