二枚貝綱翼形亜綱カキ目イタボガキ科カキ亜目イタボガキ科Ostrea属

イタボガキ(itabogaki)

魚貝の物知り度

★★★★★ 知っていたら学者級

学名 Ostrea denselamellosa Lischke,1869
外国名 英名/Densely lamellated oyster
同科同属 他のカキの仲間へはここから!
漢字・由来 漢字/板甫牡蠣
由来・語源/千葉県内房での呼び名。「いたぼ」は単に「板」なのではないだろうか? すなわち一見、汚れた板きれに見える。またもしくは板葺きの屋根のように板が重なっている。
代表的な呼び名
地方名・市場名

兵庫県明石市ボタンガキ(牡丹牡蠣)。
広島県倉橋島でサルガキ。
山口県宇部市でトコナミガキ(床波牡蠣)。
イタブ、イタボ、カキ、ガキ、カキボウ、コボレガキ、コロビガキ、サクラガキ、サルガキ、ジガキ、ダイナンガキ、ナガレカキ、ナガレガキ、ナダガキ、バーノシリ、ハナタレガキ、ハナレガキ、ババガキ、ボタンガイ、マガキ。

形態 15センチを超える大型種。丸みを帯びている。成長肋は薄い板を重ねたよう。放射肋はくっきりとして目立つ。外見はイワガキと酷似して見分けるのは難しいが貝殻の硬さがイワガキよりも柔らかく、貝殻に海水を含んだような染みがある。
生息域 海水生。房総半島以南、九州まで棲息。東京湾では絶滅している模様。
生態 5〜8月に産卵。
受精は母貝のなかで行なわれ、稚貝にまで育ててから放散する。
砂礫底にイタボガキにイタボガキがついて大きな塊状になって生息する。
基本情報 愛知県、愛媛県、熊本県などで絶滅危惧種に指定されている。
もともとは桁網(底曳き網)などの副産物で食用になっていた。
海辺の潮間帯にも見られるマガキと違って、水深3メートルから7メートル前後の海底にいる。
フランスのブロン(ヨーロッパヒラガキ)と味わいが非常に似通っている。
水産基本情報 水産物としての重要度/★★ 地域的なもの
市場での評価/ほとんど流通しない。
漁法/底曳き網
産地/
ノート
選び方 触って貝殻の閉じるもの。貝柱などが伸びている、水分が出ているものは古い。
味わい・栄養 旬は冬から春。
貝殻は厚く、もろいが、やや開けるのは難しい。
自然状態ではいくつもの固体がくっついている。
身は薄く、貝柱が大きい。
苦み、渋みが感じられるが、非常に強い旨みがある。
貝柱はほどよく柔らかく、甘みがある。
切り身、下ろした状態の図鑑
調理法 生食、煮つけ(すき焼き)、汁(みそ汁)、フライ
食べ方

生食◆かなり濃厚な味わい。カキの持つ、渋みや苦みがほどよく、大きな貝柱が甘い。食感のある貝柱がいいアクセントになる。
煮つけ◆甘辛い味わいで煮つけに、すき焼きにしてもよい。意外やあっさりしてたくさん食べられる。
汁◆みそ汁などにしてもよい。



フライ◆貝柱がまるでホタテのような味わいになり、そこにちゃんとカキらしい個性がある。
すしネタとしては寿司図鑑へ!
好んで食べる地域
加工品・名産品
釣り
参考文献 ケイ・ナワさん、山口県水産課
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)