2005年9月23日
糸魚川への旅01
ヒスイ海岸
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海岸は狭く細長い。晴れると沖合に島が見える。間違いなく佐渡だ
これが1個2000円ほどの本物。福生マグナミュージアムで
 0時半に目が覚める。ほとんど睡眠時間はとれないままに荷物の点検。八王子インターには1時15分に入る。
 3連休の初日ではあるが、この時間は空いている。長野自動車道豊科を降りたのが2時過ぎ。闇のなかの国道147号線に浮かぶのは様々な観光地の標識。そして穂高町、大町市、白馬村と過ぎて小谷村。そこからが下り坂の隘路となり、そしてトンネルが続く。下り坂を、下りきって糸魚川市である。
 海沿いの国道を右折、ほんの数分で到着したのが『ヒスイ海岸』。ちょうど5時間走って6時過ぎになっている。日本海に面して狭く細長く南北に続く海岸。海辺には何カ所もテトラポッドが並ぶ。
 海岸に人影が見える。ちょうど50メートルほど間を置いて投げづり、ルアーを振る人もいる。でも「ヒスイひろい」をしているのは一人だけである。その人影の方に下りて海辺の石をひろい上げると、どれも光沢があり、しかも模様がきれいだ。
「ヒスイだから緑だろうな」
「いや、赤や黒もあるって書いてある」
 インターネットで調べたページを見ながら、また海岸線の小石を見ていく。こんなことをしてほんの数分でバケツは満杯になるが、どれもとてもヒスイだとは思えない。金網のみそこしをグラス製の棒にとりつけ、これをもって波打ち際を歩く人。どう見てもベテランだなと思う、その男性に、
「ヒスイはとれました」
 無粋にも聞いてみる。
「とれてないんです。ひょっとしてそうかもと思うものだけで」
 見せてくれたのはまるでガラスのように透明感のある小さな石。今までひろった石とはまったく違って見える。
「ヒスイは透明な石だぞ」
 と家族は仕切なおしして海岸の一番北まで歩き。一度クルマまでもどる。ここで、家族を残して別行動なのだ。午後になり別行動から家族と合流。ヒスイの鑑定をしてもらう。
 クルマに帰り、『フォッサマグナミュージアム』を目差そうかと話していると、太郎がヒスイ海岸で最後にみた大きな石が絶対にヒスイだろ騒ぎ出す。仕方なくもう一度ヒスイ海岸へ。『ヒスイ大国』でのヒスイ鑑定は担当者が忙しくて、あまり懇切な鑑定は受けられなかったようだ。それで拾った石を全部見てもらうために行くのが「フォッサマグナミュージアム」なのだ。ヒスイ海岸で石をひろいミュージアムを目差す。しかし太郎がひろいそびれた石はデカイ。
 国道148号を遡ること少し、左手に見えてきた小山の中腹に『フォッサマグナミュージアム』はあった。入場もしないであつかましくバケツ一杯の石を差し出すと、いやがらずに見てもらえた。そしてその総てがヒスイではなかったのだ。かろうじて珍しいのは薬石、メノウ、ネフライトというもの。学芸員の方達はまことに懇切にヒスイの見分け方を教えてくれた。感謝したい。博物館ではお土産というかまた来るときのためにヒスイの写真集2000円を購入する。
 帰途、重いバケツを持ち、クルマで姫川の河原に下りる。そしてほとんどを姫川にお帰り願って糸魚川を後にした。



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