![]() |
|||||
アメリカザリガニ 掲載種番号24 東京都で食用とされているザリガニは市場で見る限りアメリカザリガニとウチダザリガニである。他にも輸入物があるが把握していない。 アメリカザリガニは東京都内の池や河川でもいたって普通にみられるものである。都心でも郊外でも決して珍しくものではない。でもこのアメリカザリガニを食用のエビだと認識している人は皆無に近い。本種はもともと日本には存在しない外来種。それを原産地のアメリカから食用として1930年に鎌倉に移入してきたのだ。それが逃げたり、また食用ガエルの餌としての人的な移植により、いまでは日本全国にちらばって繁殖し、田んぼの土手を壊すなどで困った存在となっている。そのために身近な生き物として子供たちにも親しまれているものの、本来の食用という目的が忘れられている。 これが「食用」として築地などに入荷してくるまでになったのは高度成長期以後のフランス料理の隆盛のためだと思われる。すなわち明治期になってフランス料理というものが入ってきて、国内にある材料でまねごとのような「フランス料理風」のものが作られていた。それが1960年代にはフランスで修業したり、またフランス人のシェフが来日するようになって本格的なフランス料理が日本でも作られるようになってきたのだ。その中でもエクルビス(ザリガニ科)を使う料理はけっして無視できるようなものではない。だから現在もフランス産のエクルビスが輸入されているし、また国内のザリガニも食用として見直されるようになったのだ。 フレンチの代表的な料理材料のひとつがエクルビス。そして日本でもっともフランス料理店が多いのが東京なのである。今や荒廃破壊の進む日本の淡水にあって、それでも健在なアメリカザリガニがクローズアップされるのも当然の成り行きなのである。 築地だけでなく関東の市場では注文すると産地からアメリカザリガニが送られてくる。たぶんコイやウナギと言った荷主の存在する地域。関東では千葉や茨城県だろう。その淡水域でなかば厄介者であるアメリカザリガニが市場にきてエクルビスとなったとたんにキロ当たり2000円、3000円と値がつく。 ■この項書き改めていく ■市場魚貝類図鑑・アメリカザリガニのページに ■東京のさかな目次へ |
|||||
↑築地場内にて ●基本データ 東京での呼び名/ザリガニ 不明/市場で見かけても産地がわからない 旬/不明 少ない/関東の市場に関する限りはほぼ注文による 高い/エビの中でも値段の高い方。キロ当たり2000円以上する 一般的ではない/主にフレンチで利用する。だから材料名もアメリカザリガニではなくフランス語のエクルビスである |
|||||