甲殻綱十脚目短尾下目ガザミ上科ガザミ科ガザミ属
★★★ 知っていたら通人級
学名 | Portunus (Portunus) trituberculatus (Miers.1876) |
外国名 | 英名/Gazami crab, Blue swimming clab |
同科同属 | 他のガザミ科のカニへはここから! |
漢字・由来 | 漢字/蝤蛑 由来/カニハサミの意味。 |
地方名・市場名 |
ヒシガニ(菱蟹)、ワタリガニ(渡蟹)と呼ばれることの方が多い。 |
形態 | 甲幅は150センチを超える。菱形で甲羅はオリーブ色から青。雄はハサミが長く大きい。いちばん後方の足はオール状に平らたくなり、泳ぐことができる。 |
生息域 | 北海道南部から九州。韓国、中国、台湾。内湾を好む。 |
生態 | 内湾に生息。 温かい時期は浅場で生活し、秋になると深場に移動、冬には砂に潜り冬眠する。 夜行性。昼は砂に潜って、夜に活動する。 いちばん後方の第5脚はオール状になり泳ぐことができる。 エサは巻貝、二枚貝、環形動物、甲殻類など。 秋に雌(めす)の脱皮を待って後尾する。 産卵期は4月~9月。2回産卵する。 産卵した卵は抱卵する。抱卵は10日~20日。 甲長6センチ前後、甲幅14センチ前後になる。 寿命は2年~3年。 |
一般的評価 | もともとは非常に一般的なカニであった。 ケガニは北海道・東北、ズワイガニは深海性、タラバガニは北海道ということで、実は知られるようになったのは1960年代後半から。 本州、四国、九州の浅い海域でとれた本種は非常に重要なものだったのだ。 それが激減。 今では輸入品などがスーパーに並ぶが、国産は高級。 首都圏ではほとんど見かけることがない。 |
水産基本情報 | 水産物としての重要度/★★★ 重要性は平凡 市場での評価/関東には青森県などからの入荷が多い。値段は活けは非常に高価。死んだカニはやや高め。輸入ものもあるが、やや高値。 漁法/刺し網、底引き網、定置網 代表的な産地/青森県、秋田県、三河湾、瀬戸内海、有明海 漁獲量が減ってきていて稚ガニの放流などが盛ん。 |
雑学 | 歴史/明治、大正、昭和初期まで東京湾品川、大森などで「カニ料理」を食べさせる店が有名だった。 俚諺・俗言・言い伝え/「月夜のカニは身がない」 歳時記/季語 夏 |
選び方 | 活けは生きのいいもの。持って重いものを選ぶ。 雄雌(おすめす)は基本的に身は雄がうまい。 寒い時期、雌は内子を持っていてこれを珍重する。 外子(ふんどし部分に出た卵)はまずいので、これが少ないものを選ぶ。 身はともかく「みそ」と呼ばれる肝膵臓(かんすいぞう)がたっぷりしているのは秋から寒い時期。 |
味わい・栄養 | 旬は秋から冬。 夏には脱皮するカニが多いのでうまくない。 秋に深場に移動する時期のカニがうまい。 また雌の内子が満ちているのは冬。 非常に淡泊な味わいだが甘みが長々と感じられる。 カニらしい香りがいい。 ミソ(肝膵臓)、卵巣の濃厚な旨みと甘みもずば抜けている。 |
調理法 | ゆでガニ、焼きガニ。蒸しガニ、みそ汁、炊き込みご飯 |
食べ方 | ゆでて食べるのがいちばんうまい。 塩水でゆでるのだが、熱湯にそのまま入れると脚が落ちてしまう。 このため一度氷水に入れてしめて(殺して)からゆでる。 口、鋏脚(ハサミ)の付け根から甲羅の中心部(心臓)に金串をさして、しめてからゆでるなどの方法がある。 いちばん簡単なのは氷水でしめるというもの。 蒸す、焼くというのもあらかじめ締めてからというのが脚が落ちない。 調理したカニに「カニ酢(二杯酢)」を用意することもある。 ![]() また切りガニにしてみそ汁にというのが簡単で味がいい。 海辺であがってしまった(死んでしまった)カニなどで漁師さんたちがよく作っているが、人により、これこそカニのいちばんうまい食べ方だとする向きもある。 切りガニにしてご飯に炊き込んでもうまい。 ■すしネタとしては寿司図鑑へ! |
好んで食べる地域 | 太良ガニ、竹崎ガニ 佐賀県藤津郡太良町ではガザミ料理を名物としている。 日本各地。 |
加工品・名産品 | 韓国料理のケジャン ガザミなどカニの塩辛のこと。ニンニク、唐辛子などを使う。 |
釣り | 砂浜などからカニ網(エサにきたカニを絡め取る)をつけて投げ釣りで釣る。 |
参考文献 |
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