軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ科
★★★★ 知っていたら達人級
学名 | Mercenaria mercenaria (Linnaeus, 1758) |
外国名 | 英名/Cherry stone clam, Hard-shell clam |
同科同属 | 他のマルスダレガイ科へはここから! |
漢字・由来 | 漢字/本美之主貝。 由来・語源/古くはVenus属であったために、ビーナス貝と呼ばれた。国内産の「Venus」属に和名「ビノスガイ」と先につけたため、このように「本」をつけることになった。 |
地方名・市場名 |
一時期「シロハマグリ(白はまぐり)」として出荷されたことがある。 |
形態 | 殻長10センチ前後になる。貝殻はややもろく、非常に厚い。灰白色で放射肋が目立つ。 |
生息域 | 海水生。アメリカ大西洋側が原産。東京湾などで繁殖している。 都内京浜運河の砂地で撮影したもの。東京湾奥ではありふれた二枚貝になっている。 |
生態 | |
基本情報 | 北アメリカ東岸では重要な食用二枚貝。 クラムチャウダーにしたり、生食に饗することもある。 これが1990年代に東京湾に移入。 内房では多産するようになっている。 千葉県船橋などで漁獲を始め2000年代になって国内で出回り始めたもの。 2010年には国産ものとしてはアサリよりも多いことがある。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★ 重要性は平凡 市場での評価/関東の市場には毎日のように入荷している。近畿など西日本にも流通しており、全国的に取り扱われるように。価格は低い。 漁法/じょれん曳 主な産地/千葉県 |
ノート | ■千葉県立博物館黒住耐二、岡本正豊(敬称略)による報告に1990年代中ごろに東京湾奥で稚貝が発見されたと書かれる。 ■東京湾船橋沖三番瀬では大量に水揚げされている。 ■汚染にも強くアサリとともに湾奥、東京湾京浜運河でも見ることができる。 ■北米では重要な食用貝であるとされ、奥谷喬司にニューヨークの屋台で本種を生でレモンをしぼり食べたと記されている。 |
選び方 | 原則的には生きているもの。 |
味わい・栄養 | 旬は不明。 貝殻が厚く歩留まりが悪い。 旨みは少ない。 熱を通すと硬くなる。 |
切り身図鑑 | |
調理法 | スープ、汁、ゆでる(塩ゆで、湯引き)、煮る |
食べ方 | アメリカではチャウダーなどスープで食べることが多いという。 要するに乳製品(牛乳や生クリーム、バター)で旨みをおぎなうという調理法。 トマトベースのものもあるというが、これも旨みを+するという意味合いでは同じ。 このスープはなかなか美味。 和風にみそ汁や潮汁にしても悪くはない。 やや旨みに劣るので、湯引きしてカルパッチョにするのも一孝。 足の部分など開いて食べやすくする。 船橋などではバカガイと同様に塩ゆで。 ゆで汁で洗って、ゆで貝にする。 これがなかなか美味。 佃煮にしても美味。 ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | アメリカ東海岸 |
加工品・名産品 | 佃煮 |
釣り | |
参考文献 | 参考/『美食主義者の貝エピキュリアン』(奥谷喬司 日本出版社) 協力/千葉県立中央博物館 黒住耐二 |