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2004年8月9日 島根の旅 06 浜島根県多伎町小田漁港 2004年8月5日から11日まで、島根県安来を中心とした旅に出かけました。その土地土地で様々な生き物や魚貝類に出合いました。 ■島根の目次へ! ■市場魚貝類図鑑 |
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多岐町の東西の真ん中にあるのが小田漁港。国道9号線を海に落ちていくような道を降ると、防波堤一本の小さな港がある。その港が見えたそこに漁協があり、一階が競り場となっている。その漁協に車を止めて港の西側にあるのが上の写真にある建物である。これをなんと呼ぶのか? 役場に聞いたがわからないという。こちらが本来の小田の港であり、船を揚げるだけの斜面と切り切り妻の簡素な建物が海に向かって並んでいる。この景色、素晴らしいな! これだけを見ることが出来ただけでも収穫大ではないだろうか? と多伎町漁協におじゃまする。 浜田から多伎町 それは7月のこと荷受けの知人に「山陰に行くのですが、あちらの漁業に詳しい荷主さんを紹介してください」とお願いした。それが「マルショウ鮮魚」である。ケータイの番号を教えていただいて連絡を入れるとマルショウさんから教えられた港は耳慣れない「多岐漁港」というものだった。しかも来るなら競りは10時半ですとのこと。ケータイの向こうの声はなんだか優しい響きがある。 浜田には9時前までいた。そこからこんどは9号線を東に走り、多伎に向かう。途中、「和田珍味」というお土産屋さんに立ち寄る。和田珍味というのは東京のデパートなどでもよく見かける。中に入って値段の高さに驚くものの、確かに地の魚を使っているのに感心する。ここで「あかはぜ」と言う名でヒメジの干物が売られていた。 10時前には多伎町に入り、港を見つけて車を乗り入れる。大きな港だなと感心して港をぐるぐる回るが人影がまったくない。不安になってマルショウさんにケータイをかける。すると「もっと東に来て『多岐漁協』の文字を見つけたら海に入る道ですから降りてきてください」という。東に走ること数分、すぐに左に入る道が見つかる。港に下りる前面に広がるのは、まさに絶景。見晴るかす限り海だ。 港に下りると漁港でマルショウ、石飛さんが待ち受けてくれていた。熱い日差しの中を2階に上がると清潔な事務所があり、そこで漁港の専務、藤井さんとともに水揚げされる魚のこと、多伎町、大社湾で消えてしまったハマグリのことなどお聞きする。 大社湾のいちばん西にある多伎の前は素晴らしい漁場であり、また沖合にある磯ではサザエやウニがとれる。今でも充分に豊かなのであるが、近年、消滅してしまったハマグリ資源の復活のことが、ここ多伎の懸案であるようだ。またこの漁協の自慢の品が「多伎の粒ウニ」。目の前でとったバフンウニ、アカウニなどをすぐに割り、身を取り出して塩漬けにするもの。 10時半になって競り場に下りる。この競り時間は大阪などへの運送時間から決められたものである。 下りていくと藤井さんから、「今年は近年にない不漁」であると聞かされる。また当日はその不漁の年にあっても最低の日であるという。確かに競り場に並ぶ発砲の箱は少なく、買い手も少ない。 並べられているのはウスバハギ(沖はぎ)、カワハギ(角はぎ)、ウマズラハギ(うまはげ)、ブリ(はまち)、カンパチの子供(あかはな)、バショウカジキ、ヒラソウダ、カマスザワラ(ねこさわら)、ホソトビウオ(小目・こめ)、ツクシトビウオ(大目・おおめ)、クロシタビラメ、サザエ。 これに「かなぎ漁」という船の上から竿を使ってアワビやサザエをとる漁があり、クロアワビも加わる。 ここでバショウカジキの内臓のことを聞いた。バショウカジキは身より内臓の方がいい。内臓をゆでて苦い部分や汚れをのぞいて食べるのだという。 漁港の藤井さんによると、今、ウニ漁が出ていて昼前には帰ってくるという。それを剥いて、午後には塩ウニ作りを始めるのだ。せっかくここまで来たのだから、塩ウニ(多伎では粒ウニ)作りを全部見ていくことにする。 残念ながら水揚げは少なかったものの、普段の活気は競り場での雰囲気からわかる気がする。もう一度、豊漁の日に来たいなと思っている。特に漁が多彩になる秋から冬はどうであろうか? いつか時期をかえて来てみたいと遠く港の先を見つめると小舟が岩場で漁をしているのが見える。 |
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