顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱ツノザメ・エイ上目ツノザメ目ツノザメ科ツノザメ属
★★★ 知っていたら通人級
学名 | Sqoalus acanthias Linnaeus |
外国名 | 英名/Atlantic piny dogfish |
同科同属 | 他のツノザメ目へはここから! |
漢字・由来 | 漢字/油角鮫 由来・語源/肝臓から肝油を採取していたためか。 |
地方名・市場名 |
一般にアブラザメ。 |
形態 | 雌は体長1メートル前後、雄は体長70センチに達する。典型的なサメ型で第一背鰭の先端に強い棘がある。体表に細かな白くて丸い斑文が散らばる。 |
生息域 | 海水魚。日本海以北、太平洋側では千葉県以北。全世界の寒帯から温帯域。大陸斜面。水深70メートル~150メートル。 |
生態 | 春には餌を求めて北上、寒い時期には南下する。 卵胎生。 交尾期は冬。 妊娠期間は18ヶ月~22ヶ月。 出産も冬。 60センチ~70センチになるのに10年以上、1メートルになるには40年近くかかる。 |
一般的評価 | サメの煮つけは関東などでも古くから定番的なお総菜であった。 それが年々食べられなくなっている。 サメを料理する年代が高齢化している。 このためスーパー、魚屋などで見かけることが少なくなっている。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★ 重要性は平凡 市場での評価/関東には棒ざめになって入荷してくる。福島県などの底曳ものは安いが、青森県の釣りものは、やや高値。 ![]() 関東などには青森県から「棒ざめ」が入荷してくる。頭を落とし皮をはいだもので、そのまま切り身にして使えて重宝なもの。画像は青森県産の釣りもの。 漁法/延縄漁 主な産地/青森県、北海道、宮城県、福島県など。東北北海道 |
雑学 | 青森県でいちばん食べられている。 青森市内の市場ではむき身だけではなく、頭部まで並んでいて、思わず立ち止まってしまう。 |
選び方 | 棒ざめは身が盛り上がった、硬いもの。また血合いが赤いもの。 底曳網のものより釣りものの方が上質。 |
味わい・栄養 | 旬は冬。 やや赤みがかっているがサメ特有の乳白色の身。 しっとりしていて、まったくクセがない。 皮以外ほとんどが利用できる。 卵巣はピンポン球のようで、卵黄だけの鶏卵のよう。 やや白いが、熱を通すとサメだとわからない。 栄養 肝臓にはビタミンAが豊富で肝油をとるために漁獲されていた。 |
調理法 | フライ、煮つけ、煮こごり、トマト煮、唐揚げ、ムニエル |
食べ方 | フライにすると絶品。 あっさりとして硬くならず、クセがないのでサンドイッチなどにも最適。 一般的には煮つけになる。 サメの中でももっともしっとりして味がいい。 ![]() アブラツノザメの煮つけはサメの中でももっともうまいもの。しっとりしてクセがなく上品。画像は田向商店の商品 頭部はゆでてほぐし、冷やすと煮こごりになる。 酢みそなどで食べて美味。 ![]() 青森県の郷土料理「すくめ」。頭をゆでて、ほぐし、煮こごりにしたもの。酢みそなどで食べると美味。画像は田向商店の商品 唐揚げ、ムニエル、トマト煮など様々に使えて重宝な食材。 卵はクセがなく鶏卵の黄身だけのようだ。 オムレツやチヂミにしてとても美味。 ![]() ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | 東北、北海道 すくめ/頭部の煮こごり。ときにネギなどを加える。 |
加工品・名産品 | 棒ざめ(むきざめ)/青森県をはじめ東北・北海道。 焼きざめ/むきざめを素焼きにしたもの。これをあぶり直してそのまま。他には酢の物、煮物などに使う。 |
釣り | |
参考文献 | 『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)、『魚の辞典』(能勢幸雄 東京堂出版) 協力/田向商店 |