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形態◆スイカの種のような形。頭がやや狭く、後方にいくに従い体高が高くなる。真の尾鰭はなく体を断ち切ったような直線に水着のパレオを思わせる舵鰭がある。マンボウは舵鰭が丸く円形を描き、ヤリマンボウは先が尖り三角形に見える。
フグ目(Tetraodontiformes)について◆
2亜目10科100属約340種。
フグ亜目(Tetraodontoidae)について◆
ウチワフグ科、ハリセンボン科、フグ科、マンボウ科の4科、29属185種。
マンボウ科(Molidae) について◆
世界中に4種。
皮膚は厚くなっており、鱗はまったくないか、ほとんどないに等しい。腹鰭はない。尾鰭の全部、大部分は背鰭と尻鰭の軟条が後方に移動してできたもの。新の尾鰭はない。これを舵鰭という。浮き袋がない。
■国内で食用となるのはマンボウ、ヤリマンボウ。
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系フグ目マンボウ科マンボウ属
マンボウ(漢字/翻車魚 英名/Ocean sunfish
学名/Mola mola(Linnaeus) その他のマンボウ科の魚へはここから!
魚貝の物知り度/★★★★ これは常識
食べ方◆キモ和え(鮮度がよければ)/腸の塩焼き/身の天ぷら/皮の湯引き/腸の湯引き/腸の中華いため/腸の椀種
大きさ◆全長3メートル、重さ1トンにもなる大型魚。
生息域◆世界中の温帯熱帯の海に棲息している。
生態◆
クラゲ類を食べる。
抱卵数は1.3メートルのもので約3億粒。魚類中もっとも多い。
市場での評価・取り扱われ方◆解体したものは市場で見かける。値段は安い。
漁獲方法◆突き漁/定置網
◆食べてみる◆
 マンボウといえば身と肝を生で酢みそか、キモ和えにするのが一般的である。身は手で細く割き、たたいたキモと和える。これは肝のうまみで食べるもので、なかなかうまいものだ。ただし鮮度がよくないと生臭い。
 一番旨いのは腸で、焼いて食べるとまるで特上の焼とりのよう。これは軽く干すと最上の酒の肴になる。



 身の部分は水分が多く、煮ても焼いても旨くないが、天ぷらだけは別格。まるでイカかエビ、どちらとも言えぬ味わい。


天ぷらは揚げてすぐに食べないと水分が出てきてしまう。すぐに食べるとエビとイカの中間、もしくはない交ぜにした味わい

 高知県などでは身と肝を味噌で煎り煮する。素朴な味わいで捨てがたい。
 厚みのある皮は真っ白でまるで石けんを思わせる。薄く切って湯引きして、酢みそで食べるとなかなかうまい。



◆名物料理・加工品◆
こわたの干物/マンボウの腸を干物にしたもの。非常にうまい。(三重県尾鷲市 岩田昭人さんから)
じふ/マンボウの身をすき焼き風に食べるもの。(三重県尾鷲市 岩田昭人さんから)

マンボウの基本◆
■本来は漁業者のみが食べていたもの。
魚類中もっとも産卵数が多い。
漢字◆「翻車魚」。
由来◆「まんぼう」の「まん」は「丸い」、「ぼう」は「魚」を表す。「円坊鮫」の訛。方形であるため、「萬方」の意味。
呼び名・方言◆
東北地方で「ウキキ(浮木魚)」、「ウキギ(浮木魚)」。
■北海道静内で「キナンボウ」。
「マンブ」、「クイザメ」、「ユキナメ」、「バラバア」、「シキリ」、「ウオノタユウ」、「タユウサン」。
●同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)  参考/『魚の分類の図鑑』上野輝彌・坂本一男 東海大学出版局)、『魚類学 上』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『日本語源大辞典』(小学館)、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日文庫)
■市場魚貝類図鑑データベースから。
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