顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ニベ科シログチ属
★★★ 知っていたら通人級
学名 | Pennahia argentata (Houttuyn,1782 ) |
外国名 | 英名/White croaker, Silver jewfish |
同科同属 | ニベ科の他の魚へはここから |
漢字・由来 | 漢字/白愚痴 他には、石頭魚、石首魚、石持。 由来・語源/浮き袋を使ってググっと鳴く。これが愚痴を言っているようなので。また「白」はニベを「黒ぐち」、「黄ぐち」に対しての呼び名。 |
地方名・市場名 |
■関東ではイシモチ。 |
形態 | 40センチ前後になる。頭は丸みを帯び、やや細長く側扁(左右に平たい)する。 |
生息域 | 海水魚。東北以南、東シナ海。黄海、渤海、インド・太平洋域。 水深20メートル~140メートルの砂泥地。 |
生態 | ■産卵期は5月~8月。 ■内湾などの砂泥地のやや沖合に生息する。 ■砂泥地にいる環形動物や甲殻類などをエサとする。 ■浮き袋を使ってグーグーと鳴く。鳴く魚。 |
一般的評価 | 関東では塩焼きの魚として需要がある。 スーパーなどでも比較的よく並んでいる。 魚屋では定番魚。 近年、やや人気が落ちてきているように思われる。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★★ 重要 市場での評価/ 年間を通して安定して入荷がある。安い。 鮮魚以外にも練り製品としての流通があり、こちらも非常に重要。練り製品の原料としては常に安定して高値。 漁法/底曳き網 主な産地/長崎県、愛媛県、香川県など |
雑学 | ■すり身原料(練り製品の原料)として重要。高級とされる。 ■関東を中心に各地で頭部にある耳石が硬いので「石持」と呼ぶ。 ■「イシモチ」と呼ぶのは関東ではシログチとニベ。 ■「イシモチ」とつくのはニベ科シログチだけではなくテンジクダイ科などにある。 ■韓国などでは珍重して、干して調味料。食材として利用する。 |
選び方 | 触って硬いもの(持ってピンとしている)。鰓が赤いもの。 |
味わい・栄養 | 旬は春から夏。 白身で水分が多く、クセがない。 鱗は薄く、皮も薄い。 骨は硬い。 卵巣の味が非常にいい。 |
調理法 | 刺身、塩焼き、ごま油焼き |
食べ方 | 身に水分が多いためか鮮度が落ちやすい。 いちばんうまいのは塩焼き。 白身でくせのない上品な味わい。 関東では「塩焼き魚」、惣菜魚とされるゆえん。 干物にしてもうまい。 塩コショウして、ごま油でフライパンで焼いても非常にうまい。 コチュジャンなどを添えてもいい。 鮮度さえよければ刺身にして美味。 煮つけにして美味。 子持ちの卵巣もうまい。 ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | |
加工品・名産品 | |
釣り | ひところ東京湾の汚染が顕著になり(今はもっと深いところで深刻化しているようだ)、釣り魚が激減したときでもけっこう釣れて人気があったのが本種である。三浦半島でも有数の深い湾である金沢八景でも多くの遊漁船がでていた。東京ではこれを「イシモチ釣り」といった。胴突きの2本バリに片天秤、エサはゴカイかアオイソメ。これが良く釣れる。また釣り人しか知らない味わいに刺身があるのだ。 |
参考文献 | 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色日本魚類図鑑』(蒲原稔治 保育社)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)、『魚異名抄』(内田恵太郎 朝日文庫)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣) |