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アンコウ目アンコウ科アンコウ属 キアンコウ/アンコウ
Lophius litulon
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魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
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物知り度/★★★★
■一般的に「鮟鱇」として売られているのは本種。晩秋から、厳冬までの入荷が多いし、値段も高い。これが春には劇的に値を下げる。また国産、輸入とあり、輸入の方が多くて安い。
鍋/ともあえ(肝と身を和えたもの)/唐揚げ/ムニエル
 北海道以南東シナ海にまで棲息する。
 一般に鮟鱇(あんこう)とされるものはアンコウではなくキアンコウのこと。キアンコウは胸びれから後半、尾の部分が長く、色合いがやや黒っぽくて、口を開けても白い斑点がない。
 またキアンコウで食用になるのは主にメス。典型的なノミの夫婦である。
 市場への入荷は秋口からが増えるがピークは年を越してからになる。「年末にこれだけアンコウがあったらな~」とは、魚屋でも居酒屋さんからも溜め息混じりに漏れ聞くぼやきである。また春になるとキアンコウは劇的に値を下げる。水揚げ港では値をつけかねるということも起こるわけで、いかにキアンコウが鍋材料としてのみ認知されているかを如実に物語る。
 さて肌寒くなると途端に入荷が増えるキアンコウ、昭の声を聞くと途端に青森県、山形県、石川県金沢など、日本海側から大きなものがすかさず入荷してきた。これら日本海側ではもともとアンコウを食べる習慣がなく、値段も安くて商売にならぬ魚であった。これが需要の高い関東、築地などに流れ込んでくる。また面白いのは近年日本海側でも鮟鱇鍋を冬の味覚として受け入れている模様である。
 本来、関東では福島や茨城など底引網が活躍する港からアンコウが入荷し、それが神田で今に残る『伊勢源』などの「名物鮟鱇鍋」となったのであるが、この本場のアンコウ、最近は漁獲量が少なく品薄である。築地など市場ではまことしやかに呟かれる「荷受け(各地から)のアンコウ、常磐にも行っているみたい」とは本当だろうか?
 また冬と言えば鍋が恋しい我が国ではアンコウは何時も需要過多である。これを補っているのが輸入もの。スーパーなどで売るアンコウは値段のはる国産ものでまったく売れない。これを満たすのが中国からの輸入アンコウである。国産の物よりも安くて手頃、またこの輸入ものでも家庭で食べるに充分過ぎるほどにうまい。
 また鍋談義になるが東京の『伊勢源』はしょうゆ味のだしで上品にたく鍋であるが、これが本当にアンコウの味わいを100パーセント引き出しているとは思えない。確かに上品で食べやすくはあるが味に深みがなく、やや物足りない。それよりは茨城などでの『どぶ汁』や韓国料理のもののように、水を少な目に使いアンコウから出る水分だけで煮る方が濃厚かつ満足が出来そうである。
メモ/「あんごう」とも呼ばれる。
■アンコウといったら鍋物である。東京では鰹と昆布でとったつゆにみりん、しょうゆで味をつけて、あっさりと炊く。これが茨城県では、肝を鍋で空煎りし、これにほんの少しだけ水を足してアンコウの身を入れ、最後にみそで味つけする。これを「どぶ汁」と呼ぶが濃厚なエキスが汁に出て、食べるごとに汗が浮いてくる。
 またアンコウといったらキモが肝心。秋も深くなって肌寒いと感じると市場にキモが並ぶ。これを魚屋飲食店、やりかた様々に蒸す。これは酒をゆっくりと味わうに最高の肴である。
 最近、面白いのが活けのアンコウである。これを薄造りの刺身にしアサツキを巻いて食べる。身は見事に透明でプリプリとした食感が楽しめる。青ねぎを巻いて食べたい。
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キアンコウとアンコウの見分け方
キアンコウの口腔内には斑紋らしい斑紋がない
アンコウには口腔内がやや灰褐色で白い斑紋がある
市場では必ず腹が上になるように並べられる。
「えら」。えらの端を切り、血抜きして料理する
「柳(ほおの肉)」。大身と合わせて単に身とされる
「大身(尾の部分)」。これを唐揚げにするのもうまい
「ひれ」 「皮」 「肝」。単独で蒸し上げて食べるのもいい
鮟鱇の七つ道具
「肝」「ぬの(卵巣)」「ひれ」「えら」「水ぶくろ(胃)」「皮」。これに身を「柳(頬の身)」と「大身(尾の部分)」とに分ける場合もある。
「水袋(胃)」。軽く湯通しして酢みそ和えにしてもうまい
「ぬの(卵巣)」



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