顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カジカ亜目テングトクビレ科サブロウ属
★★★★ 知っていたら達人級
学名 | Podothecus sachi (Jordan and Snyder) |
外国名 | 英名/Sailfin poacher |
同科同属 | その他のトクビレ科の魚へはここから! |
漢字・由来 | 漢字/特鰭。 由来・語源/特に大きな鰭を持つの意。大きく広がる第二背ビレ、尻ビレに由来する |
地方名・市場名 |
北海道、関東ではハッカク(八角)。 |
形態 | 雄(おす)は第二背ビレ、尻ビレが大きく、体長50センチを超える。体中が骨板(骨質板 ウロコが変質して硬い板のようになったもの)で被われていて、尾の方は棘のようになっている。![]() ↑雌(めす)は小さく成長しても35センチ前後。第二背ビレも尻ビレも大きくならないために全体としては地味なものではあるのだが、味わいは決して悪くない。真子ともに煮つけ、塩焼きなどでは非常にうまいものであるし、刺身だってなかなかいける。「八角メス」なんて奇妙な表示もあるのが、いかにも八角というものがわかっていない。これ関東の市場ならでは。 |
生息域 | 海水魚。島根県浜田、朝鮮半島東部以北、北海道、サハリン西方のタタール湾までの日本海側。相模湾以北、北海道までの太平洋側、オホーツク海。水深80メートル~600メートル前後。 |
生態 | 交尾して産卵期は10月から11月。 深海性で海底のゴカイやユムシを食べている。 |
一般的評価 | 近年(2010年)関東ではときにスーパーなどでも見かける。 知名度は上がってきている。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★ 漁獲量は多くも少なくもない 市場での評価/関東の市場では量的には少ないが、定番的な魚となっている。値段は小さくても高値安定。大型のものは高級魚。ハッカクは雄の呼び名であり商品価値も高い。それに対して雌(めす)は小形であり、脂も少ないがために人気がないのであるという。値段の安い小振りなものには雄雌が混ざって箱詰めされている。関東ではあまり雄雌にこだわりがないので、混ざって入荷してきても特にオスを選んだりすることはない。 漁法/底曳き網、刺し網 主な産地/北海道 |
雑学 | 八角(ハッカク)は雄の呼び名。 |
選び方 | 雄は鮮度がいいと黒い。目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。 |
味わい・栄養 | 旬は冬。 白身で白濁して脂が混ざり込んでいる。 濃厚な旨みと、脂の甘みがある。 鱗は硬くて食べられないのだが、焼くと香りが立つ。 |
調理法 | 焼き物(干物、軍艦焼き)、刺身、汁(潮汁、みそ汁)、スープ |
食べ方 | ウロコが硬くまるでエビやカニのようだ。 この硬い殻を気にせずに三枚におろし皮を剥ぎ取るようにして取り、刺身にする。 皮をむくと身は白濁していて脂が混ざり込んでいる。 刺身は身の味というより脂の味である。 これが舌に甘く、うま味が薄く広く口中に広がる。 ![]() 焼き物にしても絶品。 頭から半割にして、肝をつけたまま、塩を振り、少し置いてから焼くと最高にうまい。 干物にしてもいい。ただし塩焼きなら肝を生かせるが、干物だと無理。 だから塩焼きの方が上。 北海道での軍艦焼きというのは甘味のある加減味噌に肝を溶かし込んだもの。 これがまずいわけはない。 みそと肝を身にまぶしながら食べたい。 ![]() 寒い時期の八角(トクビレ)は値段が高い。 それが初夏とか夏にはグンと安くなるのだ。 実を言うと、こんな安い時期ならみそ汁にだってできる。 みそ汁だけでなくても、トクビレからは素晴らしいだしがでる。 洋風にブイヤベースにしてもいい。 ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | 北海道 |
加工品・名産品 | 開き干し/北海道などから入荷してくる。ただし量は少なめ。 |
釣り | |
参考文献 | 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房) |
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