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形態◆体は細長く、縦扁している(平たい)。砂地に馴染む色合いで目立たない。●比較のためにヨシノゴチのページへ |
カサゴ目(Scorpaeniformes) について◆■世界中に7亜目25科約266属約1271種。■硬い骨格をもち、棘や突起などが発達する。 |
コチ科(Platycephalidae) について◆■インド・太平洋海域に約60種。■代表的な食用種はコチ(マゴチ)、イネゴチ、メゴチ、ヨシノゴチなど。 |
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系カサゴ目コチ亜目コチ科コチ属
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魚貝の物知り度/★★★ 知っていると通人級
食べ方◆刺身/塩焼き/ちり(鍋物)/椀もの/煮つけ/天ぷら他
○野締めは美味 ◎活けは非常に美味
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生息域◆南日本。
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生態◆■雄性先熟。満2歳35センチまでは雄。40センチを超えると雌に性転換する。■ 産卵期は4月から7月。■ 水深30メートルくらいまでの浅い砂地でエビや魚を捕食している。
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大きさ◆1メートル前後になる。
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市場での評価・取り扱われ方◆年間を通じて入荷は多いが、初夏から秋が多い。値段はやや高め安定。活魚は高級。
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漁獲方法◆刺し網/底引き網/釣り
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◆食べてみる◆
透明感のある白身で、野締め(即死させないでおいたもの)は身が白濁する。歩留まりが悪い上に値段の高い魚。ただし真に価値があるのは活魚ではないか。鮮度(身の弾力)の落ちるのが早い魚。
コチ(まごち)に2種あり、もうひとつのヨシノゴチはやや色合いが薄く丸く褐色の斑紋が散らばる。対して本種は全体が黒っぽく丸い斑紋がない。味はマゴチのほうがいい。
旬は産卵との関係ではなく、マゴチのとって快適な温度で、しかもエサをしきりに食べる時期にあたるのではないかと思う。そのため産卵期は春から夏だが、気温が上がってから夏前後までがうまい。
特に活けのものがいい。活けをそのまま洗い、刺身が最上。寿司に握っても絶品。
ときに刺身以上にうまいと思うのが塩焼きだ。特に頬の部分の身を「頬身」などと呼び珍重する。頬の身がうまいので「コチの頭は嫁に食わせよ」という諺(ことわざ)がある。
最近では季節を問わず入荷してくる。寒い時期なら鍋物材料にしてもいい。上品な白身でぽん酢に合う。
長崎風に衣に味付けをして天ぷら(フリッター)にするのもうまい。
◆名物料理・郷土料理◆
こちのかけ飯/岡山県では前海である瀬戸内海の小魚やこのコチのような歩留まりの悪いものを様々に工夫してうまく食べる食習慣が発達している。そのコチを使った料理に「こちのかけ飯」というのがある。ウロコと内臓を取り去ったコチを茹でて、身だけをほぐしとる。このとき丁寧に骨や汚れを取り去ると真っ白な泡雪のようなものとなる。そこにコチのゆで汁に野菜を入れ醤油味をつけた汁をかけて食べるのである。
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コチの基本◆
■常に雄雌、夫婦仲良くつがいで暮らすと相模湾などでは言われている。
歳時記・季題◆■「夏」。 |
漢字◆
■「鯒」。敵に遭うと飛び跳ねるように逃げる。この様を「踊る」として文字を作った。
■「牛尾魚」とも書く。牛の尾の形なので。
由来◆
■大言海に“笏(こつ)”に似ているため。“笏(こつ)”は字音が“骨”に似ているため「しゃく」と読ませる。衣冠束帯(貴族の正装)のとき右手にもっていた細長い木の板。
■ 「こち」は「こつ」で頭を表す方言。
■ 「こち」は「骨」で骨っぽいことから。
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呼び名・方言◆
■市場では「マゴチ(真ごち)」、「ホンゴチ(本ごち)」。
■ 「ガラゴチ」、「ゼニゴチ」、「ヨゴチ」、「ムギメ」。 |
釣り◆関東では千葉県の内房でエビ、ネズミゴチ(ネズッポ科)などを餌に釣らせる船がある。すなわち生餌のくわせ釣りである。1匹かけるともう一匹くるぞと相模湾などでは言われることがある。確かにコチを釣り上げるときに他のコチが水面近くまで追いかけてくることがある。コチは必ず夫婦2匹でいるもので、片割れが釣り上がると追いかけるようにハリにかかるのだそうだ。
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●同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
参考/『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編 東京堂出版)、『歳時記語源辞典』(橋本文三郎 文芸社)
■私見。市場魚貝類図鑑データベースから ■がついたものは引用部、もしくは参考文献あり ●本サイトの無断転載、使用を禁止する
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