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硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系
スズキ目ワニギス亜目イカナゴ科イカナゴ属
イカナゴ
Ammodytes personatus Girard
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三陸では「めろうど」と言われる。20センチ前後でとても「こうなご」とは思えない。値段は本来安く資料や加工に回されていた。この干物、刺身がうまいのだ。
イカナゴは小さいほど値が張る。このように背が黒ずんでしまうとしらす干しなどにして味がおちる。また大阪などでは、この安くなったイカナゴを茹でてしょうが醤油で食べる
この透明感のある稚魚の時期がもっとも値段の高いとき。これをしらす干し、くぎ煮などにする
物知り度/★★★ 知っていたら通人級
市場での評価・取り扱われ方◆関東には鮮魚三陸からは「めろうど」などと呼ばれるもの。また三重県、愛知県などからは5~6センチのもの。またシラスというか小さなものも入荷するが量は多くはない。むしろシラス干しや釜上げ、干物などの加工品の入荷が主。
養殖魚の飼料としても重要。
生息域◆沖縄をのぞく日本各地、朝鮮半島。
生態◆調べているところ産卵期は12月~5月くらいまで。北ほど遅い。本州では冬に産卵する。孵化した稚魚は成長が早く、一年で13センチほどにもなる。そして3、4年で「めろうどサイズ」である20センチを超える。
 主にプランクトンを食べている。
 低水温に適応しており水温が高くなると砂にもぐり込み夏眠する。

大きさ◆20センチ前後になる
漢字◆「玉筋魚」(広辞苑)、「如何子」(『魚紳士録』木村重 緑書房他)
由来◆関東、愛知県では「こおなご(小女子)」、大阪では「かますご(梭子魚子)」。
呼び名・方言◆関東、愛知県では「こおなご(小女子)」、大阪では「かますご(梭子魚子)」。兵庫県では「いかなご」。九州では「かなぎ」。
 京都、大阪でも非常に小さなイカナゴのちりめんを「かなぎ(かなぎちりめん)」と呼ぶ。
 関西、兵庫などでは生まれたばかりのものを「新子」もしくは「こな」。成長したものを「古せ」と呼ぶ。
 大型の20センチ前後になると宮城県、岩手県では「めろど」、「めろうど」、「めろーど」。北海道で「おおなご」。
食べ方◆ 「新子」、もしくは「こな」(稚魚 5センチ弱)/くぎ煮、しらす干し、かき揚げ
「古せ」(成魚 5~12センチ前後)/塩茹で、唐揚げ
「大女子」、「めろうど」(大型 12~20センチ以上)/干物、塩焼き、刺身、煮つけ

 冬に生まれたものが、新子と呼ばれ、春に市場に入荷してくる。関東などには伊勢湾などのものが入荷してくるが、大阪、兵庫、岡山など関西では前海でとれるため、春の風物詩とも言えそうだ。
◆食べてみる◆
 初冬に生まれたイカナゴは兵庫県明石をはじめ瀬戸内の春の風物詩、明石の「魚の棚」など近隣では「くぎ煮」を手づくりする人が列をなして並びます。この「くぎ煮」、家々で少しづつ作方が違う懐かしい味。また春のイカナゴを塩茹でした「釜揚げ」、干した「ちりめん」はイワシより旨味が深い。
 これが大きくなれば大きくなるほど安くなり、「古せ」になったものは茹でてしょうがじょうゆで食べる。これは安上がりで栄養価が高い、がめつい大阪商人はこれを来る日も来る日もでっちに食べさせた。
 三陸から初夏にくる大きくなったものは本来、魚粉や飼料となる産業種なのであるが、三陸を始め好んでこれを干物などに加工する。三陸名産「めろうどの干物」である。焼くとじわりじわりと脂がしみ出してくる。また新鮮なら刺身は逸品である。脂がトロっとした舌触りを産み出して甘い。脂が強いので煮つけもねっとりと濃厚なうまさである。
寿司に関しては寿司図鑑へ!
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釜上げ(写真上左)は春だけの限定商品。カタクチイワシよりも苦味も脂も強く好き嫌いがでる。一般にしょうが醤油で食べるもの。
ちりめん(関西では「かなぎちりめん」 写真中)は小さなものの方がうまいし高い。これも脂があり、カタクチイワシと比べるとクセがある。
これは大阪府、兵庫県、岡山県などで盛んな「くぎ煮」である。市販もしているが、瀬戸内海周辺では家庭で作るもの。煮あげた形が古釘(くぎ)のようであるから漢字では「釘煮」。
作り方は醤油と砂糖、生姜を煮立てて、そこで短時間で煮あげる。酒を使うなどは各家庭で違うようだ。
●岡山県倉敷市 武内立爾家にて
←イカナゴも大きくなって「めろうど」などと呼ばれるサイズになったら刺身にする。アオメエソは「めひかり」となって市場ではなかなかの高級品になってしまったが、大きくなり過ぎたイカナゴはまだ安い。そして刺身は「めひかり」に負けず劣らず。脂が滑らかな舌触りを作り甘味がある。寿司屋、居酒屋にはもってこいのアイテムである



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