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甲殻綱エビ上目十脚目短尾下目イワガニ科モクズガニ属

チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)

魚貝の物知り度

★★★ 知っていたら通人級



学名 Eriocheir sinensis H.Milne Edwards 1853
外国名 英名/Chinese mitten crab
同科同属 他のイワガニ科のカニへはここから!
漢字・由来 漢字/「中国藻屑蟹」。
由来・語源/ハサミに密生する細い毛を藻屑にみたてて。その昔は「シナモクズガニ」。
中国では「毛蟹」とも書く。
地方名・市場名

一般にシャンハイガニ(上海ガニ)。
古くはシナモクズガニ。

形態 全体に黒っぽい褐色。頭胸甲(背甲)は円形に近くこぼこするが平たい。足はとても細い。近縁種のモクズガニよりも脚などが細い。
生息域 中国南北沿岸、朝鮮半島の湖沼、河川、汽水域。
生態 河川、湖沼などで生育し、汽水域などに下り、産卵する。
産卵期は秋から初冬。
一般的評価 最近ではマスコミ登場回数も増えて、知名度は上がるばかり。中国の観光資源的なものとなっている。
国産のモクズガニ以上に人気がある。
ただし話題が先行している割りに、実際に食べている人は少なそう。
市場で見る限り、食べ方も、調理法も知らないという人が多い。
水産基本情報 水産物としての重要度/★★★★=重要水産物
市場での評価/10月には本格的に輸入されてくる。築地などでは、値の高い雌から安い雄までランク別に売られている。外来種法が施行されてから供給が少なくなり、高くなったが、本来はそんなに高いものではなかった。養殖ものが多い。



漁法/カゴ漁、定置網
産地/中国(江蘇州陽澄湖など)
雑学 国内にはモクズガニという近縁種がいる。
外来種法によって特定外来種に指定されている。許可なく飼う、売り買いすることはできない。
選び方 重みがあって、生きのいいもの。
味わい・栄養 味の評価/★★★★=非常に美味
なんといっても内子(卵巣)の味を楽しむもの。
濃厚な微かに酸味をともなった旨味があり、甘い。
足や甲中の身も味がよく、特筆すべきだが、いかんせん細かく少ない。
取るのが面倒である。
調理法 料理法/蒸す、ゆでる
中華では/老酒漬け(酔っぱらいがに)
食べ方 ウェステルマン肺吸虫の中間宿主となる。終宿主は人なので注意が必要。
いちばん安全でうまい食べ方は蒸す、もしくはゆでる。
とくに内子が濃厚な味わい、また少ないながらとれる身もうまい。



酔っぱらいガニなどは寄生虫の危険があるが、濃厚な旨味と味であって美味。
好んで食べる地域 中国江蘇州、上海周辺。
加工品・名産品
参考文献 『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『図説人体寄生中学』(吉田幸雄 南山堂)、『中国貿易魚介図鑑 東シナ海版』(成山堂)




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