節足動物門甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱エビ上目十脚目抱卵亜目短尾下目ケガニ科ケガニ属
★★ これは常識
学名 | Erimacrus isenbeckii(Brandt,1848) |
外国名 | 英名/Horsehair crab, Korean crab, Kegani crab |
同科同属 | その他のクリガニ科のカニへはここから! |
漢字・由来 | 漢字/毛蟹 由来・語源/毛が生えているカニの意味。 |
地方名・市場名 |
別名、オオクリガニ。 |
形態 | 雄が甲長15センチ、雌が甲長12センチ前後になる。甲羅は円形に近い。雄の方が前後に長く楕円形。雌は円形に近い。全体に茶色、もしくは褐色。 |
生息域 | 海水生。朝鮮海峡、島根県以北日本海、茨城県以北太平洋、北海道。サハリン、オホーツク海、千島列島、カムチャッカ、アラスカ沿岸。 |
生態 | 交尾期は7月から翌年の3月。 雄は雌を抱え、脱皮を促し、精子を注入後、生殖孔に栓をする。 卵は1年で成熟し、産卵期に受精して生み出される。 産卵期は釧路以西では7月~8月と11月~翌年4月。 噴火湾では1月~3月。 ゾエア期、メガロパ期などを経て稚ガニになる。 |
一般的評価 | 高級なカニという認識で定着。 北海道などのお土産の定番でもある。 ただし本州太平洋側でとれていることを知らない人が多い。 |
水産基本情報 | 市場での評価/活け、煮ガニ(ゆでガニ)などで年間を通じて入荷してくる。値段は高値安定。高級なカニのひとつ。 漁法/カゴ漁、刺し網 主な産地/北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県 |
雑学 | ■もともとは缶詰の原料。煮ガニ、活けガニの出荷は1965年頃から始まる。 ■長万部のケガニ/昭和20年(1945)末、函館本線長万部駅の構内立ち売り商が噴火湾であがるケガニをゆでて売ることを思いついた。各種食料品統制下で売る物に困った末に行われたもので、予想外に好評を博し、名物となった。 |
選び方 | 持って重いもの。殻が黒ずんでいないもの。 |
味わい・栄養 | ゆでてもほとんど赤くならない。 身よりもミソが好まれる。 ミソとは肝膵臓(膵臓が独立しないで肝臓内に組み込まれてあるもの)のこと。 身はズワイガニなどよりも小さく、ボリューム感に欠けるが甘みが強い。 |
調理法 | ゆでガニ、蒸しガニ |
食べ方 | 蒸すかゆでる以外に考えられない。 調理の工夫、創造はムダに思える。 鍋物などにするというのもあるがやめた方がいい。 脚や甲羅下の身はタラバガニやズワイガニに負けないほどうまい。 甘みが強く、適度に繊維質でほぐれやすい。 ただしボリューム感に欠けるのが残念。 ミソ(肝膵臓)の味はカニのなかでも最上級のうまさ。 ![]() ■ゆで方 1 たっぷりのお湯を用意する。ここに塩を3~4パーセント。味見するとかなり塩辛い。 2 甲羅を下にしてカニを入れて20分を目安にゆでる。小さいものは15分前後、大きいものは25分と考えるとわかりやすい。生だとミソ(肝膵臓)が生臭くおいしくない。ケガニはゆでてもあまり赤くならないので注意が必要。 |
好んで食べる地域 | |
加工品・名産品 | 煮ガニ/ゆであげたケガニ。東北太平洋側、北海道で作られる。 |
参考文献 | 『釧路のさかなと漁業』(桜井基博、山代昭三、尾身東美、阿部晃治 釧路叢書)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)、『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂) |
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