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甲殻類十脚目短尾下目クリガニ科クリガニ属 トゲクリガニ Telmessus cheiragonus
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魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
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魚貝の物知り度/★★
■市場ではときどき見かけるもの。産卵期が春であり、この季節に多い。値段はケガニからすると安い
茹でガニ
 東京湾以北の本州、北海道の日本海側に生息。
 童謡ににケガニになれないクリガニというのがあるが、どうしてもケガニと比べられる。ケガニよりもひと回り小さくて、甲羅が5角形に見える。
 1989年の5月に青森の駅前市場へ魚を見に行った。ゆっくりと北国の市場を散策したのは初めてであったのだが、市場に溢れたクリガニが市場中を逃げ回り、ときに足元を当たっていくのに驚かされた。それを市場のおばさんが見て笑いながらなにか言っている。「捕まえたらもって帰っていいよー」と言っているらしいので、あえて探すとなかなか捕まえられない。歩き疲れてさっきのおばさんの店を見るとゆであげられたばかりの本種が山盛りになっている。これを1杯だけ買って帰りの東北自動車道のパーキングで食べた。今でも思い出すのは店先の試食で殻をどんどん剥いてくれて「『わんないがに』おいしいだろ」と何度もくり返す、まっかなほっぺのおばさんの顔。
メモ/『大柿町の海辺の生き物』大柿町海辺の生き物調査団著(広島県大柿町)というまことに楽しい図鑑がある。大柿町は瀬戸内海厳島、倉橋島に挟まれた島であるが、ここ大柿町でトゲクリガニが見つかっている。このトゲクリガニ迷子なのか、瀬戸内海で棲息するものなのか?
■小型はみそ汁に、大形は茹でがににする。味はケガニとそれほど違いがない。青森の市場では、茹で立てを食べたが甘味もあり、ケガニよりうまいというのも誇張だとは言いきれない。
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クリガニ(上)とトゲクリガニ(下)の見分け方
 両種は外見はまったく同じカニに見える。これを見分けるには甲羅の目と目の間のトゲを見る。4つ並んだ真ん中の2つが脇のトゲよりも明らかに小さければトゲクリガニ、ほとんど同じであるならクリガニ。ただし市場で見てもこれがなかなか判断に迷う。
 形から見分けがつかない時には福島、青森などからのものはトゲクリガニ、北海道根室・オホーツク海沿岸周辺ならクリガニとすることもできる。



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