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画像はメス。雄の成体はハサミがとても長い
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甲殻類十脚目短尾下目クモガニ科タカアシガニ属
タカアシガニ
Macrocheria kaempferi (Temminck,1836)
●他のクモガニ科のカニへはここから!
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魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆蒸す
○美味
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市場での評価・取り扱われ方◆
■関東の市場にも少ないながら入荷してくる。値段は一定しないが安い。
■水揚げ港としては静岡県沼津港、千葉県金谷港・外房、神奈川県三浦市長井、愛知県蒲郡市形原、三重県尾鷲市尾鷲漁港など。和歌山県などでもとっている。
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タカアシガニの基本◆
■駿河湾戸田村では大正時代から底引きで水揚げされていたが、本種は見向きもされなかった。それが戦後に旅館などで出されるようになって名物に。
■資源の減少が著しく、稚ガニの生産や、養殖、畜養などの研究が盛んである。
■ドイツ人エンゲルベルト・ケンペル(日本滞在1690~1692年)が長崎出島オランダ商館長の江戸参府のおりに巨大な足の一部(ハサミ)を駿河の国、由比でみつけた。
■学名の「kaempferi」はケンペルのこと、「Macrocheria」は巨大なハサミを意味する。
■最初の命名者はテンミンク(Coenraad Jacob Temminck, 1778-1858)によるが、後のシーボルト、ビュルゲルの標本をもとに実質的に分類整理したのはデ・ハーン(De Haan)である。
■全長では世界最大のカニ。
■静岡県沼津市戸田ではタカアシガニ料理を名物としている。
■剥製、甲羅部分などはお土産などとして売られている。
■甲羅部分におどろおどろしい顔を描き魔よけなどにする。
■静岡県沼津市では、稲の取り入れ時期に案山子の変わりに鳥よけなどになっていた。 |
生息域◆
■岩手県から九州までの太平洋岸。
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生態◆
■水深250メートルから650メートルに棲息。
■春には100メートルよりも浅い場所、ときに水深30メートルくらいの場所に移動してくる。
■雄の方が雌よりも遙かに大型になる。
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大きさ◆■甲長39.5ミリセンチほどになる。ハサミ脚を広げると3メートルを超える。体長で言えば世界最大種。
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漁獲方法◆■底曳網/底刺し網
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漢字◆「高足蟹」。
由来◆外見から。
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呼び名・方言◆
■静岡県御前崎では「面蟹(めんがに)」と呼び、魔よけにしていた。
■静岡県沼津市では「死人蟹(しびとがに)」、「平家蟹(へいけがに)」とも呼ばれていた。
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◆食べてみる◆
巨大なカニであるので特別な機材がなければ調理ができない。自宅で蒸すときには甲羅を外して二つに折ってから調理する。もっと大型なら足だけにする。
水分が多いのでゆでるのではなく、蒸す方がいい。
足の身は殻からの離れがよく、色合いが赤くてきれいだ。
蒸す限りは味が濃く、うまい。
●参考/『相模湾産深海性蟹類』(葉山しおさい博物館)、『ケンペルの見た巨蟹』(鈴木克美 静岡新聞社)、『シーボルトと日本の博物学』(山口隆男編)
静岡県沼津市の飯塚栄一さん、菊地利雄さんにいろいろご教授願いました。
■がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
●寿司に関しては寿司図鑑へ!
●千葉県竹岡産
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ゆでる前から赤いのだけど、身も真っ赤である。蒸す限りとてもうまい。
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