2004年8月9日
島根の旅 10
浜島根県多伎町小田漁港
多岐の子供たち

2004年8月5日から11日まで、
島根県安来を中心とした旅に
出かけました。
その土地土地で様々な生き物や
魚貝類に出合いました。
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 市場魚貝類図鑑
 多伎は島根県の東西ちょうど真ん中にある人口4000人ほどの小さな町。名物はイチジクと水産物だという。僕はこの町の多伎漁港に5時間ほどいたことになる。市街地はあるのだろうか? 町を巡ったわけでも観光客らしく道の駅にも行かなかった。それでもこの町のことが大好きになったのは、この町の子供と人と、すなわち出会いによる。
 多伎港の夏(7月中旬から8月上旬)はウニ漁につきる。男たち、ウニ漁師さんはすぐ沖の岩礁で潜ってウニをとる。そのほとんどがバフンウニという小振りであるが味わいの濃厚なウニ。これをとって港に帰ると家族がそろって待ち受けている。祖母、母、子供、孫と一家総出でウニを待ち受け、それを一家総出でむくわけだ。
 子供たちは小学校高学年ともなると大人顔負けにウニを剥く。そして幼い子供たちは漁港の周りで泳いだり、貝を捕ったりして遊んでいる。ウニを剥く漁港の前には穏やかな夏の日本海がある。
 ウニをむくのを手伝っている子供も飽いてくるとすぐに海に飛び込む。
 お腹がすくとお握りや焼きそばを食べる。おやつも、ジュースも思い思いに食べて、飲んで。食事をしないでジュースばっかり飲んでしかられている子供がいる。真っ裸になって走り回る子がいる。これは、なぜか見ているだけで楽しくなる。
 子供が泳いでいるのを見ていると、定置網の大きな船の舳先で海面をのぞき込んでいる子がいる。「飛べるか?」、これはどうもおばあちゃんの声。その子は何度か行き戻りして足から飛び込んだ。すると後に続く子がいて、その上、二十歳を超えていそうな娘まで飛び込んだ。
 こんな時間が僕にもあったな、と子供の頃に思いを馳せます。それは遠い遠い記憶ですが、今、ここにもそれが間違いなくある。



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