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棘皮動物門ナマコ綱楯手目マナマコ科マナマコ属

マナマコ(manamako)

魚貝の物知り度

★★★ 知っていたら通人級

学名 Stichopus japonica Celenka
外国名 英名/Japanese common sea cucumber, Sea cucumber, Sea slug,Trepang
同科同属 その他のナマコ綱の仲間へはここから!
漢字・由来 漢字/真海鼠、生子(manamako)
由来・語源/
古くは単に「こ」と呼ばれていた。干したものを「干しこ」、「いりこ」というのに対して、「生こ」とされた。
漢字は形態がネズミに似ているからか?
地方名・市場名

別名、タワラゴ(俵子)、タワラ。
上方(関西)ではトラゴ。
アカコ、アカナマコ、アオコ、アオナマコ、クロナマコ、クロコ、カイソ。

形態 30センチ×8センチくらいになるが、身体は縮んだり、伸びたりするので大きさがわかりづらい。赤、黒、青など、退色は生息する場所によって変わる。覆面(下面)は総て赤。前方に口、後方に肛門がある。身体に縦に6列のイボイボがあり、内骨格は退化して、内側に痕跡的に残る。
生息域 北海道~九州。中国大陸、朝鮮半島。
生態 赤いナマコ(アカナマコ)は概要生でじゃりなどのある岩礁地帯に生息。
黒いナマコ(クロナマコもしくはクロコ)、緑青色のナマコ(アオナマコもしくはアオコ)は内湾の砂泥地に生息する。
泥とともに珪藻類、海藻、貝類、アマモの破片などを食べている。
産卵期は3月~9月。
産卵後、餌(えさ)をとることをやめ、深場に落ちる。
冬に活発に餌をとり、活動する。
腸や身体を再生することができる。
危険を感じると内臓を出して、敵の目をごまかす。
一般的評価 ナマコ自体が一般的な食材とは言えない。
スーパーなどでは切りパック入りのナマコをよく見かけるが、丸で売られていることは希。
また「このわた」はスーパーなどでも見かけることがある。
水産基本情報 水産物としての重要度/★★★ 重要性は平凡
雑学 季語歳時記/冬(「このわた」も)
色合いで呼び名が違うが、アオナマコ、クロナマコ、アカナマコは一種で総てマナマコ。
選び方 生きているもの。触って硬く、太っているものがいい。
味わい・栄養 旬は冬。
筋肉は微かに渋み、苦みがあるが、これが持ち合い。
食感があり、硬いが適度にかみ切れる。
意外に消化はいい。
腸、生殖巣なども独特の味わいがある。
栄養
ビタミン類が豊富。
カルシウム、コンドロイチン、コラーゲンに富む。
ナマコが持つ、ホロトキシンというサポニンの一種には水虫を起こす白癬菌の成長を抑制し、殺菌効果もある。
調理法 生/茶振り
加工品/このわた、くちこ

食べ方 生で食べるのがいちばん簡単でうまい。
口と肛門を切り、包丁を縦に入れて内臓を取り出す。
内側の骨の名残、皮を剥いて適当に切る。


マナマコは生きているものに振り塩し、しめて、口と肛門を切り落とす。身を割って、内臓を取り出し、内側の軟骨を取り、皮をむいて適当に切れば、そのまま食べられる

これを二杯酢はポン酢、柑橘類としょうゆなどで食べる。


ポン酢で食べてもいいが、橙(だいだい)、スダチ、ゆずなど柑橘類に生醤油というのがうまい

手がつけられないくらいの温度のお茶の中で、振り、ゆるやかに熱を通す。
これを酢の物、もしくは酢漬けにする。
生のものよりも柔らかくて美味。
このわた、くちこなどもうまい。
すしネタとしては寿司図鑑へ!
好んで食べる地域 日本全国。
加工品・名産品 いりこ(煎海鼠、海参)、きんこ(金海鼠)/平安時代から作られていた。塩湯でして、干したもの。現在では高級中華食材として非常に重要。江戸時代には長崎から俵ものとして輸出されていた。漢字「海参」は薬効、薬用人参に匹敵するため。
このわた(海海鼠)/内臓の塩辛。独特の渋みや苦み、風味がある。
くちこ、このこ、ほしこ、ばちこ/生殖巣を干したもの。


卵巣を乾し揚げたもので珍味佳肴のたぐい。くちこ、ばちこ、ほしこ、このこ、などと呼ばれる。軽く焙って食べるものだが、非常に濃厚な旨みを持ち、独特の風味がある

切りナマコ/内臓をとり、内側の骨、皮を取り去り、切ってパック詰めしたもの。
釣り
参考文献 『水産加工品総覧』(三輪勝利監修 光琳)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)、『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『水産無脊椎動物学』(椎野季雄 培風館)、『基礎水産動物学』(岩井保、林勇夫 恒星社厚生閣)、『歳時記語源辞典』(橋本文三郎 文芸社)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編 東京堂出版)、『日本語源大辞典』(小学館)、『語源海』(杉本つとむ 東京書籍)




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